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コーク商会長アトワ

君がいない世界

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霞がかった世界で目覚めた。

全てが白黒で、単調で、彩りがない。
人間の顔は塗りつぶされたように白く、黒く。

声すら、雑音が混じるようだった。

はいねがいない。

はいね、ハイネ。
ハイネ、ハイネ、はいねハイネハイネハイネハイネハイネハイネハイネハイネハイネはいねハイネ。

なんで、いない。

ねぇハイネ。

君がいないと息ができないよ。

体が動かないんだ。

君がいないと、途端に時間が遅くなる。

何も見えないし、聞こえない。

食べてるものの色も味も、何も分からないんだ。

痛みも、苦しみも、だんだん麻痺し始めて、頭がおかしくなりそうなんだ。

ねぇハイネ。

どこに行ってしまったの?

寂しいな。
悲しいよ、ハイネ。

ハイネ。

莉緒でも、ソフィーリア様でもない、俺の······アトワである俺の最愛。
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