三度目の人生でもあなたを探し続けている

ものくろぱんだ

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コーク商会長アトワ

全てはハイネのため

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次にしたのは男性をターゲットにした商売。
酒やらタバコやら、あとは育毛剤。
ああ、女性へのプレゼントになるだろう宝石類もその頃に登場させた。

商会が競り落とした廃れたはずの銀山にまさか新種の宝石がゴロゴロ眠っているとは思わなかったけどな。

そしてこの頃最も売上に貢献してくれたのが、商会が設立した施設······カジノ。
詳細は省くが、いくつかの領地が火の車だったり、潰れたりと国が忙しいらしい。

そこらにハイネがいたら大変だから色々支援したりと根回しを行った。

貴族の指示を集め始めたら、次は下······庶民だ。

彼らにも手が届くアクセサリーや化粧品はもちろん、最も力を入れたのは、同じデザインの服を大量生産する既製服の販売だった。
これは服に不便していた庶民に大きく浸透する。

それから物流も回して、甘味を多く取り入れ庶民向けのスイーツショップやカフェを開かせた。
こちらも好評。

副産物でコーヒーなんかも手に入れた。

更に手を出したのは薬と武器防具、あとはトイレや馬車の改革。

薬は粗悪品が多く、効果も無いものばかりだった。
だから人々は神聖力を持つ教会任せで、国には教会の権力が大きく巣くっている。

教会の権力を割くことになるけど、多分あの神様は怒らない気がした。

教会に目をつけられ隠れ住んでいる優秀な薬師たちを保護し、研究機関を作った。

武器や防具は、冒険者と傭兵、それから騎士たちに好まれた。

武器などは鍛冶師と俺で話し合って作った高性能の量産品だ。
家紋を入れるなどのサービスを行うから結構人気が出た。

それから、トイレや馬車。

今までのトイレはお世辞にも綺麗とはいえなかったので、水洗トイレを作らせた。
有能な魔道具士に色んなアイデアを投げたのだ。
馬車は揺れすぎて尻が痛くなるのでできるだけ揺れを減らすようバネなどを入れさせたりした。

これだけすれば、どこかにいるハイネにも、必ずこの改革の何かが届いてくれる。
少しでも苦労せずに、幸せに暮らして欲しい。
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