えっ!? こんなスキルって嘘でしょ!?

鴻上 紫苑

文字の大きさ
上 下
23 / 108
本編

22話『天然タラシ』☆彡

しおりを挟む
千隼は熱を帯びた瞳で見つめられ、中途半端に弄られた躰の疼きは康煕を欲している。


「ん?どうする?」


目の前の意地悪な男は、年齢を偽っているのではと思うほど大人の色香を醸し出しながら聞いてくる。
言葉のかわりに、ゆっくりと首を振り、ぎゅっと抱きついた。


「このままなんて嫌だ。だから・・・今まで誰ともしてこなかったことを、康煕としたい・・・・・・っ」


しがみついたまま言葉を継ぐと、息を呑むような音が聞こえ、次いできつく抱き返される。


「わかった」


息まで奪われるほど深く口付けられると、その心地良さに頭の中が真っ白になり、千隼は何も考えられなくなる。

一度は抜いてしまった自分の指を香油で濡らし、千隼のものを口に含んで扱きながら、再度その指先で最奥に触れた。初めてのことで抵抗はあるが、千隼は懸命に躰の力を抜いて指を受け入れた。
指を前後に動かすと、内側の弱いところを探り当てて何度か刺激を与えると、泣きそうな声を上げて千隼は腰を捩り立てた。


「や・・・・・・もう抜い・・・・・・て・・・・・・」


限界が近いことを訴えてきたのを無視して、穿つ指の動きを早める。
千隼は息を乱し康煕の服をぎゅっと握りしめて、上げる声は切羽詰まったものになって、やがて尾を引くような甘い悲鳴になった。

康煕がゆっくりと口を離すと、千隼は弛緩した躰をベッドの上に投げ出して忙しない呼吸を繰り返している。
上気して汗ばんだ肌が淡い光に照らし出されている姿は、ひどく艶めかしい。
じっと見つめながら、康煕は千隼の中から指を引き抜いていった。


「ぁっ・・・・・・」


微かに声を漏らし肌を震わせる媚態に、康煕は視覚的にも満たされていく。
頬に張り付いた髪を払ってやると、千隼は満足そうな笑みを浮かべながら静かに寝息をたて始めた。















〔康煕、蛇の生殺しだけど大丈夫かな・・・?〕



しおりを挟む
エブリスタにも同じ作品を投稿しています。内容は同じなので読み返しの必要はありません。今後とも、のんびり執筆して投稿していくので応援よろしくお願いします。
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! リクエストの更新が終わったら、舞踏会編をはじめる予定ですー!

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

学園の天使は今日も嘘を吐く

まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」 家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

処理中です...