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入学前のインターミッション〜人望って大事。

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アリスティアが部屋を辞したあと、ひと晩でそれなりの成果(暴行犯の捕縛やその他の調査)を出した男性陣だったが、案の定、
「こンのバカアルフーー!!“必ず連れ戻せ“とは言ったけど誰が拉致って来いって言った?!絶対アレ以上怒らせるなって言ったでしょうがーーー!!」
と、特大の雷を落とされてた。

「無茶言わないでよ!あんな立ってるのがやっとなくらい疲れきってる女の子前にして、立ったまま説得なんて出来るわけないでしょ?!」
「カミラ!殿下はあの令嬢の体を心配してー…!」
「そういう時はただやみくもに従うだけじゃなく止めるのも側近の務めだっていつも言ってるでしょー?!」

1番やみくもに従ってるのはカミラにだと思うが、と居並ぶ面々は思うが口にはしない。
だって勝てないし。

「そもそも僕のキャラじゃないんだってば、なんであんな可愛い子にわざわざ冷たくあたらなきゃいけないんだよもー!」
「お前だって納得してたろう」
「してたよ?してたけど話と違くない?言いつけられた仕事量をこなしてた事といいここを出て行く時の行動力といい、あの子めっちゃ有能じゃん!」
「それは私も思った」
「そんな事あの娘だってわかってるわよ!だから問題なんじゃない!」
「ーーどういうこと?」
「あの娘はあんたが自分に気を使って運んだ事はわかってる。けど、同時に無理矢理連れ戻した事も許せない。だから、あんたが自分に対して気を使った上での行動を理解しながらも反論材料に使ったのよ」
「え そうなの?」
「ーー不味いわね」
「まずいって何が?入学を了承させる事は出来たでしょ?ーーいや させたのカミラだけど。そもそもあの娘ほんとに妃の座なんて狙ってるの?僕が知る限り容姿武器にした言動や素振りなんて全く見たことないんだけど?」
「ーーそう なのよねぇ…確かに」
 考えながら呟くカミラの声にアルフレッドの嘆きがかぶる。
「でもってあの娘あんなに可愛いくてふわっふわの砂糖菓子みたいな外見見かけなのになんであんなに笑顔が怖いの?」
 アルフの嘆きは無視してカミラは続ける。
「そこまでして入学したくないって事はよ?このままおとなしく入学して私達と仲良くなってくれると思う?」
「ーーそれは、難しいな」
王太子アッシュバルトが唸る。
「でしょう?だからー…」
と続けようとしたところにさらなるアルフレッドの泣きが入る。
「あぁもう、最悪だよあんな可愛いコに冷たい目で見られて嫌われるとか…大体話す時なんであんな迫力あんの?まるでカミラが2人いるみたいだったよ?」
「ーーアンタ私に喧嘩売ってんの?!」

 そんな微笑ましい(?)やりとりが自分が出て行ったあとに行われているとは夢にも思わず、私は「入学するならするで、色々準備しておいた方がいいわよね?」と馬車の中(もちろん帰りはご丁寧に送り出された)で思案していた。


 
家に着くと、家族総出で出迎えられた。
「アリスティア!良く戻ったね!」
「お帰りなさいアリス」
「お帰りなさい、アリス姉様」
「ただいま。お父様、お姉様、イーディス」
「あゝ良く顔を見せて頂戴アリス__やつれたわね。ちゃんと食べてた?」
 お姉様、するどい。相変わらずこの姉は2つ上なだけなのにお母さんみたいだ。
「お姉様は心配しすぎですわ。大丈夫よ」
私は苦笑しながら答えるが、
「イリーナのいう通りだ。大丈夫ならこんな帰り方になるものか。何があった?詳しく話しなさい」
言い方は穏やかだが断固としたものがある。
父は優しいが、過保護で頑固で親バカなのがたまにキズだ。

全部は話せないしこれ以上大事おおごとになるのは避けたいし、家族を巻き込む気はさらさらないので、私はマナーレッスンの合間に雑用を手伝っていたらいつのまにか小間使いだと認識されてしまい、言いつけられる雑用をこなしきれずこのまま城にいても入学準備どころではないのでお城を辞す事にしたこと、またその状態を放置していた王太子達の態度にも疑問が生じむしろ入学を諦めさせる為に呼んだのではないか 、との考えに至り学園の入学も取り消したところ王太子側が「そんな事になってたとは知らなかった、すまなかった」と謝罪され、魔法学園入学取り消しも王太子殿下により撤回され結局入学する事にしました。
と(捜索されたり挙げ句拉致まがいに連れ戻された事は当然省いて、出発が1日遅れたのは向こうのシナリオ通り馬車の事故でごまかして)話した。

「よりによってお前を小間使いと間違えた だと?」
「信じられないわ。お姫様と間違えるんならともかく…」
イリーナ姉様、それはちょっと…身内の贔屓目入りすぎでは?
「全くだ」
「王子様って馬鹿なの?」
 …イーディス、思った事をそのまま言っちゃダメですよ?
「馬鹿ね」「
馬鹿だな」
 そして肯定しないで2人共。
 ーーまあ、話題が逸れてこれ以上質問されないならいっか。とくに弁護する理由もないんだし。



そう安堵していた私の想いはすぐにひっくり返される事になった。
「働かせてしまった給金は払うしその他の経費は請求して」と言われてはいたが、請求するつもりなんか微塵もなかった。
こちらが請求しなければ、あちらも黙ったままだと思っていたのだが、甘かったらしい。

 数日後、王城からの使者が来てしまったのだ。



「此度の事、こちらのご令嬢には大変申し訳ない事をした との主あるじよりのお言葉でございます。つきましてはお詫びの品をお納め下さいますよう」
と場の雰囲気を読めない使者に豪奢な細工にこれまた豪奢な宝石をあしらったブローチが入った小箱を差し出され、男爵は不審に思った。

 娘の話では王太子からの謝罪は既に受けている との事だったがーーならばこれは…?

「謝罪の品にしては随分高価な物にみえるがーーどういう事かね?」
「ご令嬢を小間使い扱いしてしまった事に対する慰謝料とでもお思い下さい」
「その件については謝罪は既にされているときいているが?」
「勿論です。その際入学準備が遅れた分の支度金でも城で出来なかった勉強をこちらで取り戻す為の家庭教師などの費用なども一切こちらに請求するように とご令嬢には伝えてあったのですがーーお父君はそれをご存知で?」
「いいや。何もきいとらん」
「こちらのご令嬢ならそうであろう と主は申しておりました。ですのでお父君に話した方が良いだろう と」
 勿体ぶった仕草で頷いた使者は慇懃に書類とペンを差し出した。
「どうぞ、これに好きな金額を書き込みサインを」
 言われてメイデン男爵はその書類の内容によくよく目を通す。

 それには、娘が宮で女官長始め幾人もの使用人に小間使いとして2ヶ月の間こき使われていた事、それにより本来受ける予定だったのマナーレッスンを一切受けられなかった事、また本来なら勉強時間に充てる筈の自由時間も雑務の手伝いに終始させてしまった事、またご令嬢本人から訴えがあるまでそれらに気付かず、それらの雑用が深夜まで及んだ際図らずも何度もご令嬢を危険な目に遭わせてしまった事、すべて自分の不徳といたすところである。故にご令嬢へはそれ相応の対価と詫びとしてそれに上乗せした額を支払う事とするーーという内容の後に金額と支払い先とを書き込む欄があり王太子のサインがしてあった。

 私はこの場に同席していなかったが、その時側に控えていた家令とメイド頭によると、書類に目を通していた父の顔色が青くなったり赤くなったりした後、次の瞬間憤怒で真っ赤に染まっていたそうだ。

 「私は娘を小間使いとして送り出したつもりはない!給金などいるか!こんな物もいらん!持って帰れ!」
 と(もちろん金額もサインも一切書き込まないまま)丸めた書類と詫びだという品と共に使者を叩き出し…、いや 追い返したそうだ。



___あンの馬鹿王子……!

 せっかく面倒な部分を割愛して誤魔化していたのに、まんま父に報告してどうする。
いや ある意味正直者なのか…?どっちにしろ、事をややこしくしてくれたものだ。

 もちろん私も黙っていた事を叱られた。
 父には「なんですぐに帰って来なかったんだ!」
 姉には「だから綺麗な手がこんなに荒れていたのね?酷いことーー2ヶ月も我慢しなくて良かったのに」
 妹には「お姉様、酷い目にあったの?なんですぐに帰って来なかったの?」
 と。
 幸せである。
 が、父はこの事を受けて、
「やはりあの学園には入学しない方が良いんじゃないのか?魔法を学べる学園は何もあそこだけではない」
 と言い出してしまった。

使者、完全に逆効果である。

使者からの報告を受け王太子側あちらも慌てたのだろう、使者は新たな詫び状を携えて3日と開けず我が家に通ってきていたがー男爵にダメ出しされては突き返される、の繰り返しだった為やつれていったのと 父もさすがに内容のさして変わらない詫び状の検閲に飽きたのか 入学まで1ヶ月を切った頃 漸く手紙を受け取った。


 
この騒ぎは使用人から領民に伝わり、因みに使者は無駄に仰々しい格好できていた為、最初こそ好奇と好意の目で迎えられていたがー…それがこの地の領主である男爵家に入って行ったとなれば、
「男爵家のご令嬢が高貴な方に見初められたのではないか」
「そういえば次女のアリスティア様が行儀見習いにお城にあがっていたはず」
と噂になるのも当然で。
 だが使者が来た時の男爵の剣幕を見ていた使用人から他家の使用人、出入りの商人へと話は伝わり、
「メイデン男爵のご令嬢は見初めるどころか行儀見習いとして城にあげられたにもかかわらずタダで使える小間使い扱いされて傷ついて戻って来た」
という話は一気に広まった。
 アリスティアの美貌は領地でも有名だったので
「信じられない」
「王都では美人の基準が違うのでは」
 から
「許せないね。ここの領主様御一家はいい方たちだアタシら領民にも良くして下さる」
「美しいご令嬢がただってワシら領民の誇りだ」
「おおかた王都にいる令嬢より美しいから妬まれて理不尽な目に遭われたんだよーーお気の毒に」
「王都にいる奴らは見る目がないなあ」
「アリスティア様の手はお高くとまったヤツらにこき使われたせいでウチら台所女みたいに傷だらけだってよ?」
「なんて酷い。お嬢様は男爵家に引き取られるまで下町で苦労された方だ。アタシら下々のもの達の苦労もよーーく知っていていつも優しい言葉をかけて下さる」
「許せないな」
「ああ、許せない」
 とたちまち領民に敵視されるようになり、男爵が受け取ってくれるまで何往復もする間領民の冷たい憎悪に晒される使者は地獄をみた。
 ーーしまいには誰か別の方に変わって下さい!自分にはもう無理です!と泣きが入って別の者に変わった というのは後日知った話だ。


 その後も騒がせてしまった詫びに、と入学までの間メイデン男爵家には沢山の贈り物が届いた。
 王子兄弟の連名、王太子とギルバートの連名、王太子とミリディアナの連名、ギルバートとカミラの連名、さらにはカミラとミリディアナの連名まで使って。
花や菓子など(王家にしては)ささやかな贈り物だけは受け取ってお礼状を返した(直筆だが内容は一貫して定型文で)が高価なものは"頂く謂れがありません"と手紙を添えて送り返した。賄賂はいらん。

 ついでに、メイデン男爵領はシードルの名産地でもあり、数は少ないが良質で美味なシードルは毎年王都の愛飲家でも垂涎ものであったのだが、この年は職人達が口を揃えて、
「悪りぃな。今年は林檎の出来が悪くてな」
「畑が獣に荒らされて…」
「機材が壊れて発酵に失敗しちまった。今年はもう作れねぇ」
等など並べたてて出荷されなかった。
 
今年の入荷を楽しみにしていた愛飲家(もちろん多数の貴族も含まれる)たちはこぞって落ち込んだ。

 だが、良質なシードルは何故かメイデン男爵家に大量に貯蔵されていた。
 別に男爵本人は何も言ってないし していない。ただ職人達がこぞって、
「今年は出荷出来るほどの本数が出来なかったんですが身内で飲む分だけは確保出来たんでほんのお裾分けですが」
「領主様にはいつもお世話になってますんで」
「これでも飲んで元気だしてくだせぇ旦那さま」
 と持ち込んだほか、他の収穫物まで
「どうぞご令嬢がたに」
「これでも召し上がってアリスティア様が早くお元気になられますように」
と持ち込む始末。
 いや べつに病気じゃないのだがー…手だってそこまで荒れてないし。

でも、それを見て「人望って大事だな」と思った。

それを受けた父男爵はもちろんわかっていてお見舞いありがとう、と表向き黙って受け取りその後こっそり代金を支払っていた。もちろん表向きは「新しい機材の搬入代金」「ご子息の誕生祝い」「奥方の見舞金」なんて名分をつけて。


 そこまでは把握していた私だったが、その後、父男爵が飲み友達の家に行くたびにこっそりそのシードルを手土産に持ち込み、相手が「今年は手に入らないときいていたのに!よし!うちもとっときの酒を開けよう!今夜は飲もう!」
といい具合に酒が入ったところで、
「実は娘が王城で酷い目にあってな…」
(要するに非公式な場)を涙ながらに語り、
「__だからこの酒は出荷する程の数は出来なかったが身内で飲む分だけは確保出来たのでこれでも飲んで元気を出してくれ と領民の心遣いで持って来てくれたものなんだ。大事に飲んでおくれ」
と、未開封のシードルを何本か渡された相手は感涙にむせび、
「おぉ!そりゃひでぇな…あの別嬪なご令嬢が…おおかた美人すぎるってんでかえって顰蹙ひんしゅくかっちまったんだろうなぁ…よし!俺に出来る事があったら何でも言ってくれ!」
 と皆一も二もなく同調した。

 これを片っ端からやったらしいのだ。

 どこにも一家だけで飲むには少し多いくらいに渡したし(何しろ家にはたくさんある)、貰った家は繋ぎを付けておきたい家に恩着せがましく持ち込む事が出来るし、その際今回の話も漏れなく付いてくるというわけで、“あのシードルはメイデン男爵と仲良くなっておくと出荷がない年でも分けて貰えるらしい“という噂が広まりメイデン男爵の"お友達"…即ち人脈が広がり、結果王室の評判はちょっとだけ下がった。


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