悪役令嬢は永眠しました

詩海猫

文字の大きさ
上 下
15 / 20

14 具体的な縁切りについて 4

しおりを挟む

仕事面もプライベートでもショックが重なり、ついでに体調も崩して更新がストップしておりました。申し訳ありません。
引き続きよろしくお願いしますm(_ _)m


*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*


「そういえばさっきそんな事言ってたわね。兄弟まで同じ女に籠絡されてるの?ナタリアって女、大したタマね」
「ええ全く。情けない話ですがそこの殿下だけでなくこの家の長男、次男にそこの公爵本人までナタリア贔屓の有り様でして」
言われた公爵にこの場にいる全員(鷹とドラゴンを含む)の視線が集まり、
「わ、私は違うぞ!妻をちゃんと大事にしている、小娘に籠絡などされておらん!」
(どの口が言ってんだか)
「あら、先日は“ナタリア様こそ王太子妃に相応しい“とかほざき__、いえ言っておられたではありませんか」
「あ あれはただお前がい「私がなんですか?」、う事をkっ!なんでもない!」
旗色が悪い公爵は憤慨しつつそっぽを向いたが、
「“私が自分の言う事を聞かないからと呼んだ“とでも?」
「それは彼女が聖なる魔法属性の娘だからだ!」
が娘を虐待していい理由になるわけないでしょ」
レーゼラインが声を低くして言うと公爵は黙った。
「確かに公爵は若い小娘より落ち着いておっとりした女性が好みでしたわねぇ」
すかさず私が続けて言うと公爵はさらに顔を青くさせた。
地上にあがった魚のように口をぱくぱくさせる公爵にステルンはピンときたが声には出さず、レーゼラインは「ふ~ん?」とだけ。
あわあわしている公爵に、
「と・言うわけですのでここの令息を呼んでくださいな」
ロザリンダはもう二人を兄とも弟とも呼ばない。
何故なら既に『馬鹿その二』『馬鹿その三』で定着しているからだ、実際サツキにとっては兄弟でもない。

不機嫌そうにやって来た二人は部屋に入ってまず目に入ったのがロザリンダと仲良く座るレーゼラインだったので、
「何故お、」
「なんであ?!」
何か失礼な言葉を吐こうとしたに違いないが、速攻でステルンに喉元に剣をつきつけられて黙った。ついでに本能的行動だろうか、二人仲良くホールドアップしている。

「はい素直でよろしい。私はセイクレッド修道院の院長レーゼライン。こちらの令嬢を保護しに来たの。これ以降私の許可なしに令嬢に触れるのはもちろん言葉を交す事も禁じます。ただしロザリンダ嬢からの質問には誠意を持って答えること」
「「はっ?!」」
「あとなんでとかどうしてとかもいちいち叫ばないこと、疑問があったら後で自分たちの父親か兄弟にでも聞きなさい」
「「「兄弟?」」」
うっかりロザリンダも混じってしまったのは純粋に疑問だったからだ。
「そう兄弟、この場合穴k「っおい!」、何すんのよ?!」
「コイツらはともかくお嬢様に聞かすんじゃねぇ!」
「あ そっか」
納得したレーゼラインは「ごめんねロザちゃん」と囁いた後、二人に向かってとても良い笑みを浮かべた。
__そして三十分後には、二人は自身の個人資産のきっちり半分を譲り渡す書類にサインさせられていた(それを見たロザリンダはひたすら感心し拍手までしていた)。

公爵も息子二人も苦虫を噛み潰した上に飲み下したような顔をしているが、ロザリンダとレーゼラインは笑顔が弾けている。
公爵がいい加減この迷惑な客に帰ってもらおうと半ば口を開きかけたところでノックの音が響いた。
「誰だっ?!」
自分の邸なのに何ひとつ思い通りにならない苛立ちが最高潮に達した公爵の厳しい声に、
「私ですわ、あなた。大切なお客様がいらっしゃっていると聞いてお茶をお持ちしました」

しおりを挟む
感想 23

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?

りーさん
恋愛
 気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?  こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。  他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。 もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!  そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……? ※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。 1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前

婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜

みおな
恋愛
 王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。 「お前との婚約を破棄する!!」  私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。  だって、私は何ひとつ困らない。 困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。

あなたが捨てた私は、もう二度と拾えませんよ?

AK
恋愛
「お前とはもうやっていけない。婚約を破棄しよう」 私の婚約者は、あっさりと私を捨てて王女殿下と結ばれる道を選んだ。 ありもしない噂を信じ込んで、私を悪女だと勘違いして突き放した。 でもいいの。それがあなたの選んだ道なら、見る目がなかった私のせい。 私が国一番の天才魔導技師でも貴女は王女殿下を望んだのだから。 だからせめて、私と復縁を望むような真似はしないでくださいね?

性悪という理由で婚約破棄された嫌われ者の令嬢~心の綺麗な者しか好かれない精霊と友達になる~

黒塔真実
恋愛
公爵令嬢カリーナは幼い頃から後妻と義妹によって悪者にされ孤独に育ってきた。15歳になり入学した王立学園でも、悪知恵の働く義妹とカリーナの婚約者でありながら義妹に洗脳されている第二王子の働きにより、学園中の嫌われ者になってしまう。しかも再会した初恋の第一王子にまで軽蔑されてしまい、さらに止めの一撃のように第二王子に「性悪」を理由に婚約破棄を宣言されて……!? 恋愛&悪が報いを受ける「ざまぁ」もの!! ※※※主人公は最終的にチート能力に目覚めます※※※アルファポリスオンリー※※※皆様の応援のおかげで第14回恋愛大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます※※※ すみません、すっきりざまぁ終了したのでいったん完結します→※書籍化予定部分=【本編】を引き下げます。【番外編】追加予定→ルシアン視点追加→最新のディー視点の番外編は書籍化関連のページにて、アンケートに答えると読めます!!

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

私を裏切った相手とは関わるつもりはありません

みちこ
ファンタジー
幼なじみに嵌められて処刑された主人公、気が付いたら8年前に戻っていた。 未来を変えるために行動をする 1度裏切った相手とは関わらないように過ごす

婚約破棄?とっくにしてますけど笑

蘧饗礪
ファンタジー
ウクリナ王国の公爵令嬢アリア・ラミーリアの婚約者は、見た目完璧、中身最悪の第2王子エディヤ・ウクリナである。彼の10人目の愛人は最近男爵になったマリハス家の令嬢ディアナだ。  さて、そろそろ婚約破棄をしましょうか。

もう、あなたを愛することはないでしょう

春野オカリナ
恋愛
 第一章 完結番外編更新中  異母妹に嫉妬して修道院で孤独な死を迎えたベアトリーチェは、目覚めたら10才に戻っていた。過去の婚約者だったレイノルドに別れを告げ、新しい人生を歩もうとした矢先、レイノルドとフェリシア王女の身代わりに呪いを受けてしまう。呪い封じの魔術の所為で、ベアトリーチェは銀色翠眼の容姿が黒髪灰眼に変化した。しかも、回帰前の記憶も全て失くしてしまい。記憶に残っているのは数日間の出来事だけだった。  実の両親に愛されている記憶しか持たないベアトリーチェは、これから新しい思い出を作ればいいと両親に言われ、生まれ育ったアルカイドを後にする。  第二章   ベアトリーチェは15才になった。本来なら13才から通える魔法魔術学園の入学を数年遅らせる事になったのは、フロンティアの事を学ぶ必要があるからだった。  フロンティアはアルカイドとは比べ物にならないぐらい、高度な技術が発達していた。街には路面電車が走り、空にはエイが飛んでいる。そして、自動階段やエレベーター、冷蔵庫にエアコンというものまであるのだ。全て魔道具で魔石によって動いている先進技術帝国フロンティア。  護衛騎士デミオン・クレージュと共に新しい学園生活を始めるベアトリーチェ。学園で出会った新しい学友、変わった教授の授業。様々な出来事がベアトリーチェを大きく変えていく。  一方、国王の命でフロンティアの技術を学ぶためにレイノルドやジュリア、ルシーラ達も留学してきて楽しい学園生活は不穏な空気を孕みつつ進んでいく。  第二章は青春恋愛モード全開のシリアス&ラブコメディ風になる予定です。  ベアトリーチェを巡る新しい恋の予感もお楽しみに!  ※印は回帰前の物語です。

処理中です...