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北の砦の少年兵アトワ

過酷な日常

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少年兵としての日々はとてつもなく辛かった。

前世の記憶と持ち前の容量の良さ、身体能力のおかげでミスひとつなく、怒られることもない。

何が大変なのか。

時間が、合わない。

ハイネとの時間帯が、ともかく合わないのだ。

意気消沈する俺を見兼ねてか、気遣ってくれる他少年兵や先輩とはそれなりに仲良しだ。

でも俺の一番がいつだってハイネであるからか苦笑されっぱなし。

過酷だ。

「いや俺らの方が過酷だから」

辛い······。

「僕らの方が絶対辛いって······」

家に帰りたい······。

「それ完全に俺らのセリフな」



「······お前ら冷たくないか?」
「「「そう?」」」

不思議そうに返された。
解せぬ。

とにかく過酷な生活に追われ、砦からハイネを見守るばかり。
······見えるのか?見えるさ、当たり前だろ。

このために発達した機能だぞ。

そう言えばここまでわざわざ来ていたらしい先輩たちが顔を引き攣らせた。

失礼すぎる。

「アトワって······いや、いい、何も言うまい」
「そうだな······知らないフリしとこうぜ」
「アトワくんって······ううん、いいんだよ」

だからなんだよ。
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