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第二章 プロローグ
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気付いたらこんなに間が空いてしまい、7月も終わりとか、何やってんだ私!!
お久しぶりです、少しでも夏休みに楽しんでいただけるよう頑張ります。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
「この報告書通りなら、何故こんな優秀な人材をレジェンディアは国外に流出させたんだ?」
彼が手にしているのは、急なタイミングでこの国に留学してくるという二名の生徒の身上調査書だ。
「王族同士のやりとりでの留学だろ?お前の方が知ってるんじゃないのか?」
身上調査書を手に呟いたのはフェアリア王国の王子エリアス、返したのは彼の側近ジュノスである。
「いや、“丁重に迎え入れ、快適に学園生活を送れるようサポートしろ“と言われただけだ」
「へーえ?王子殿下にサポートさせるってことは公爵クラスってことか?」
「いいや。片方は侯爵令嬢だが、片方は男爵家の令嬢らしい」
「は?!令嬢ってことは妃候補も兼ねてんのかと思ったら、、__まさかレジェンディア王のご落胤とか?」
「いや、出自ははっきりしている。男爵家といっても土地も領民も豊かで中々の名家のようだ。家族仲が良く、公爵家が養女にしたいという話を断ったらしい」
「はっ?!男爵令嬢ごときが公爵家からの話を断った?!」
「断られた側も根に持ってはいないらしい。後見人になっているからな」
「天下のレジェンディアの公爵家が男爵家の娘の後見人?やっぱりその娘、訳アリなんじゃないのか?」
「学園での成績は魔力学力共に常に上位、人望も厚く生徒会役員を務めていた。二人ともな」
「おいおい……、」
「因みに後見人はレイド公爵家だけでなくレジェンディアの王妃もだ、連名でサインがしてある。彼女の母親は他界しているから公爵夫人が代母、その下にレジェンディア王妃、レイド公爵、バーネット侯爵、レイド小公爵と続いている」
「っ、そんな人物が何故……?」
「俺にもわからん。まあ、お前の言うとおり何かわけがあるんだろうよ」
エリアスはそこで興味を失くしたかのようにばさりと書類を乱暴に机に落とした。
(何か企みがあるのだろうが……この妖精の国で、好き勝手はさせぬぞ)
この世界に“写真“はない。
魔力石で映像投影という技術はあるが、人の顔を残すのは肖像画に限られる。
魔力石の映像は時を経ると見られなくなってしまうからだ。
そして肖像画というのは金も時間もかかるものなので、わざわざ報告書に添付されていたりはしない。
よってエリアスが知ったのは、その男爵令嬢が金髪碧眼だということぐらいだ。
故に、初めてこの書類の人物に邂逅した時、エリアスは大いに困惑することになる。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
スランプと夏バテコンボで遅くなってしまい、申し訳ありません!
まだリハビリ短編と交互に書いてるレベルですがパラパラでも毎日どれか更新目指しますm(_ _)m
お久しぶりです、少しでも夏休みに楽しんでいただけるよう頑張ります。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
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彼が手にしているのは、急なタイミングでこの国に留学してくるという二名の生徒の身上調査書だ。
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「いや、“丁重に迎え入れ、快適に学園生活を送れるようサポートしろ“と言われただけだ」
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「いや、出自ははっきりしている。男爵家といっても土地も領民も豊かで中々の名家のようだ。家族仲が良く、公爵家が養女にしたいという話を断ったらしい」
「はっ?!男爵令嬢ごときが公爵家からの話を断った?!」
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「天下のレジェンディアの公爵家が男爵家の娘の後見人?やっぱりその娘、訳アリなんじゃないのか?」
「学園での成績は魔力学力共に常に上位、人望も厚く生徒会役員を務めていた。二人ともな」
「おいおい……、」
「因みに後見人はレイド公爵家だけでなくレジェンディアの王妃もだ、連名でサインがしてある。彼女の母親は他界しているから公爵夫人が代母、その下にレジェンディア王妃、レイド公爵、バーネット侯爵、レイド小公爵と続いている」
「っ、そんな人物が何故……?」
「俺にもわからん。まあ、お前の言うとおり何かわけがあるんだろうよ」
エリアスはそこで興味を失くしたかのようにばさりと書類を乱暴に机に落とした。
(何か企みがあるのだろうが……この妖精の国で、好き勝手はさせぬぞ)
この世界に“写真“はない。
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魔力石の映像は時を経ると見られなくなってしまうからだ。
そして肖像画というのは金も時間もかかるものなので、わざわざ報告書に添付されていたりはしない。
よってエリアスが知ったのは、その男爵令嬢が金髪碧眼だということぐらいだ。
故に、初めてこの書類の人物に邂逅した時、エリアスは大いに困惑することになる。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
スランプと夏バテコンボで遅くなってしまい、申し訳ありません!
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