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12.ヴァンのヒミツ
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今夜は管理人のお仕事はお休み。
ってことで、わたしはマオにリンゴの皮むきを教えてもらっている。
へへ、料理するの、ずっとあこがれてたんだよね。
でも、包丁ってこわい……。思い切って、実に刃を入れられないよ。
そのまま、スパーンッと自分の手を切っちゃいそう。
「ほら、こうやって……」
マオは後ろからわたしにおおいかぶさるようにして、手をとって指導してくれる。
やっぱり、距離感が近いなあ。
ちょっとドキドキ、ソワソワするよ!
でも! わたしの心にはヴァンがいるもんね!
このリンゴがむけたら、ヴァンに食べてもらうんだ。
なんか、こ、恋人みたいじゃない? なんてね!
「よし、じゃあ、ひとりでやってみろ」
と、マオがわたしからはなれようとした瞬間。
「む」
「痛っ」
ピン、と髪の毛がひっぱられる感覚。
「悪い、エート。服におまえの髪飾りがひっかかった」
ああ、なるほど。
「とるから、ちょっと待ってくれ」
うしろでマオがなにやらもぞもぞとしているのがわかる。
でも、なかなかとれないみたい。
そこに、ガチャリと台所のドアが開く音。
「……なにやってんだ?」
そこにいたのはヴァン。
まあ、見ようによっては、マオがわたしを抱きしめている状態だもんね。
台所でそんなことしたら、だれだってそう言うよ。
でも、なんだか……、ヴァンの機嫌、悪いような?
「ああ、ヴァンちょうどよかった。この髪飾りが服にひっかかってな」
「……ふーん」
……? どうしたんだろう、ヴァン。
マオの言葉に対するリアクションが、冷たい気がする。
いつもだったら、わたしがこんなヘマをしたら、「マヌケだな」とか言ってからかってくるのに。
ヴァンはつかつかとこちらに近づいてきた。
「マオ、手、どけろ。オマエがやると、ますますからまっちまいそうだ」
「わかった」
わたしのうしろでそんなやりとりをして、ヴァンは髪飾りをはずす作業にとりかかったようだ。
丁寧に、わたしの髪がひっぱられて痛くないように……っていう、ヴァンの気遣いが伝わってくる。
ふふふ、なんだかくすぐったい。
あっという間に、マオにひっついていたわたしは自由になった。
「助かった。ヴァン、礼を言う」
「ありがとー、ヴァン」
マオとふたりでお礼を言っても、ヴァンはどこかうわのそらというか……。
「おー」と返事をして、「悪かったな、ジャマして」と、すぐにドアに向かっていった。
え? ジャマって、どういうこと?
というか、リンゴ! せっかく、もうちょっとでむけるんだから、ヴァンにそばにいてもらわなきゃ!
「待ってよ、ヴァン」
「あ?」
低い声。うーん、今日は虫の居所が悪いのかな。
「わたしね、マオにリンゴのむき方習ってたの! もう少しでできるから、一緒に食べよう!」
「……リンゴ?」
ヴァンのけわしかった顔が、不思議そうな顔にかわる。
「うん! あのね、わたし、初めて包丁つかったんだよ! マオが教えてくれたの」
ヴァンに食べてもらうためにね! って言葉はさすがに恥ずかしくて言えない。
「リンゴ……、そっか。なんだ、それでか」
ヴァンはなんだかほっとしたように言うと、ニヤッと笑った。
「その手に持ってるやつか。ほとんどはマオにやってもらったんだろ?」
あれ? 機嫌、直った?
うーん、よくわかんないけどよかった。やっぱり、気分がいい時に食べるとおいしいもんね。
「まあ、そうなんだけどさ。これからひとりでむいてみせるから。待ってて」
「へーへー」
適当な返事をして、ヴァンは台所の壁にもたれかかった。
よし、やるぞ!
しゃりっと、わたしが包丁の刃をりんごに入れた時だった。
「そうだ。悪かったな、ヴァン。おまえのものに勝手にベタベタ触って」
「っ⁉」
マオの発言に驚き、手がすべる。そのまま、包丁は予想外の方向に動いて……。
「あっ!」
ちょっぴりだけど、手を切ってしまった。
赤い血が、つうっと流れる。
すると、ヴァンがものすごい勢いで壁からはなれ、わたしの手をとった。
切れた左手の親指。
そこめがけて……。
ぱくっ。
……へ?
親指に感じる、あたたかな感触。
ちゅ、と軽く吸われている。
そう、ヴァンが、わたしの、ゆ、指を……。
くわえてる~!
ななな、何⁉
ばっくんばっくんと心臓が鳴る中、わたしはヴァンから目が離せない。
ヴァンは、わたしの指をくわえたまま、上目遣いでわたしの顔を見た。
その顔は、なんていうか、とっても幸せそうで……。
ほほが赤くなって、瞳もとろけている。
だから、あの、い、色っぽいって言葉がぴったりで……。
こ、こんな表情、他の人に見せられないっ!
石のように固まるわたしだったけど、あることに気づいた。
ヴァンの青い瞳が、金色になっていく。短い髪からのぞく耳も、だんだんと長く、先がとがっていって……。
これって、魔王と、同じ特徴じゃ……。
……ううん、そんなこと、気にならない。
このまま、ずっとこうしていたい。
そうだ、この身の血をすべて、この方にささげたい……。
「ヴァン! エート!」
マオのするどい声で、はっとわれにかえる。
わたし、どうしちゃってたの?
ヴァンも、目に光がもどり、くわえていたわたしの指をぱっとはなした。
「あ、おれ……」
ヴァンは震える手で自分の耳をさわる。耳が長くなったこと、先がとがっていることを確かめるように。
「……っ!」
そのまま、ヴァンは台所から飛び出して行ってしまった。
ってことで、わたしはマオにリンゴの皮むきを教えてもらっている。
へへ、料理するの、ずっとあこがれてたんだよね。
でも、包丁ってこわい……。思い切って、実に刃を入れられないよ。
そのまま、スパーンッと自分の手を切っちゃいそう。
「ほら、こうやって……」
マオは後ろからわたしにおおいかぶさるようにして、手をとって指導してくれる。
やっぱり、距離感が近いなあ。
ちょっとドキドキ、ソワソワするよ!
でも! わたしの心にはヴァンがいるもんね!
このリンゴがむけたら、ヴァンに食べてもらうんだ。
なんか、こ、恋人みたいじゃない? なんてね!
「よし、じゃあ、ひとりでやってみろ」
と、マオがわたしからはなれようとした瞬間。
「む」
「痛っ」
ピン、と髪の毛がひっぱられる感覚。
「悪い、エート。服におまえの髪飾りがひっかかった」
ああ、なるほど。
「とるから、ちょっと待ってくれ」
うしろでマオがなにやらもぞもぞとしているのがわかる。
でも、なかなかとれないみたい。
そこに、ガチャリと台所のドアが開く音。
「……なにやってんだ?」
そこにいたのはヴァン。
まあ、見ようによっては、マオがわたしを抱きしめている状態だもんね。
台所でそんなことしたら、だれだってそう言うよ。
でも、なんだか……、ヴァンの機嫌、悪いような?
「ああ、ヴァンちょうどよかった。この髪飾りが服にひっかかってな」
「……ふーん」
……? どうしたんだろう、ヴァン。
マオの言葉に対するリアクションが、冷たい気がする。
いつもだったら、わたしがこんなヘマをしたら、「マヌケだな」とか言ってからかってくるのに。
ヴァンはつかつかとこちらに近づいてきた。
「マオ、手、どけろ。オマエがやると、ますますからまっちまいそうだ」
「わかった」
わたしのうしろでそんなやりとりをして、ヴァンは髪飾りをはずす作業にとりかかったようだ。
丁寧に、わたしの髪がひっぱられて痛くないように……っていう、ヴァンの気遣いが伝わってくる。
ふふふ、なんだかくすぐったい。
あっという間に、マオにひっついていたわたしは自由になった。
「助かった。ヴァン、礼を言う」
「ありがとー、ヴァン」
マオとふたりでお礼を言っても、ヴァンはどこかうわのそらというか……。
「おー」と返事をして、「悪かったな、ジャマして」と、すぐにドアに向かっていった。
え? ジャマって、どういうこと?
というか、リンゴ! せっかく、もうちょっとでむけるんだから、ヴァンにそばにいてもらわなきゃ!
「待ってよ、ヴァン」
「あ?」
低い声。うーん、今日は虫の居所が悪いのかな。
「わたしね、マオにリンゴのむき方習ってたの! もう少しでできるから、一緒に食べよう!」
「……リンゴ?」
ヴァンのけわしかった顔が、不思議そうな顔にかわる。
「うん! あのね、わたし、初めて包丁つかったんだよ! マオが教えてくれたの」
ヴァンに食べてもらうためにね! って言葉はさすがに恥ずかしくて言えない。
「リンゴ……、そっか。なんだ、それでか」
ヴァンはなんだかほっとしたように言うと、ニヤッと笑った。
「その手に持ってるやつか。ほとんどはマオにやってもらったんだろ?」
あれ? 機嫌、直った?
うーん、よくわかんないけどよかった。やっぱり、気分がいい時に食べるとおいしいもんね。
「まあ、そうなんだけどさ。これからひとりでむいてみせるから。待ってて」
「へーへー」
適当な返事をして、ヴァンは台所の壁にもたれかかった。
よし、やるぞ!
しゃりっと、わたしが包丁の刃をりんごに入れた時だった。
「そうだ。悪かったな、ヴァン。おまえのものに勝手にベタベタ触って」
「っ⁉」
マオの発言に驚き、手がすべる。そのまま、包丁は予想外の方向に動いて……。
「あっ!」
ちょっぴりだけど、手を切ってしまった。
赤い血が、つうっと流れる。
すると、ヴァンがものすごい勢いで壁からはなれ、わたしの手をとった。
切れた左手の親指。
そこめがけて……。
ぱくっ。
……へ?
親指に感じる、あたたかな感触。
ちゅ、と軽く吸われている。
そう、ヴァンが、わたしの、ゆ、指を……。
くわえてる~!
ななな、何⁉
ばっくんばっくんと心臓が鳴る中、わたしはヴァンから目が離せない。
ヴァンは、わたしの指をくわえたまま、上目遣いでわたしの顔を見た。
その顔は、なんていうか、とっても幸せそうで……。
ほほが赤くなって、瞳もとろけている。
だから、あの、い、色っぽいって言葉がぴったりで……。
こ、こんな表情、他の人に見せられないっ!
石のように固まるわたしだったけど、あることに気づいた。
ヴァンの青い瞳が、金色になっていく。短い髪からのぞく耳も、だんだんと長く、先がとがっていって……。
これって、魔王と、同じ特徴じゃ……。
……ううん、そんなこと、気にならない。
このまま、ずっとこうしていたい。
そうだ、この身の血をすべて、この方にささげたい……。
「ヴァン! エート!」
マオのするどい声で、はっとわれにかえる。
わたし、どうしちゃってたの?
ヴァンも、目に光がもどり、くわえていたわたしの指をぱっとはなした。
「あ、おれ……」
ヴァンは震える手で自分の耳をさわる。耳が長くなったこと、先がとがっていることを確かめるように。
「……っ!」
そのまま、ヴァンは台所から飛び出して行ってしまった。
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