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18 六番目まで勢揃い
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ステルンとフリスがドラゴンと飛び立ち、さっさと別室に移動するロザリンダ達にマーガレットの姿をしたヒルダを腕に貼りつけた(正確には噛みつかれている状態の)公爵が、
「待て、私を置いて行く気かっ?」
と責め立てるも、
「貴方にはもう用はないもの、もうロザちゃんの保護者は私だし?第一、それ他人に見られてもいいの?」
「これを見っ?!いや離せヒルダっ!」
怒鳴る公爵を睨みあげてヒルダは余計に歯を食い込ませる。
「公爵はこのまま夫人と話し合いを続けてください?離婚でもなんでも」
元々話し合いになってないし、この後もなりそうにはないが。
「ぐ、ロザリンダ!もう気は済んだろう、ヒルダを元に戻せ!」
「時間が経てば自然に戻りますわよ、それに、ちゃんとその人を知ってる人なら本質を間違わず見抜くと言ったじゃないですか?」
つまりてめぇの理解力が足りないんだよ、と暗に告げてロザリンダは背を向け、悲惨な間と化した応接室(と公爵夫妻)を後にした。
別の応接室に到着してすぐにバルコニーにステルン達が到着した。
ドラゴンの背にステルンとフリス、ドラゴンの両手?にそれぞれ馬鹿その五と六が鷲掴みにされていた。
有無を言わさずとりあえず掴んできたのだろうことがよくわかる。
二人とも掴まれて空を飛んでいる間に気絶したのだろう、だらしなく白目を剥いているその顔をまじまじと見つめ、
(えーと、こいつらの名前なんて言ったっけ?元々王太子妃教育詰めのロザリンダはそもそも王太子以外の異性と口をきくことすら稀だったから)
「どしたの?ロザちゃん」
「いえ、この二人、何て名前だったかしらって……」
正直に答えるロザリンダにブハッとステルンが吹き出し、
「……そんなに印象薄かったの?この二人」
レーゼラインは真面目に聞き返した。
「いえ、ちゃんと認識はしていたんですがあまり興味がなかったので……」
見た目も家柄も良いので学園内では憧れの存在として認識されている名家子息に対しての物言いに今度はレーゼラインも吹き出した。
「あははっ……、そっか~“興味がない“から名前も思い出せない……ぶははっ!」
思い切り笑うレーゼラインに、
「いや、学校に一人か二人いるじゃないですか、人気者というかあだ名や二つ名は有名だけどそういえば本名なんだっけ、みたいな人って」
「あ“~いるいる、それで?ロザちゃんの中ではこの二人何てあだ名なの?」
「馬鹿その五と六ですけど……」
これにステルンが更に吹き出し、レーゼラインはお腹を抱えて爆笑した。
ひとしきり笑った後、
「あ~もうロザちゃん最高。覚え方が馬鹿その五とかって!」
そう言うレーゼラインは笑いすぎて最早涙目だ。
「ていうか六って数多くないか?」
「え~と馬鹿その一は王太子よね?」
「はい。二が公爵家長男で三が次男です」
「四は?」
「ラクシエル公爵です。“ナタリア様は王太子妃、ゆくゆくは王妃になられる方だ。口を慎みなさい“とかほざいてたので」
「あ“~……、」
「……そりゃ馬鹿のうちに数えられるな」
「俺が、その二……父上が四?」
「あ、姉上!さすがにそれはひどいので、わっ?!」
最後まで言い切れなかったのはレーゼラインの鞭がヒュン!と頬を掠めたからだ。
続いてロザリンダの肩から飛び立ったカエルムが嘴でフリスを小突きまわす。
「い、いたた、痛い!姉上、やめ「あなたの姉はやめたって言ったでしょ?」っ、」
「勝手に話しかけるなとも言ったわよね?」
とレーゼラインも絶対零度の声音で告げる。
この中で一番年少の次男フリスは十四歳、末っ子のせいかまだまだ甘ったれだ。
ナタリアに会う前まではロザリンダにもそれなりに甘える弟だったが、
「まさか“少しはナタリア様を見習えば良かったんだ“とほざいたその口で私に助けを求めるつもり?助けなら大好きなナタリア様に求めなさいな」
とロザリンダは容赦がない。
「……!……」
カエルムの嘴につつかれて小さな穴だらけになるフリスは涙を浮かべながら黙りこくった。
「待て、私を置いて行く気かっ?」
と責め立てるも、
「貴方にはもう用はないもの、もうロザちゃんの保護者は私だし?第一、それ他人に見られてもいいの?」
「これを見っ?!いや離せヒルダっ!」
怒鳴る公爵を睨みあげてヒルダは余計に歯を食い込ませる。
「公爵はこのまま夫人と話し合いを続けてください?離婚でもなんでも」
元々話し合いになってないし、この後もなりそうにはないが。
「ぐ、ロザリンダ!もう気は済んだろう、ヒルダを元に戻せ!」
「時間が経てば自然に戻りますわよ、それに、ちゃんとその人を知ってる人なら本質を間違わず見抜くと言ったじゃないですか?」
つまりてめぇの理解力が足りないんだよ、と暗に告げてロザリンダは背を向け、悲惨な間と化した応接室(と公爵夫妻)を後にした。
別の応接室に到着してすぐにバルコニーにステルン達が到着した。
ドラゴンの背にステルンとフリス、ドラゴンの両手?にそれぞれ馬鹿その五と六が鷲掴みにされていた。
有無を言わさずとりあえず掴んできたのだろうことがよくわかる。
二人とも掴まれて空を飛んでいる間に気絶したのだろう、だらしなく白目を剥いているその顔をまじまじと見つめ、
(えーと、こいつらの名前なんて言ったっけ?元々王太子妃教育詰めのロザリンダはそもそも王太子以外の異性と口をきくことすら稀だったから)
「どしたの?ロザちゃん」
「いえ、この二人、何て名前だったかしらって……」
正直に答えるロザリンダにブハッとステルンが吹き出し、
「……そんなに印象薄かったの?この二人」
レーゼラインは真面目に聞き返した。
「いえ、ちゃんと認識はしていたんですがあまり興味がなかったので……」
見た目も家柄も良いので学園内では憧れの存在として認識されている名家子息に対しての物言いに今度はレーゼラインも吹き出した。
「あははっ……、そっか~“興味がない“から名前も思い出せない……ぶははっ!」
思い切り笑うレーゼラインに、
「いや、学校に一人か二人いるじゃないですか、人気者というかあだ名や二つ名は有名だけどそういえば本名なんだっけ、みたいな人って」
「あ“~いるいる、それで?ロザちゃんの中ではこの二人何てあだ名なの?」
「馬鹿その五と六ですけど……」
これにステルンが更に吹き出し、レーゼラインはお腹を抱えて爆笑した。
ひとしきり笑った後、
「あ~もうロザちゃん最高。覚え方が馬鹿その五とかって!」
そう言うレーゼラインは笑いすぎて最早涙目だ。
「ていうか六って数多くないか?」
「え~と馬鹿その一は王太子よね?」
「はい。二が公爵家長男で三が次男です」
「四は?」
「ラクシエル公爵です。“ナタリア様は王太子妃、ゆくゆくは王妃になられる方だ。口を慎みなさい“とかほざいてたので」
「あ“~……、」
「……そりゃ馬鹿のうちに数えられるな」
「俺が、その二……父上が四?」
「あ、姉上!さすがにそれはひどいので、わっ?!」
最後まで言い切れなかったのはレーゼラインの鞭がヒュン!と頬を掠めたからだ。
続いてロザリンダの肩から飛び立ったカエルムが嘴でフリスを小突きまわす。
「い、いたた、痛い!姉上、やめ「あなたの姉はやめたって言ったでしょ?」っ、」
「勝手に話しかけるなとも言ったわよね?」
とレーゼラインも絶対零度の声音で告げる。
この中で一番年少の次男フリスは十四歳、末っ子のせいかまだまだ甘ったれだ。
ナタリアに会う前まではロザリンダにもそれなりに甘える弟だったが、
「まさか“少しはナタリア様を見習えば良かったんだ“とほざいたその口で私に助けを求めるつもり?助けなら大好きなナタリア様に求めなさいな」
とロザリンダは容赦がない。
「……!……」
カエルムの嘴につつかれて小さな穴だらけになるフリスは涙を浮かべながら黙りこくった。
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