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プロローグ

二度目の人生 3

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そのことに気が付いて三ヶ月。
俺は王宮で、王女の警護に勤めていた。

誰もが見惚れるほどに美しいという派手な王女は、真っ赤なドレスに赤い紅を付け、高いヒールを履いている。

黄金の髪は豪奢な巻き毛で、赤いリボンが付いている。

赤は王女の好きな色で、俺の瞳の色だった。

この、炎のように燃える赤の瞳を好まれ、近衛にと所望されたのだ。

······好きな色だけは、莉緒と同じなのだ。

もしやと思いもしたが、王女は隣国に嫁ぐことが決まっているし、人間性が全くもって終わっていた。

それでも最低限の可愛げはあるので情は湧く。

そんな思いを振り払い、ただひたすらに王女に接触する人間を見つめる。
王女を守るためだけでは無い。
莉緒を探すために。

そうこうしていたら、王女に会いに来る人間ががくっと減った。
そしてよく分からないが、嫉妬を剥き出しにした王女の様には危機感を覚える。
できるだけ避けるようにしても会ってしまう。

嫌いな女の典型。
それなのに何故か捨て切れない。

さっさと突き離せばいいのに、そうできない。
そんな不思議な力に途方に暮れる。

もしや魔女なのか?
そう思ってもそんな素振りお首にも出さない。

嫌いだ。

少なくとも、好きでは無い。

それなのに、何故か気になる。

後ろめたかった。

これは裏切りでは無い。
それなのに、王女を気にする自分がいることに、莉緒の影を探さないようになった自分に、愕然とする。

違う。

これは、裏切りだ。

だからその日、王女に何も言わず、近衛を交代してもらった。

頭を冷やそう。
俺が好きなのは莉緒だ。

王女では、ない。

それなのに。



その日のうちに、城から早馬が来た。

「王女が死んだ。暗殺だ」

そう、言われた。
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