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本編
19話『優しいくちづけ』
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夢から覚めた千隼は、二度寝が出来ないほど暗い顔をしていた。
「大丈夫か?」
いまだ俯いている彼に康煕はカップを手渡した。
鼻孔を擽るように香ってきたのは、落ち込むと決まって幼馴染みがいれてくれる紅茶。
「お前の好きな紅茶だ。宿に着いたら、ミルクティーを作ってやる。それまで我慢な」
「・・・っ、こうきぃ・・・」
「どうした?」
「僕のこと置いて、どこにも行かないよね・・・?」
不安そうに聞いてくる千隼に康煕は答える。
「あぁ、千隼を置いて消えるわけがないだろう。言葉だけじゃ不安か?」
まだ不安な顔をして見つめてくる幼馴染に、康煕は片膝を着き千隼の左手に触れると手の甲にキスを落とす。
それは、騎士(ナイト)が主君を敬愛しているという意味が込められていた。
康煕が僕に対して傅くとは思わなかったから、嬉しい気持ち半分、驚き半分。そして、照れくさい気持ちもあった。
「康煕・・・恥かしいよ・・・」
顔を上げてみれば、さっき落ち込んでた時とは正反対に顔が真っ赤になっている。
立ち上がり千隼を抱き寄せ頤を掬いくちづけをした。不安を拭うように優しく・・・
「んっ・・・ふっ・・・んん」
ちゅっと音をたてて唇を離すと、千隼は何も考えられないのか蕩けた顔をして康煕を見つめていた。
「少しずつ慣れていこうな」
低音で囁かれ背筋に甘い痺れのような感覚が走った千隼は、拙いキスをすることで返事を返したのだった。
初めて自分からの意思表示である。
自分から離れていくかもしれない不安と恐怖から、無意識ではあるものの彼を失うのだけは耐えられない。
ずっと一緒にいたからこそ、当たり前になっていて気づいてなかった。
千隼は、己の気持ちに気づかないまま本能で康煕を欲したのだ。
「僕、康煕がいなくなっちゃったら生きていけない・・・」
くちづけで上向きだった感情も、失うかもしれない不安、そうなった時のことを考え素直に吐露した千隼に康煕は、ほんの少しフェロモンを垂れ流したのだった。
〔ぅん、少し強引だけどもエロに持ってくぞ(`・ω・´)b〕
「大丈夫か?」
いまだ俯いている彼に康煕はカップを手渡した。
鼻孔を擽るように香ってきたのは、落ち込むと決まって幼馴染みがいれてくれる紅茶。
「お前の好きな紅茶だ。宿に着いたら、ミルクティーを作ってやる。それまで我慢な」
「・・・っ、こうきぃ・・・」
「どうした?」
「僕のこと置いて、どこにも行かないよね・・・?」
不安そうに聞いてくる千隼に康煕は答える。
「あぁ、千隼を置いて消えるわけがないだろう。言葉だけじゃ不安か?」
まだ不安な顔をして見つめてくる幼馴染に、康煕は片膝を着き千隼の左手に触れると手の甲にキスを落とす。
それは、騎士(ナイト)が主君を敬愛しているという意味が込められていた。
康煕が僕に対して傅くとは思わなかったから、嬉しい気持ち半分、驚き半分。そして、照れくさい気持ちもあった。
「康煕・・・恥かしいよ・・・」
顔を上げてみれば、さっき落ち込んでた時とは正反対に顔が真っ赤になっている。
立ち上がり千隼を抱き寄せ頤を掬いくちづけをした。不安を拭うように優しく・・・
「んっ・・・ふっ・・・んん」
ちゅっと音をたてて唇を離すと、千隼は何も考えられないのか蕩けた顔をして康煕を見つめていた。
「少しずつ慣れていこうな」
低音で囁かれ背筋に甘い痺れのような感覚が走った千隼は、拙いキスをすることで返事を返したのだった。
初めて自分からの意思表示である。
自分から離れていくかもしれない不安と恐怖から、無意識ではあるものの彼を失うのだけは耐えられない。
ずっと一緒にいたからこそ、当たり前になっていて気づいてなかった。
千隼は、己の気持ちに気づかないまま本能で康煕を欲したのだ。
「僕、康煕がいなくなっちゃったら生きていけない・・・」
くちづけで上向きだった感情も、失うかもしれない不安、そうなった時のことを考え素直に吐露した千隼に康煕は、ほんの少しフェロモンを垂れ流したのだった。
〔ぅん、少し強引だけどもエロに持ってくぞ(`・ω・´)b〕
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