チートリアル

異世界番長

文字の大きさ
上 下
46 / 46

四十五・鍛冶屋2

しおりを挟む
右手に持つ日本刀を
左腰付近に持つさやに入れ
時代劇で見たように
スッと居合い切りの真似事をし、
剣をさやに納める。

《子供のころじいさんちにあった
日本刀で遊んでよく怒られたな》

ぼうっとしていたラエルに
日本刀を返すと

『あんた、何者だ?』

一部始終を見ていたのか
ラエルの父親らしきドワーフが
急に聞いてくる。

『何者って言われても・・・』

『双剣の勇者ナナシかな?』

俺はこの街でみんなが呼んでいる
一番有名であろう、自分の呼び名を答える。

『お前が?』

じいさんがドスの利いた声で確認する。

『ええ、まあ』
『ただ、冒険者になったばかりですけど』

思わずびびって
聞かれてもいない事まで答える。

『なるほど・・・』
『ちょっと待っていろ』

じいさん、おっさん、ラエルによる
家族会議らしき物が目の前で始まり、

学校が・・・とか、鍛冶屋の・・・など
なにやら言い合っている。

しばらくして
話がまとまったのか
じいさんが代表して話かけてきた。

『またせたな。』

『あんたのさっきの技を見て
双刃の剣より、日本刀の方が
上手く扱えると見た。』

『できればわしが剣を打ってやる所だが、
日本刀に限って言えば
ラエルの方が剣を打つ腕は確かだ。』

『だが、ラエルが日本刀を今、
ここにある金属で打っても
またすぐ刃こぼれしてしまうだろう。』

『そこで、わしらはミスリル入手依頼を
冒険者ギルドであんたに指名依頼し、
あんたらが持ってきたミスリルで
ラエルがお前のための日本刀を打つ。』

『ここまでは問題ないか?』

一気に説明されたが
特に不利益な話では無いので
うなずいてさらに話をうながす。

『さて、ここからは
こちらのしめす条件なんだが
ミスリルを持ってくる依頼に
孫娘のラエルを連れていく事と
その護衛がこの依頼をする条件になる。』

『どう言う事だ?』

足手まといがいれば
依頼の難易度は上がるので
俺は説明を求めた。

『一人前の鍛冶屋になるための試練だ。』
『それに、ラエルも冒険者ランクは11で
ドワーフ特有の力と打たれ強さがある、
いきなり足手まといって事は無いはずだ。』

俺の心配を予想していたのか
ラエルの強さも説明される。

『依頼料は依頼中の剣の修復を入れて
金貨1枚でどうだ。』

《悪い話では無いが・・・》

俺は少し考えてから
『日本刀の値段は?』と
質問する。

『今は決められん
出来上がったもんを見ん事にはな』

それもそうかと納得し
『わかった』
『依頼を受けよう』

『だが、依頼中に使う武器が無いのだが?』

俺がそう言うと

『今まで使ってた剣を
打ち直しておくから
明日、ラエルにギルドへ
持って行かせる。』

『合流したら受け取るがいい』

双剣の直し代金を払い、
明日の合流時間をラエルに伝え
俺達は鍛冶屋を後にした。


しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

kenken5050
2017.08.29 kenken5050

31話で侯爵のルビがそうろうこうしゃくになっとらす

異世界番長
2017.09.02 異世界番長

それで合っています。
こうしゃくとも読みますが
公爵と読み方が一緒になってしまうため
そうろうこうしゃくと
ルビをふりました。
ご指摘ありがとうございます。

解除

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

7人のメイド物語

モモん
ファンタジー
理不尽な人生と不自由さ…… そんな物語を描いてみたいなと思います。 そこに、スーパーメイドが絡んで……ドタバタ喜劇になるかもしれません。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。