上 下
1 / 63

第一章 プロローグ

しおりを挟む
「やめて!放してっ!」
 疾走する馬車の室内で少女が悲鳴をあげている。少女は今馬車としては異常なほど快適かつ豪奢な部屋ともいうべき場所で暴行されかかっていた。

 金の髪に野生的で筋骨隆々な男は嫌がる少女を自分の両足の間に力ずくで座らせ、胸を服の上からとはいえ荒々しく揉みしだいていた。その目は爛々と輝いており、完全に獣けだものそのもの。少女の抵抗など歯牙にもかけず舌舐めずりしながら少女の髪に顔をうずめ、耳や首に舌を這わせー…やがて衣装の胸元をもどかしげに引き裂くと、胸に直接手を這わせ始めた。

「やっ…やあぁっ…」少女は男のあまりの躊躇いのなさに戦慄する。
 その手は乱暴に豊かな乳房を鷲掴みにし揉みはじめる。
「柔らかいな。肌も今まで抱いたどの女よりも滑らかで触り心地も良い__思った通り、良い躰だ」
「やっ、はな……んっ!」
 乱暴に乳房に食い込んでいた指が先端の突起を摘み、急な痛みに声をあげるがその手はどこまでも無遠慮でむしろその声に興奮したようせわしない動きに変わる__少女の顔から徐々に血の気がひいていく。

 ざわざわと悪寒が這い上るのに、振り解く事が出来ない。
「諦めろ。あ奴らが追いつく頃にはお前の体内なかに大量の子種を注ぎ終わってるであろうよ」耳元で低く囁かれた言葉に少女は凍りつく。男は楽しげに少女の体をさらに乱暴な手付きでまさぐり始め、少女はさらに悲鳴をあげた。


 ーー少女がこのような目に遭うまで、あと約三年。



*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
レジュール・レジェンディア王国譚 〝起〟にあたる「没落貴族の姫君は愛の言葉を信じない」と交互更新、と言いたいところですが出来れば書き上げてから一気に連投したいので毎日没落貴族~とヒロ回のいずれかを更新とさせていただきます。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

〈完結〉髪を切りたいと言ったらキレられた〜裏切りの婚約破棄は滅亡の合図です〜

詩海猫
ファンタジー
タイトル通り、思いつき短編。 *最近プロットを立てて書き始めても続かないことが多くテンションが保てないためリハビリ作品、設定も思いつきのままです* 他者視点や国のその後等需要があるようだったら書きます。

ヒロインに転生したけどヒロインやる気はありません〜ピンクの髪ってバカっぽくてなんかヤだ。

詩海猫
ファンタジー
入学式の前日に前世の記憶が戻ったけど、私の性格はヒロインに向いてません。この乙女ゲームの世界観に馴染めなくて、すぐ投げちゃったもの。 *タイトル変えるかも知れません、仮のままなので*

どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~

涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!

使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後

有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。 乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。 だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。 それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。 王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!? けれど、そこには……。 ※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

ここは乙女ゲームの世界でわたくしは悪役令嬢。卒業式で断罪される予定だけど……何故わたくしがヒロインを待たなきゃいけないの?

ラララキヲ
恋愛
 乙女ゲームを始めたヒロイン。その悪役令嬢の立場のわたくし。  学園に入学してからの3年間、ヒロインとわたくしの婚約者の第一王子は愛を育んで卒業式の日にわたくしを断罪する。  でも、ねぇ……?  何故それをわたくしが待たなきゃいけないの? ※細かい描写は一切無いけど一応『R15』指定に。 ◇テンプレ乙女ゲームモノ。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げてます。

悪役令嬢なので舞台である学園に行きません!

神々廻
恋愛
ある日、前世でプレイしていた乙女ゲーに転生した事に気付いたアリサ・モニーク。この乙女ゲーは悪役令嬢にハッピーエンドはない。そして、ことあるイベント事に死んでしまう....... だが、ここは乙女ゲーの世界だが自由に動ける!よし、学園に行かなければ婚約破棄はされても死にはしないのでは!? 全8話完結 完結保証!!

悪役令嬢、隠しキャラとこっそり婚約する

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が隠しキャラに愛されるだけ。 ドゥニーズは違和感を感じていた。やがてその違和感から前世の記憶を取り戻す。思い出してからはフリーダムに生きるようになったドゥニーズ。彼女はその後、ある男の子と婚約をして…。 小説家になろう様でも投稿しています。

前世は婚約者に浮気された挙げ句、殺された子爵令嬢です。ところでお父様、私の顔に見覚えはございませんか?

柚木崎 史乃
ファンタジー
子爵令嬢マージョリー・フローレスは、婚約者である公爵令息ギュスターヴ・クロフォードに婚約破棄を告げられた。 理由は、彼がマージョリーよりも愛する相手を見つけたからだという。 「ならば、仕方がない」と諦めて身を引こうとした矢先。マージョリーは突然、何者かの手によって階段から突き落とされ死んでしまう。 だが、マージョリーは今際の際に見てしまった。 ニヤリとほくそ笑むギュスターヴが、自分に『真実』を告げてその場から立ち去るところを。 マージョリーは、心に誓った。「必ず、生まれ変わってこの無念を晴らしてやる」と。 そして、気づけばマージョリーはクロフォード公爵家の長女アメリアとして転生していたのだった。 「今世は復讐のためだけに生きよう」と決心していたアメリアだったが、ひょんなことから居場所を見つけてしまう。 ──もう二度と、自分に幸せなんて訪れないと思っていたのに。 その一方で、アメリアは成長するにつれて自分の顔が段々と前世の自分に近づいてきていることに気づかされる。 けれど、それには思いも寄らない理由があって……? 信頼していた相手に裏切られ殺された令嬢は今世で人の温かさや愛情を知り、過去と決別するために奔走する──。 ※本作品は商業化され、小説配信アプリ「Read2N」にて連載配信されております。そのため、配信されているものとは内容が異なるのでご了承下さい。

処理中です...