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本編

50話「クルルとミルル」

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「やだやだやだやだ!このイケメンがほ~し~い~のぉ――――ッ!! 」

「ミルル、ダダこねても気持悪いだけ。お兄さんたちは二人で一つなんだから諦めなよ」

「いぃぃぃぃやぁぁぁぁだぁぁぁぁ!! 」

「ミルル、聞き分けないと王都で報告するよ」

「アタシの希望が叶わないなら仕事なんてしないもん! 」

「はぁ・・・、ミルル帰還して。仕事の邪魔」

「っ!? 」

「そんな顔してもだめ。与えられた仕事も出来ないパートナーはいらない」


冷たくクルルの言葉が突き刺さり、とうとうミルルは泣き出した。


「うあぁぁぁぁん! クルルがアタシを捨てたああぁぁああ!! 」


実際、いくつなんだ?と思ってしまうほどの幼児問答。
千隼は知らない相手だし、かなり年下だったら大人げないと思い手加減していたのに・・・
パートナーの毒舌に耐え切れなくなり、大泣きしてしまったのだ。


「煕旺さん、ミルルがごめんなさい」

「いや、俺はコイツに害をなす者なら容赦しないだけだから別に気にしていない」

「ボクは、さっきも言ったけどココの調査にきたの。そっちのお兄さんは何て呼べばいい?」

「僕は珀(千隼)」

「わかった。珀よろしくね」

「クルル君、よろしくね」


話が通じそうな者同士、自己紹介と謝罪を済ませ本題に入る。


「煕旺と珀は、どうしてこんな草原にいるの?」

「俺は、珀を捜索して此処に辿り着いたんだ」

「僕は、気がついたらココにいて煕旺が迎えに来てくれるまでじっとしてたかな」


2人とも中らずと雖も遠からずな返しをした。
千隼は、クズ女神に強制招待され康煕はスキルで召喚されたのだ。
素直にペラペラと馬鹿正直に話すのは危険だと康煕が判断し、それの意図を組んだ千隼が似たような答えを口にしたのだ。


「それじゃ、珀は迷子ってこと?」

「僕、目が覚めたのがココだったから迷子かどうか分かんないんだよね」

「そうなの?それじゃ、人攫いかな」

「今は、此処で過ごしてる方が気が楽だからな。コイツ、夜寝てる時に発作起こして目が覚めるから誰もいない草原は俺達にとって助かるんだ」

「えっ?病気!? 」

「寝てる時だけだから大丈夫だよ。でも、煕旺が心配してココで療養してるの」











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