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6 挨拶と詫びは違うと気付けないとか終わってる
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ありがとうございます!
また熱中症でぶっ倒れ、今回スピード重視で更新優先のためいただいたご指摘には順次対応させていただきますm(_ _)m
*・゜゚・*:.。..。.:**:.。. .。.:*・゜゚・*
翌朝、
「……さま」
「__様!」
(う~ん何よ、うるさい……)
「お嬢様!」
と叫ぶようなハンナの声で目が覚めた。
(あ。そっか、転生先だったんだっけ)
「お嬢さま、お休みのところ申し訳ありません。ロード伯がお戻りになったそうです」
「は?」
あれ?そのまま何日も帰らないはずじゃなかったっけ、記憶違いかな?
と時計をみると朝8時半を示していた。
寝ついたのが夜の11時過ぎだったから結構な時間寝た事になる。
結婚式の前は3時間くらいしか眠れなかったから仕方ないよね?
「そう。それで?」
「早くお支度を。朝食をご一緒にと待っておいでです」
「?!」
(朝食?そんなん一緒に取ったこと二年間の結婚生活の中でほとんどなかったわよ?!)
朝食にしろ夕食にしろ、共ににした回数は本当に僅か。
(単に描写が少なかっただけかもしれないけど……そもそもこの邸で顔合わせること自体少なかったのよね。マリーローズが寝てから帰ってきて、起きる前に仕事に行ってたから__なのに子供が出来たってよく考えたらおかしくない?)
昨日私が行動を変えた(原作では健気に披露宴をこなしてた)からヤツの行動も変わったのかな?
「待たずに食べて出掛けたら良いのに」
(なんでわざわざ待ってるの?そんな事、したことなかったじゃない)
「流石に昨日の事は不味かったと思っているのでしょう__どちらをお召しになりますか?」
ハンナが目の前にドレスを広げる。
普段着用の軽装にあたるがそれでも貴族の夫人用だから前世の正装より格段に手間がかかりそう。
「……一番楽で早く着られるものでお願い」
「一番早く着られるものはこの淡いオレンジ色のものになりますが…よろしいのですか?」
ハンナが言うのは馬鹿野郎の青でなくて良いのかという意味だ。
マリーローズは青を好んで、というか夫や婚約者の色を纏ったり差し色にしたりするのが暗黙の了解だからだ。
マリーローズの金の髪とフォレストグリーンの瞳と合うかは別として。
(いや、マリーローズだって美少女だからなんでも似合うんだけど。あそこまで青にこだわって全身コーデしなくっていいと思うのよ……)
それだけ好きだったんだろうけど、マリーローズの好きな色はあまり色の濃くない赤やピンクの暖色系だ。
夫に合わせて寒色系ばかり着ていたけど、オレンジやピンクだって着たかったはず。
(似非騎士がマリーローズに合わせたことなんてないんだから、これからは一切そんなことしない)
オレンジのワンピースを纏ったマリーローズが食堂に入ると、アベルがお誕生日席、じゃない主人の席に座っていた。
「おはようございます、ロード伯爵様」
お待たせしてすみませんとは言わない。
約束していないから、あんたの為に早起きする価値はないから。
「あ、あぁ、おはよう」
「お早いお戻りですね。てっきり数日はお帰りにならないかと(別に帰ってこなくてよかったのに)」
「いや、そういうわけにも__昨日はすまなかった」
「いえ、(私より)ずっとお仕事の方が大事なのでしょうから」
「わかってくれてうれしいよ」
美形のはにかむような笑顔をここまで腹立たしく感じる日が来るとは。
(今のは皮肉だ、この馬鹿)
嬉しがるところじゃねえわそこは「そんなことはない」とか口先だけでもフォローするところでしょうがよ!!
控えている使用人も微妙な顔になり、ダイニングに冷たい空気が漂っていたのを、アベルだけは気づいていないようだった。
(本当に、朴念仁ね……)
「(今のやりとりで)食欲がなくなりましたので、これで失礼します。ではごゆっくり」
と私は座ったばかりの席から立ち、ダイニングを後にした。
「なっ?急に具合が悪くなったのか?」
と似非騎士が立ち上がる気配があったが、私は振り向かず部屋に戻った。
ハンナも呆れたのかそれを止めることなく私の後に従った。
ダイニングにいた他の使用人も自身の主人を残念そうに見つめるだけで何もアクションを起こすことはなかった。
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翌朝、
「……さま」
「__様!」
(う~ん何よ、うるさい……)
「お嬢様!」
と叫ぶようなハンナの声で目が覚めた。
(あ。そっか、転生先だったんだっけ)
「お嬢さま、お休みのところ申し訳ありません。ロード伯がお戻りになったそうです」
「は?」
あれ?そのまま何日も帰らないはずじゃなかったっけ、記憶違いかな?
と時計をみると朝8時半を示していた。
寝ついたのが夜の11時過ぎだったから結構な時間寝た事になる。
結婚式の前は3時間くらいしか眠れなかったから仕方ないよね?
「そう。それで?」
「早くお支度を。朝食をご一緒にと待っておいでです」
「?!」
(朝食?そんなん一緒に取ったこと二年間の結婚生活の中でほとんどなかったわよ?!)
朝食にしろ夕食にしろ、共ににした回数は本当に僅か。
(単に描写が少なかっただけかもしれないけど……そもそもこの邸で顔合わせること自体少なかったのよね。マリーローズが寝てから帰ってきて、起きる前に仕事に行ってたから__なのに子供が出来たってよく考えたらおかしくない?)
昨日私が行動を変えた(原作では健気に披露宴をこなしてた)からヤツの行動も変わったのかな?
「待たずに食べて出掛けたら良いのに」
(なんでわざわざ待ってるの?そんな事、したことなかったじゃない)
「流石に昨日の事は不味かったと思っているのでしょう__どちらをお召しになりますか?」
ハンナが目の前にドレスを広げる。
普段着用の軽装にあたるがそれでも貴族の夫人用だから前世の正装より格段に手間がかかりそう。
「……一番楽で早く着られるものでお願い」
「一番早く着られるものはこの淡いオレンジ色のものになりますが…よろしいのですか?」
ハンナが言うのは馬鹿野郎の青でなくて良いのかという意味だ。
マリーローズは青を好んで、というか夫や婚約者の色を纏ったり差し色にしたりするのが暗黙の了解だからだ。
マリーローズの金の髪とフォレストグリーンの瞳と合うかは別として。
(いや、マリーローズだって美少女だからなんでも似合うんだけど。あそこまで青にこだわって全身コーデしなくっていいと思うのよ……)
それだけ好きだったんだろうけど、マリーローズの好きな色はあまり色の濃くない赤やピンクの暖色系だ。
夫に合わせて寒色系ばかり着ていたけど、オレンジやピンクだって着たかったはず。
(似非騎士がマリーローズに合わせたことなんてないんだから、これからは一切そんなことしない)
オレンジのワンピースを纏ったマリーローズが食堂に入ると、アベルがお誕生日席、じゃない主人の席に座っていた。
「おはようございます、ロード伯爵様」
お待たせしてすみませんとは言わない。
約束していないから、あんたの為に早起きする価値はないから。
「あ、あぁ、おはよう」
「お早いお戻りですね。てっきり数日はお帰りにならないかと(別に帰ってこなくてよかったのに)」
「いや、そういうわけにも__昨日はすまなかった」
「いえ、(私より)ずっとお仕事の方が大事なのでしょうから」
「わかってくれてうれしいよ」
美形のはにかむような笑顔をここまで腹立たしく感じる日が来るとは。
(今のは皮肉だ、この馬鹿)
嬉しがるところじゃねえわそこは「そんなことはない」とか口先だけでもフォローするところでしょうがよ!!
控えている使用人も微妙な顔になり、ダイニングに冷たい空気が漂っていたのを、アベルだけは気づいていないようだった。
(本当に、朴念仁ね……)
「(今のやりとりで)食欲がなくなりましたので、これで失礼します。ではごゆっくり」
と私は座ったばかりの席から立ち、ダイニングを後にした。
「なっ?急に具合が悪くなったのか?」
と似非騎士が立ち上がる気配があったが、私は振り向かず部屋に戻った。
ハンナも呆れたのかそれを止めることなく私の後に従った。
ダイニングにいた他の使用人も自身の主人を残念そうに見つめるだけで何もアクションを起こすことはなかった。
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