心の鍵は開かない〜さようなら、殿下。〈第一章完・第二章開始〉

詩海猫

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フィオナとダイアナ 6

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あの後側妃たちが結託してフィオナを暗殺するつもりだと知ったダイアナは、自分の前世名を知らせた上で皇帝に直訴した。

「フィオナ様が危険、守れ」と。

確かにダイアナが正体を明かさずただ「セレーネがソレイユ妃と結託してフィオナを狙っている」と知らせた所でフェアルドは信用しなかったろう、最悪「セレーネ妃が送ったスパイ」とされて投獄されていたかもしれない。

「どうしてそんな危険な真似を……」
「命懸けで自分以外の全てを救おうとした方に言われたくありませんね。私は今世で借りを返すって決めたんです」
「借り……?」
「ええ。その為に皇帝勅令を受けたんです」
「勅令?」
「はい。ひと言で言えば“フィオナ妃殿下を守る為なら何をしてもよし“っていう許可証ですね。つまり“妃殿下を守る為“と言う大義名分さえ守れば誰をいつ殺してもお咎めなしです」
「なっ……?!」
「対象は妃殿下以外の全てです。もちろんあのバカ猿、じゃない皇帝と騎士も例外ではありません」
「……っ__えぇと、貴女、元からそんな性格だった……?」
「人間年を取るとふてぶてしくなるものなんです、歳をとれば分かりますよ。ですので今世は長生きしてくださいね?フィオナ妃殿下。孫の代までお仕えするつもりですから。そうそう、これをお渡ししておきます」
「……?これって……」
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