上 下
13 / 108
本編

12話『旅をする前に・・・?』

しおりを挟む
お互いの荷物チェックも終わり移動しようと千隼が歩き出した時、康煕に呼び止められた。


「千隼、ちょっと待て」

「なに?」

「移動する前に飯が先だ」

「ご飯は、移動してからでもいいんじゃない?」

「移動して安全に村や町が見つかればいいが、深く薄暗い森が延々と続くようなことがあったら食べなかったことを後悔するだろ」


康煕がいうことは一理ある。運よく人が住んでる場所に辿りつければ問題はないけど、最悪の場合を考えると胃に何も入れずに移動するのは無謀だろう。

千隼は、康煕に言われて納得し一緒にご飯の用意を始めた。


「ねぇ、保存食って何があるの?」

「数種類の魚缶に果物の缶詰、ドライフルーツ。山登りとかする時用に乾パン。これは、大量にあるぞ」

「ドライフルーツや魚缶とかは解るんだけど、何で乾パンが一番多いの・・・」

「日持ちする物なら、万が一の時には役に立つ。現に今、助かってるだろ?」


本当にどこまでも用意周到な男だ。そんな彼は、目の前で不思議そうに笑っている。
千隼は、食事のことで忘れていたことを思い出し康煕に聞いてみた。


「ねぇ、康煕ってレベルやスキルとかってあるの?」

「ん?ステータスのことだよな」

「ステータスかはわかんないけど、スキルチェックって言うと見れるんだって」

「普通、異世界ってステータスオープンじゃないのか?」

「そんなこと知らないよ。ここに来て直ぐに頭に声が響いて、スキルチェックって言ったら見れたんだもん」

「まぁ、とりあえず王道のステータスで試してみるか(笑)」


そう言うと、康煕の目の前にステータスが表示された。もちろん、他人が見ることは出来ない。



『名前:谷仲康煕(神にも匹敵する総ての力を操ることができる者。千隼の召喚者(獣))

レベル:?
HP:?
MP:?
攻撃:?
防御:?
命中:?
回避:?
強靭:?
貫通:?
(詳しいステータスは、千隼のレベルが上がるとともに表記される。今は見れない)

スキル:庇護・擁護(千隼専用)
   ※無慈悲なおもてなし(千隼に害意を向けてきた相手を徹底的に貶める)

ユニークスキル:誘惑(全ての生き物に作用し、近しい者には媚薬効果を発揮する。また、誘惑の度合いは調整可能)

※隠れスキル:分析・解析。治癒。七大精霊王の加護。エロ魔人の加護。

異次元バッグ(容量・重量∞):名前の通り現世と異界を繋ぎ、必要な物は思い浮かべるだけで手に入れられる』











・・・・・・・ん?なんだこれ・・・・・・











しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

【※R-18】αXΩ 懐妊特別対策室

aika
BL
αXΩ 懐妊特別対策室 【※閲覧注意 マニアックな性的描写など多数出てくる予定です。男性しか存在しない世界。BL、複数プレイ、乱交、陵辱、治療行為など】独自設定多めです。 宇宙空間で起きた謎の大爆発の影響で、人類は滅亡の危機を迎えていた。 高度な文明を保持することに成功したコミュニティ「エピゾシティ」では、人類存続をかけて懐妊のための治療行為が日夜行われている。 大爆発の影響か人々は子孫を残すのが難しくなっていた。 人類滅亡の危機が訪れるまではひっそりと身を隠すように暮らしてきた特殊能力を持つラムダとミュー。 ラムダとは、アルファの生殖能力を高める能力を持ち、ミューはオメガの生殖能力を高める能力を持っている。 エピゾジティを運営する特別機関より、人類存続をかけて懐妊のための特別対策室が設置されることになった。 番であるαとΩを対象に、懐妊のための治療が開始される。

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

全ての悪評を押し付けられた僕は人が怖くなった。それなのに、僕を嫌っているはずの王子が迫ってくる。溺愛ってなんですか?! 僕には無理です!

迷路を跳ぶ狐
BL
 森の中の小さな領地の弱小貴族の僕は、領主の息子として生まれた。だけど両親は可愛い兄弟たちに夢中で、いつも邪魔者扱いされていた。  なんとか認められたくて、魔法や剣技、領地経営なんかも学んだけど、何が起これば全て僕が悪いと言われて、激しい折檻を受けた。  そんな家族は領地で好き放題に搾取して、領民を襲う魔物は放置。そんなことをしているうちに、悪事がバレそうになって、全ての悪評を僕に押し付けて逃げた。  それどころか、家族を逃す交換条件として領主の代わりになった男たちに、僕は毎日奴隷として働かされる日々……  暗い地下に閉じ込められては鞭で打たれ、拷問され、仕事を押し付けられる毎日を送っていたある日、僕の前に、竜が現れる。それはかつて僕が、悪事を働く竜と間違えて、背後から襲いかかった竜の王子だった。  あの時のことを思い出して、跪いて謝る僕の手を、王子は握って立たせる。そして、僕にずっと会いたかったと言い出した。え…………? なんで? 二話目まで胸糞注意。R18は保険です。

僕の策略は婚約者に通じるか

BL
侯爵令息✕伯爵令息。大好きな婚約者が「我慢、無駄、仮面」と話しているところを聞いてしまった。ああそれなら僕はいなくならねば。婚約は解消してもらって彼を自由にしてあげないと。すべてを忘れて逃げようと画策する話。 フリードリヒ・リーネント✕ユストゥス・バルテン ※他サイト投稿済です ※攻視点があります

処理中です...