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北の砦の少年兵アトワ
可愛いハイネ
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生まれた子供は青みがかった銀髪に藤色の瞳の愛らしい女の子だった。
ソフィーリア様より莉緒に似ている。
それでも莉緒の控えめな感じはなく、勝気そうな目をしていて、そこはソフィーリア様似かな?とだらしない笑みを浮かべた。
俺のご執心とその子······ハイネがあまりにも俺に引っ付いて離れないので、気が付いたら公認になった。
その頃俺は父さんに誘われて、アトワ・コークとしてこの街を守る砦の少年兵になることに決めた。
同い年の子供も何人か志願しているらしいが名前を聞いても分からない。
当たり前だ。
ハイネ以外に興味を持たない俺のことは知れ渡り、誰も遊びに誘わない。
ハイネは可愛い。
こんな俺の事を「あとあ」と呼び慕い、愛らしい笑みを見せてくれる。
この時俺は三度の人生で二番目の幸せを感じていた。
一番はもちろん前前世で結婚を受け入れられた時だ。
あの時は幸せだった。
これからはもっと幸せになる。
必ずだ。
毎日のようにハイネに構う俺は二家族の日常となっていた。
ハイネ自身は地味な見た目をしているらしい。
俺はよく分からないのだが、というか美醜に興味がない。
別に理解できないのではなく、ハイネとそれ以外で分けているだけだ。
それほどまでに妻は俺を救ってくれたのだ。
もはや執着に近い愛の形だが、きっとハイネは受け入れてくれるだろう。
俺はそっとハイネのくちびるに、くちびるを触れさせる。
母さんが叫び、ハイネの両親が卒倒し、父さんに殴られ、ボコボコに扱かれたが、感無量な俺にはどうでもいいことだった。
この時、俺は七歳、ハイネは一歳だった。
ソフィーリア様より莉緒に似ている。
それでも莉緒の控えめな感じはなく、勝気そうな目をしていて、そこはソフィーリア様似かな?とだらしない笑みを浮かべた。
俺のご執心とその子······ハイネがあまりにも俺に引っ付いて離れないので、気が付いたら公認になった。
その頃俺は父さんに誘われて、アトワ・コークとしてこの街を守る砦の少年兵になることに決めた。
同い年の子供も何人か志願しているらしいが名前を聞いても分からない。
当たり前だ。
ハイネ以外に興味を持たない俺のことは知れ渡り、誰も遊びに誘わない。
ハイネは可愛い。
こんな俺の事を「あとあ」と呼び慕い、愛らしい笑みを見せてくれる。
この時俺は三度の人生で二番目の幸せを感じていた。
一番はもちろん前前世で結婚を受け入れられた時だ。
あの時は幸せだった。
これからはもっと幸せになる。
必ずだ。
毎日のようにハイネに構う俺は二家族の日常となっていた。
ハイネ自身は地味な見た目をしているらしい。
俺はよく分からないのだが、というか美醜に興味がない。
別に理解できないのではなく、ハイネとそれ以外で分けているだけだ。
それほどまでに妻は俺を救ってくれたのだ。
もはや執着に近い愛の形だが、きっとハイネは受け入れてくれるだろう。
俺はそっとハイネのくちびるに、くちびるを触れさせる。
母さんが叫び、ハイネの両親が卒倒し、父さんに殴られ、ボコボコに扱かれたが、感無量な俺にはどうでもいいことだった。
この時、俺は七歳、ハイネは一歳だった。
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