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9 まずは到着の挨拶を
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「頼もー!」とばかりに門を破壊しての訪問だったのだ、ドラゴンに乗ったままで。
ドラゴンを繰っていたのは護衛の騎士で院長のレーゼラインは同乗していただけであるが、縄、いやよく見たら鞭__で巻かれた馬鹿その一の鞭の先を握っていたのはレーゼライン院長その人だった。
壊した張本人、護衛騎士のステルンは「悪ぃ、コイツが勢いづきすぎて止まらなくってなー」と悪びれず宣った__少しも悪いと思っていない顔で。
(噂というか、本で読んだ以上ね……)
ただただ感心するロダリンダと違い、怒鳴りたいが連れているドラゴンが恐ろしくて怒れずに言葉を失っていた公爵は、レーゼラインが持っている鞭の先に王太子が引きずられているのを見て青くなって慄いた。
そんな公爵の存在をあっさり無視したレーゼラインは、
「はじめまして!貴方が手紙をくれたロザリンダね?」
と私に手を差し出した。
「はい。はじめまして。こんなに早くお越しいただけて嬉しいです」
私は笑いながらぎゅ、と手を握り返す。
「ふふ」
「何か?」
「手紙での想像通り……というかぶっちゃけ想像以上よ!こんな青銀の美少女初めて見たわ!眼福!!」
とレーゼラインは握った手をブンブン振り回す。
院長と言ってもレーゼラインはまだ若く、元は女性騎士だったというだけあって女性にしてはすらりとして背が高く、力も強い。
(わゎ……!)と持ってかれそうになる体を慌てて踏ん張ると、
「おいレーゼライン、お前お嬢様の手握りつぶす気か?」
すかさずステルンが突っ込んでくれた。
「あ。ごめぇ~ん予想以上の美少女っぷりについ」
と慌てて謝る仕草は少女のようだ。
(確か今三十四、五歳よね?原作で修道院を設立したのは二十四歳だったはず)
元はある国の皇女だったレーゼラインは婚姻を目前に婚約者に裏切られた。
当時の、というか今も大して変わらないが下半身の緩い男に甘く女性の貞節に厳しい風潮ははその婚約者と浮気相手との婚姻を認め、レーゼラインに年寄りの公爵の後妻を薦めた。
それに怒りくるったレーゼラインはその話し合いの場であった謁見の間を半壊、震え上がった元婚約者と父皇帝から高額の慰謝料と目当ての南方の領地を強だt、ではない接収して国と縁を切り、セイクレッド修道院を設立した。
身分を問わず自分のような目に合い、不遇を強いられた女性の擁護を声高に宣言し、結果入所希望者が溢れ、セイクレッド修道院はあっという間に世界一有名な修道院となった。
元々女性騎士でもあった彼女は身を寄せてきた女性を無理矢理連れ戻そうとする輩を容赦なく追い払うことでも有名で、“セイクレッドの狂犬“、、ではなく“セイクレッドの女神“と称されている。
(実年齢より若く見えるわね……)
修道女の服を着てはいるがフードは被っていない。
鮮やかな金色の髪はこの世界では珍しくベリーショートにしているのと、好奇心いっぱいの青い瞳の輝きは余計レーゼラインを若く見せている。
そして護衛騎士のステルン。
彼は訳あって国を追放されたが騎士であった頃のレーゼラインと既知であり、レーゼラインの考えにいたく共感(?)して自らセイクレッドの守護を買って出たという元傭兵だ。
「奴の赴く戦さ場に負けなし」と言われるほどの実力で青銀のドラゴンを繰る竜騎士で、途方もなく腕が立つ。
ポニーテールにした金髪に紅い瞳、身長は百九十二と大柄で豪快な人物。
追放前の戦場では仲間を死なせない“戦神“とも呼ばれたことから、彼の元へ志願してセイクレッド守護騎士団に入団するものも多く、程なくしてセイクレッド守護騎士団は南方の最強勢力となる。
修道院の収入のため、外部からの依頼を受けて討伐や護衛任務を請け負うこともある。
確か、二十九歳。こちらも見た目はせいぜい二十四、五歳といったところ。
ドラゴンを繰っていたのは護衛の騎士で院長のレーゼラインは同乗していただけであるが、縄、いやよく見たら鞭__で巻かれた馬鹿その一の鞭の先を握っていたのはレーゼライン院長その人だった。
壊した張本人、護衛騎士のステルンは「悪ぃ、コイツが勢いづきすぎて止まらなくってなー」と悪びれず宣った__少しも悪いと思っていない顔で。
(噂というか、本で読んだ以上ね……)
ただただ感心するロダリンダと違い、怒鳴りたいが連れているドラゴンが恐ろしくて怒れずに言葉を失っていた公爵は、レーゼラインが持っている鞭の先に王太子が引きずられているのを見て青くなって慄いた。
そんな公爵の存在をあっさり無視したレーゼラインは、
「はじめまして!貴方が手紙をくれたロザリンダね?」
と私に手を差し出した。
「はい。はじめまして。こんなに早くお越しいただけて嬉しいです」
私は笑いながらぎゅ、と手を握り返す。
「ふふ」
「何か?」
「手紙での想像通り……というかぶっちゃけ想像以上よ!こんな青銀の美少女初めて見たわ!眼福!!」
とレーゼラインは握った手をブンブン振り回す。
院長と言ってもレーゼラインはまだ若く、元は女性騎士だったというだけあって女性にしてはすらりとして背が高く、力も強い。
(わゎ……!)と持ってかれそうになる体を慌てて踏ん張ると、
「おいレーゼライン、お前お嬢様の手握りつぶす気か?」
すかさずステルンが突っ込んでくれた。
「あ。ごめぇ~ん予想以上の美少女っぷりについ」
と慌てて謝る仕草は少女のようだ。
(確か今三十四、五歳よね?原作で修道院を設立したのは二十四歳だったはず)
元はある国の皇女だったレーゼラインは婚姻を目前に婚約者に裏切られた。
当時の、というか今も大して変わらないが下半身の緩い男に甘く女性の貞節に厳しい風潮ははその婚約者と浮気相手との婚姻を認め、レーゼラインに年寄りの公爵の後妻を薦めた。
それに怒りくるったレーゼラインはその話し合いの場であった謁見の間を半壊、震え上がった元婚約者と父皇帝から高額の慰謝料と目当ての南方の領地を強だt、ではない接収して国と縁を切り、セイクレッド修道院を設立した。
身分を問わず自分のような目に合い、不遇を強いられた女性の擁護を声高に宣言し、結果入所希望者が溢れ、セイクレッド修道院はあっという間に世界一有名な修道院となった。
元々女性騎士でもあった彼女は身を寄せてきた女性を無理矢理連れ戻そうとする輩を容赦なく追い払うことでも有名で、“セイクレッドの狂犬“、、ではなく“セイクレッドの女神“と称されている。
(実年齢より若く見えるわね……)
修道女の服を着てはいるがフードは被っていない。
鮮やかな金色の髪はこの世界では珍しくベリーショートにしているのと、好奇心いっぱいの青い瞳の輝きは余計レーゼラインを若く見せている。
そして護衛騎士のステルン。
彼は訳あって国を追放されたが騎士であった頃のレーゼラインと既知であり、レーゼラインの考えにいたく共感(?)して自らセイクレッドの守護を買って出たという元傭兵だ。
「奴の赴く戦さ場に負けなし」と言われるほどの実力で青銀のドラゴンを繰る竜騎士で、途方もなく腕が立つ。
ポニーテールにした金髪に紅い瞳、身長は百九十二と大柄で豪快な人物。
追放前の戦場では仲間を死なせない“戦神“とも呼ばれたことから、彼の元へ志願してセイクレッド守護騎士団に入団するものも多く、程なくしてセイクレッド守護騎士団は南方の最強勢力となる。
修道院の収入のため、外部からの依頼を受けて討伐や護衛任務を請け負うこともある。
確か、二十九歳。こちらも見た目はせいぜい二十四、五歳といったところ。
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