チートリアル

異世界番長

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二十四・儀式

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シトリーのダンジョンに入る際
アニキから赤い布を渡される。
 
《確か俺の奴隷であるリックが
同じような物を持っていたかな?》
そう思い出しながら、『これは?』と
アニキに質問すると、
アニキいわく、この布は
〔オーガの魔除け〕と
言うアイテムで、
この布にはオーガの血と毛髪が
縫い込まれてあり
弱いモンスターならまず近ずいてこず
よってくるのは飢えたシトリーウルフ
ぐらいだそうだ。
 
早速オーガの魔除けを腕に巻いた俺達は
何度かシトリーウルフに襲われるが
総勢20人のパーティーでは
過剰戦力だった。

半日ほどかけて目的の第10層にある、
シトリーの遺跡と呼ばれる場所に着くと、
周囲は暗くなっていた為、
この場でキャンプをして朝を迎える。

明るくなり改めて遺跡を見ると、
遺跡の大きさは体育館ぐらいで、
形はピラミッド型、
遺跡の前にはニメートルほどの
ひつぎが置かれており、
その棺のふたには十字の装飾が
ほどこされている。

まずはブタ男爵が御輿みこしから
下ろしてもらい、
ひつぎの前まで行ってから
儀式のような物が始まった。
 
『われの名はコルジニー=アスモデウス』
『偉大なるシトリーの神よ』
『願わくばわれに加護が有らんことを!』

ブタ男爵の儀式が終わり
今度は悪役令嬢のような
コルネリア様が同じように宣言する。

儀式が終わり貴族達を御輿みこしに乗せ
出発しようとした、その時。
地面が地震のように揺れ始めて
とても立って居られないほどである。
 
『きゃ!』

かわいくも短い悲鳴を上げて
コルネリア様が御輿みこしから落ちる、
俺は身体強化と重力操作を使い、
一瞬でコルネリア様の元に駆け寄ると
地面に落ちるより前にコルネリア様を
お姫様抱っこで受け止めた。

『失礼しました』
俺がコルネリア様にそう声をかけて
御輿みこしに戻す。
 
するとコルネリア様の顔は
みるみる赤くなり、消えるように
大義たいぎである。』と
つぶやいた。

『スタンピードだ!』

兵士の誰かが叫ぶ。
ものすごい数のモンスターが
こちらに近づいて来ている。
 
『コルネリア様を逃がすぞ!』 
アニキが大声を張り上げると
何かがコルネリア様に向かって飛んできたので、
俺が二刀流で飛んできた物を撃ち落とすと
それは血液のようになり
地面に染み込んだ。

『グギャー!』
ブタ男爵の悲鳴がこだまする。
『早く直せ!馬鹿共!』
 
どうやらブタ男爵の腕や脚に
何かが刺さったようだ。

『早く逃げるぞのろま共!』
 
治療されながらそう叫ぶブタ男爵
 
『逃がしませんよ・・・』

地の底から這い出るような声が聞こえると
ブタ男爵の前に顔の整った
30歳くらいの男が
ドクロが付いた杖を持って現れる。

『き、貴様!何者だ!』
ブタ男爵が動揺しながら聞く。

『わたくしは魔王ゲイボルク』
『この世の魔を統べる者』
『さあ!逃げろ!泣き叫べ!』
『そしてわたくしを楽しませよ!』

そう叫ぶと魔王は
考えられないほどの魔力を解放する。

その魔力のプレッシャーを受け
コルネリア様は気絶し、
ブタ男爵は小便を漏らしてしまう。

『時間を稼ぐぞ!』
ブタ男爵パーティーの
黄金の騎士、ゴードンが叫ぶと
キツネのような雰囲気を持つ副隊長が
『私が、コルジニー様を!』と叫び
『グググ』と、うなった。
 

 
 
 

 
 
 
 
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