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お母様は聖女様
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柔らかなミルクティーブロンドの髪に、色素の薄い翠の瞳。
顔立ちこそお母様そっくりと言われるけど、誰の子だと言われるほどに色合いは両親と似ても似つかなかった。
それでもお母様の不義の子だと言われないのは、ひとえに彼らがお母様ガチ勢だからにほかならない。
お母様が白と言ったらそれが黒でも白だと笑顔で言い切る者たちだ。
そんなこと考えたことすらないのだろう。
まあ私の両親は父は真っ白な髪に真紅の瞳、母は真っ黒な髪に群青の瞳という正反対で、どう混ぜても私の色にはならないだろうと言った色彩を纏っていた。
別に先祖を遡っても、この色の人間がいる訳でも無く、ただ唯一お母様のお母様の家系にポツポツとミルクティーブロンドの人間が生まれていたらしいからそこから来たのかもしれない。
いわば先祖返りだ。
そんな私だが名前をエルメロージュ・ウィナフと言った。
この国の大公の二人の子供のうち妹の方だ。
兄の方は今学園の寄宿舎で悠々自適な快適生活を送っている。
私だってお父様譲りの魔力があれば・・・むむむ。
さて、私だが、今とても怒っている。
こう長々と自己紹介して怒りを落ち着けようと思うくらいには怒っている。
私は今日自分の従者と遠乗りに出かける予定だった。
それでわざわざ乗馬服を着てフロントで待っていたのに、いつまで経ってもあいつが来ない。
かれこれ二時間、すれ違う使用人たちにジロジロ見られながらも待ち続けた。
あまりにも、来ない。
だんだん空が曇り始め、雨が降り出したことにより、遠乗りは断念された・・・。
そして探しに来てみれば!
「美味しい?ステフくん」
「はい!奥様が切り分けられたお菓子ほど甘やかな物はございません!」
いつもの仏頂面と飄々とした、主人を馬鹿にしたような態度はどこいったのよと言いたいくらいの満面の笑みで、お母様の対面であいつは菓子を頬張っていた。
「す、す」
あまりのことに拳が震えた。
握りしめた爪が手にくい込んでも、どこかの小説のように痛めますよと外してくれる心優しい人は私には居ない。
お母様には掃いて捨てるほどいるくせに!
「ステファーニエぇぇぇええええ!!!!!!」
「え?お嬢・・・やっべ」
目の丸くしたこいつは私の使うことのなかった乗馬服を見て、今更思い出したのか顔を青ざめさせた。
今何時だっけと言うようにさっと横目で時計を確認したあと、「二時間過ぎてる・・・」と呆然と呟いた。
「あらあらエルちゃん、どうしたの?」
お母様の優しい、伺うような声に、ステファーニエに怒鳴りつけたい気持ちはさっと沈み、どうせならもっとオロオロしてくれる嫌がらせに移行した。
「お母様ぁ~」
「まあまあエルちゃん・・・こっちにおいで」
私はお母様に縋り付いた。
もちろん泣き真似だ。
涙?きっと気のせいよ、うん。
「ステフが、ステフがぁ・・・約束を破ったのっ・・・」
「約束?」
キョトンとしたお母様。
「でもステフくんお茶しませんかって聞いたら暇ですって・・・」
力強い返事を・・・とぽそぽそつぶやくお母様に、私はステファーニエに向かってギっと鋭い視線を向けた。
途端びくつくステファーニエ。
溜飲は下がったが、そのあとぼそっと呟かれた「凶暴・・・」という言葉に、さらなる怒りが漲ってきた。
マジでこいつ、いつか絶対張り倒す。
顔立ちこそお母様そっくりと言われるけど、誰の子だと言われるほどに色合いは両親と似ても似つかなかった。
それでもお母様の不義の子だと言われないのは、ひとえに彼らがお母様ガチ勢だからにほかならない。
お母様が白と言ったらそれが黒でも白だと笑顔で言い切る者たちだ。
そんなこと考えたことすらないのだろう。
まあ私の両親は父は真っ白な髪に真紅の瞳、母は真っ黒な髪に群青の瞳という正反対で、どう混ぜても私の色にはならないだろうと言った色彩を纏っていた。
別に先祖を遡っても、この色の人間がいる訳でも無く、ただ唯一お母様のお母様の家系にポツポツとミルクティーブロンドの人間が生まれていたらしいからそこから来たのかもしれない。
いわば先祖返りだ。
そんな私だが名前をエルメロージュ・ウィナフと言った。
この国の大公の二人の子供のうち妹の方だ。
兄の方は今学園の寄宿舎で悠々自適な快適生活を送っている。
私だってお父様譲りの魔力があれば・・・むむむ。
さて、私だが、今とても怒っている。
こう長々と自己紹介して怒りを落ち着けようと思うくらいには怒っている。
私は今日自分の従者と遠乗りに出かける予定だった。
それでわざわざ乗馬服を着てフロントで待っていたのに、いつまで経ってもあいつが来ない。
かれこれ二時間、すれ違う使用人たちにジロジロ見られながらも待ち続けた。
あまりにも、来ない。
だんだん空が曇り始め、雨が降り出したことにより、遠乗りは断念された・・・。
そして探しに来てみれば!
「美味しい?ステフくん」
「はい!奥様が切り分けられたお菓子ほど甘やかな物はございません!」
いつもの仏頂面と飄々とした、主人を馬鹿にしたような態度はどこいったのよと言いたいくらいの満面の笑みで、お母様の対面であいつは菓子を頬張っていた。
「す、す」
あまりのことに拳が震えた。
握りしめた爪が手にくい込んでも、どこかの小説のように痛めますよと外してくれる心優しい人は私には居ない。
お母様には掃いて捨てるほどいるくせに!
「ステファーニエぇぇぇええええ!!!!!!」
「え?お嬢・・・やっべ」
目の丸くしたこいつは私の使うことのなかった乗馬服を見て、今更思い出したのか顔を青ざめさせた。
今何時だっけと言うようにさっと横目で時計を確認したあと、「二時間過ぎてる・・・」と呆然と呟いた。
「あらあらエルちゃん、どうしたの?」
お母様の優しい、伺うような声に、ステファーニエに怒鳴りつけたい気持ちはさっと沈み、どうせならもっとオロオロしてくれる嫌がらせに移行した。
「お母様ぁ~」
「まあまあエルちゃん・・・こっちにおいで」
私はお母様に縋り付いた。
もちろん泣き真似だ。
涙?きっと気のせいよ、うん。
「ステフが、ステフがぁ・・・約束を破ったのっ・・・」
「約束?」
キョトンとしたお母様。
「でもステフくんお茶しませんかって聞いたら暇ですって・・・」
力強い返事を・・・とぽそぽそつぶやくお母様に、私はステファーニエに向かってギっと鋭い視線を向けた。
途端びくつくステファーニエ。
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