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本編
57話『脱線してくよ、どこまでも』
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クルルを宿泊施設に送り戻ってきた二人は今、室内で康煕の気が済むまで千隼を抱きしめているところだった。
「康煕、どうしたの?」
「お前を可愛がりたいと思っただけだ」
耳朶に唇を寄せ甘く囁いた康煕の声に、千隼は背筋にゾクリと甘い痺れが走った。
目の奥に熱を孕んだ康煕を見つめ、てないね・・・うん。
そう何回も発情しないし、康煕も暴走しないよね。
というか、可愛がるってどういうことだろ?
「康煕、気になったこと聞いてもいい?」
「ん?なんだ?」
「康煕は今、疲れてるんだよね?」
「あぁ、疲れてるな」
「じゃぁ、大人しく寝るって発想はないの?」
「お前を可愛がってから寝る」
「えっと、疲れてるなら普通お風呂入って寝るんじゃないの?」
「一緒に風呂に浸かって、存分にお前を可愛がってから寝るよ」
可笑しくない???
そもそも、可愛がるの意味が分からないんだけど・・・
「どうした?」
「康煕は疲れてるのに僕を可愛がるっていうから、どういう意味なのかなって不思議に思ってるとこ・・・」
「なるほどね。愛でるって言ったら分かるか?」
「愛でる・・・?」
「体も可愛がりたいところだが、予定外の疲れの後で千隼を抱いたら抱き潰しかねないんだよ」
「抱き潰っ!? 」
「そうなると、どんなに加減していても恐怖が勝るだろ」
「うぅ~~~~っ。康煕、何平然と抱くとか言ってんの!? 」
「いや、まぁ。俺との相性はバッチリだと思うんだが違ったか?」
「そういうことじゃなくて!」
可愛がるの説明から脱線しまくった挙句、2人の会話は戻ることなく延々と続いている。
2人しかいないというのに賑やかな会話なのだが、外には漏れることがなかった。
康煕は防音対策を施しており、昔のように気兼ねなく話たり、今のように体を繋げるような事態になっても千隼が思い悩まないようにしていたのだった。
康煕のいう『予定外の疲れ』とは、邪魔者を裁く為の施設を設置したことであった。
「ねぇ、本当に休まなくていいの?」
「今は、千隼をこうして腕の中に閉じ込めながら居る時間が俺には必要なんだよ」
「何それ・・・意味わかんない」
〔この流れでエロにいかないかなぁ・・・〕
「康煕、どうしたの?」
「お前を可愛がりたいと思っただけだ」
耳朶に唇を寄せ甘く囁いた康煕の声に、千隼は背筋にゾクリと甘い痺れが走った。
目の奥に熱を孕んだ康煕を見つめ、てないね・・・うん。
そう何回も発情しないし、康煕も暴走しないよね。
というか、可愛がるってどういうことだろ?
「康煕、気になったこと聞いてもいい?」
「ん?なんだ?」
「康煕は今、疲れてるんだよね?」
「あぁ、疲れてるな」
「じゃぁ、大人しく寝るって発想はないの?」
「お前を可愛がってから寝る」
「えっと、疲れてるなら普通お風呂入って寝るんじゃないの?」
「一緒に風呂に浸かって、存分にお前を可愛がってから寝るよ」
可笑しくない???
そもそも、可愛がるの意味が分からないんだけど・・・
「どうした?」
「康煕は疲れてるのに僕を可愛がるっていうから、どういう意味なのかなって不思議に思ってるとこ・・・」
「なるほどね。愛でるって言ったら分かるか?」
「愛でる・・・?」
「体も可愛がりたいところだが、予定外の疲れの後で千隼を抱いたら抱き潰しかねないんだよ」
「抱き潰っ!? 」
「そうなると、どんなに加減していても恐怖が勝るだろ」
「うぅ~~~~っ。康煕、何平然と抱くとか言ってんの!? 」
「いや、まぁ。俺との相性はバッチリだと思うんだが違ったか?」
「そういうことじゃなくて!」
可愛がるの説明から脱線しまくった挙句、2人の会話は戻ることなく延々と続いている。
2人しかいないというのに賑やかな会話なのだが、外には漏れることがなかった。
康煕は防音対策を施しており、昔のように気兼ねなく話たり、今のように体を繋げるような事態になっても千隼が思い悩まないようにしていたのだった。
康煕のいう『予定外の疲れ』とは、邪魔者を裁く為の施設を設置したことであった。
「ねぇ、本当に休まなくていいの?」
「今は、千隼をこうして腕の中に閉じ込めながら居る時間が俺には必要なんだよ」
「何それ・・・意味わかんない」
〔この流れでエロにいかないかなぁ・・・〕
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