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一章 シガナ村での日々
5話 「畑仕事と肥料撒き」
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「まず、この袋には肥料と呼ばれる、栄養がいっぱい詰まった土が入っています。
この肥料を畑の土に混ぜる事で、作物がよく育ちます」
ポテトパーティーの翌日、俺は農作業をしている人達の前で説明をしていた。
今の畑はお世辞にも大きいとは言えない。
何回も水を汲みに行くのがキツイからだ。
だが、今この村には水路がある。だから畑を拡張する事にしたのだ。
「ここに肥料をばら撒くので、皆さんで協力して、畑の土と混ぜ合わせて下さい」
俺がそう言って畑の上に肥料をばら撒くと、村の皆が一斉に土をこねはじめた。
ソニアさんも手伝いに来てくれている。
「あ、あのヨウタさん…?この肥料、臭いがかなりキツイのですが…」
ソニアさんが土まみれになりながら聞いてくる。
「あぁ、それは動物の糞が入ってるからですね。 肥料には動物の糞とか、他にもいろんな物が入ってるんですよ」
「ど、動物の…?」
ソニアさんが青ざめる。
あー…女性には言わない方が良かったかな…?
その後、それを聞いていたのか村の女性達は顔を引き攣らせながら作業をしていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
肥料を全て撒き終え、土を慣らし終えた。
最初の畑よりも規模は倍以上になった。
これならかなり収穫できるだろう。
「よし。次は種を撒きましょう。 区画ごとに分けたいので、建築班の皆さんに作ってもらったこの木の板に作物の名前を書いて刺して、分かりやすいようにしましょう」
建築班の皆さんに木を切ってもらい、地面に刺せるようにした。
俺はこの世界の文字は書けないし読めないので、あとは皆さんに書いてもらおう。
植える作物の名前を書き終え、地面に刺した後、作物を植えていく。
全部植え終わる頃には、もう夕方になっていた。
食料調達班の人達が戻ってきたので、そこで今日は解散となった。
またいつものように3人で魚と山菜を食べていると
「そうだソニア。 次に騎士様達が税を取りに来るのはいつだったか?」
「えっと、1週間後だね。 ただ、前来た時に村の悲惨な状況を見て、「出来そうならでいい」って言ってくれたから、私から謝っておくよ」
「いや、村長としてワシも一緒に謝ろう」
税…?騎士…?
税はまぁ分かるが、騎士といういかにも異世界っぽい単語に反応してしまった。
「あのすみません。税っていうのは…?」
俺が恐る恐る聞くと、ソニアさんは笑顔で答えてくれた。
「毎月25日に、王都の騎士様が税を取りに来るんです。税とは、その地域に住む代わりに渡す物で、この村では、毎月畑に出来た作物を税としてお渡ししていました」
なるほど。税の仕組みは大体予想通りか。
「ですが、前回きていただいた時には既に畑は壊滅しており、とても払える状況では無かったんです。
ですが騎士様は、「では、僕の方から王に待ってもらえるように言っておきましょう。 」と言ってくれたんです」
おぉ、なかなかいい人じゃないか。
正直、払えないなら出て行け!ってなるのを予想していた。
「なるほど、じゃあ今月は無理でも、来月には税を払えそうですね」
先程ソニアさんに聞いたのだが、この世界の作物は、成長がかなり早いらしく、植えた次の月にはもう収穫が出来るらしい。
って事はつまり、肥料の消費も半端ないって事になる。
「ですね!アラン様がこの村を見たらきっとビックリしますよ!」
ソニアさんが笑いながら言う。
どうやら騎士の名前はアランと言うらしい。
「どんな人なのか、会うのが楽しみです」
この時はこんな事を言ったが、
この時の俺は、7日後にどうなるかなんて、知るよしも無かったのだ。
この肥料を畑の土に混ぜる事で、作物がよく育ちます」
ポテトパーティーの翌日、俺は農作業をしている人達の前で説明をしていた。
今の畑はお世辞にも大きいとは言えない。
何回も水を汲みに行くのがキツイからだ。
だが、今この村には水路がある。だから畑を拡張する事にしたのだ。
「ここに肥料をばら撒くので、皆さんで協力して、畑の土と混ぜ合わせて下さい」
俺がそう言って畑の上に肥料をばら撒くと、村の皆が一斉に土をこねはじめた。
ソニアさんも手伝いに来てくれている。
「あ、あのヨウタさん…?この肥料、臭いがかなりキツイのですが…」
ソニアさんが土まみれになりながら聞いてくる。
「あぁ、それは動物の糞が入ってるからですね。 肥料には動物の糞とか、他にもいろんな物が入ってるんですよ」
「ど、動物の…?」
ソニアさんが青ざめる。
あー…女性には言わない方が良かったかな…?
その後、それを聞いていたのか村の女性達は顔を引き攣らせながら作業をしていた。
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肥料を全て撒き終え、土を慣らし終えた。
最初の畑よりも規模は倍以上になった。
これならかなり収穫できるだろう。
「よし。次は種を撒きましょう。 区画ごとに分けたいので、建築班の皆さんに作ってもらったこの木の板に作物の名前を書いて刺して、分かりやすいようにしましょう」
建築班の皆さんに木を切ってもらい、地面に刺せるようにした。
俺はこの世界の文字は書けないし読めないので、あとは皆さんに書いてもらおう。
植える作物の名前を書き終え、地面に刺した後、作物を植えていく。
全部植え終わる頃には、もう夕方になっていた。
食料調達班の人達が戻ってきたので、そこで今日は解散となった。
またいつものように3人で魚と山菜を食べていると
「そうだソニア。 次に騎士様達が税を取りに来るのはいつだったか?」
「えっと、1週間後だね。 ただ、前来た時に村の悲惨な状況を見て、「出来そうならでいい」って言ってくれたから、私から謝っておくよ」
「いや、村長としてワシも一緒に謝ろう」
税…?騎士…?
税はまぁ分かるが、騎士といういかにも異世界っぽい単語に反応してしまった。
「あのすみません。税っていうのは…?」
俺が恐る恐る聞くと、ソニアさんは笑顔で答えてくれた。
「毎月25日に、王都の騎士様が税を取りに来るんです。税とは、その地域に住む代わりに渡す物で、この村では、毎月畑に出来た作物を税としてお渡ししていました」
なるほど。税の仕組みは大体予想通りか。
「ですが、前回きていただいた時には既に畑は壊滅しており、とても払える状況では無かったんです。
ですが騎士様は、「では、僕の方から王に待ってもらえるように言っておきましょう。 」と言ってくれたんです」
おぉ、なかなかいい人じゃないか。
正直、払えないなら出て行け!ってなるのを予想していた。
「なるほど、じゃあ今月は無理でも、来月には税を払えそうですね」
先程ソニアさんに聞いたのだが、この世界の作物は、成長がかなり早いらしく、植えた次の月にはもう収穫が出来るらしい。
って事はつまり、肥料の消費も半端ないって事になる。
「ですね!アラン様がこの村を見たらきっとビックリしますよ!」
ソニアさんが笑いながら言う。
どうやら騎士の名前はアランと言うらしい。
「どんな人なのか、会うのが楽しみです」
この時はこんな事を言ったが、
この時の俺は、7日後にどうなるかなんて、知るよしも無かったのだ。
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