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顛末
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言うと同時に王子も抜刀する。
私もばさ、とドレスを脱ぎ捨て下に着ていた身軽な冒険者服になりつつ
「皆さまはこちらへ!」
令嬢がたを近衛が固まっている方へ押しやるようにしてから自分も抜刀して構える。
「な、な…、」
国王があわあわと言葉にならない音を発している間に王子が
「この国の王族や高位貴族と娘の婚姻に不安を抱いた貴族達は外国の貴族に娘を嫁がせ縁が深まる。その分情報も互いに行き交う。その結果こういう事を目論む奴が出てきてもおかしくない」
「ほう、流石第一王子。ここまで読まれているとは。だがこちらの手勢とそちらの手勢、どちら、がっ…?!」
リーダー格らしい男に横から貴族子弟が斬りかかった。
いや、格好だけは貴族子弟だがあれはー…
「ここまで読んでんのにたった二人で来るわけねーだろ?」
会場のあちこちで服装だけは貴族の礼装、けれどおそらく中身は王子が集めた冒険者達が次々に抜刀し黒装束たちに斬りかかった。
「くっ、ひ、卑怯だぞ!」
どっちが。
「仕掛けた奴の言うセリフかよ?ついでに倒すべき敵にいちいちンな口上する冒険者はいねぇよ言ってる間に死ぬっつの」
だな。
女一人とみて私のところにも何人か来たが速攻で剣を持つ手や足の腱を切って動きを封じ、落ちた剣を遠くに蹴り飛ばす。
手下があっという間に倒されるのをみて
「ば、ばかな…、」
と震え出すリーダー格は喉元に剣を突き付けられ速攻でハンズアップした。
その騒動から二日後。私は元悪役令嬢もとい公爵令嬢主催被害者友の会御一同様の集まり、じゃない お茶会に出席していた。
あの日の夜後始末は当たり前だが王子とその原因(国王)に任せ私は実家に戻り久々に家族と過ごした。
家族だけでなく使用人たちも皆私の無事を喜んでくれたが私は冒険者をやめるつもりはない。
ただ数日間だけ滞在させてもらう事にし久々にゆったりと過ごしていた所に公爵家から招待状が届いたのだ。
先日の御礼も申し上げたい とあったし伯爵家からお断りもしづらい相手なのでこれまた三年ぶりに茶会用のドレスなぞ着込んでやってきていた。
「コーディリア様!良くいらっしゃって下さいました」
公爵令嬢が諸手をあげて歓迎してくれる。
昨夜のうちに家族に聞いたところによるとあの騒ぎのあとなんとか復縁したのは一組のみ。それも破棄を告げた令息の実家側が頭を下げて令嬢家側に息子を見捨てないでやってくれと頼み込んだのと何より魅了魔法が解けた令息が彼女の足下に五体投地する勢いで必死に謝ってきたので令嬢側も絆されたらしい。
他の二人はそのまま相手から慰謝料を取った上で破棄しそれぞれ別の相手と婚約したそうだ。王太子妃候補だった公爵令嬢に至っては他国の王族に嫁ぐ事になってるそうで、最近は自国の行事 ーー例え王家主催であってもーー 休みがちなのだとか。
成る程 あの第一王子の言葉通りである。
私もばさ、とドレスを脱ぎ捨て下に着ていた身軽な冒険者服になりつつ
「皆さまはこちらへ!」
令嬢がたを近衛が固まっている方へ押しやるようにしてから自分も抜刀して構える。
「な、な…、」
国王があわあわと言葉にならない音を発している間に王子が
「この国の王族や高位貴族と娘の婚姻に不安を抱いた貴族達は外国の貴族に娘を嫁がせ縁が深まる。その分情報も互いに行き交う。その結果こういう事を目論む奴が出てきてもおかしくない」
「ほう、流石第一王子。ここまで読まれているとは。だがこちらの手勢とそちらの手勢、どちら、がっ…?!」
リーダー格らしい男に横から貴族子弟が斬りかかった。
いや、格好だけは貴族子弟だがあれはー…
「ここまで読んでんのにたった二人で来るわけねーだろ?」
会場のあちこちで服装だけは貴族の礼装、けれどおそらく中身は王子が集めた冒険者達が次々に抜刀し黒装束たちに斬りかかった。
「くっ、ひ、卑怯だぞ!」
どっちが。
「仕掛けた奴の言うセリフかよ?ついでに倒すべき敵にいちいちンな口上する冒険者はいねぇよ言ってる間に死ぬっつの」
だな。
女一人とみて私のところにも何人か来たが速攻で剣を持つ手や足の腱を切って動きを封じ、落ちた剣を遠くに蹴り飛ばす。
手下があっという間に倒されるのをみて
「ば、ばかな…、」
と震え出すリーダー格は喉元に剣を突き付けられ速攻でハンズアップした。
その騒動から二日後。私は元悪役令嬢もとい公爵令嬢主催被害者友の会御一同様の集まり、じゃない お茶会に出席していた。
あの日の夜後始末は当たり前だが王子とその原因(国王)に任せ私は実家に戻り久々に家族と過ごした。
家族だけでなく使用人たちも皆私の無事を喜んでくれたが私は冒険者をやめるつもりはない。
ただ数日間だけ滞在させてもらう事にし久々にゆったりと過ごしていた所に公爵家から招待状が届いたのだ。
先日の御礼も申し上げたい とあったし伯爵家からお断りもしづらい相手なのでこれまた三年ぶりに茶会用のドレスなぞ着込んでやってきていた。
「コーディリア様!良くいらっしゃって下さいました」
公爵令嬢が諸手をあげて歓迎してくれる。
昨夜のうちに家族に聞いたところによるとあの騒ぎのあとなんとか復縁したのは一組のみ。それも破棄を告げた令息の実家側が頭を下げて令嬢家側に息子を見捨てないでやってくれと頼み込んだのと何より魅了魔法が解けた令息が彼女の足下に五体投地する勢いで必死に謝ってきたので令嬢側も絆されたらしい。
他の二人はそのまま相手から慰謝料を取った上で破棄しそれぞれ別の相手と婚約したそうだ。王太子妃候補だった公爵令嬢に至っては他国の王族に嫁ぐ事になってるそうで、最近は自国の行事 ーー例え王家主催であってもーー 休みがちなのだとか。
成る程 あの第一王子の言葉通りである。
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