【完結】お試しダンジョンの管理人~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

みなづきよつば

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14.管理人、やめます

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「分かった、マオ。わたし、戦う」
 わたしの声は震えていた。でも、出した答えに後悔はない。
 わたしは、マオを心から信頼している。
 ううん、マオだけじゃない。
 このダンジョン・マンションの管理人たち、みんなを信頼して、尊敬している。
 みんなが、わたしのもうひとつの家族なんだ。 
 わたしがそう結論を出すと、マオはあの優しいほほえみを浮かべた。
「そうか。では、力になろう。それにあたって、おまえの正体をみんなに言うことになるが、いいな?」
「うん。それでいいよ。ありがとう、マオ」
 みんな、驚くだろうな……。でも、きっと、嫌な結果にはならないはず。
「そうだ、エート。目を閉じろ」
「え?」
「これから戦うおまえがうまくいくように、まじないをかけてやる」
 言われるままに、目を閉じる。
 すると、ふいにわたしの右手に、手をにぎられる感触。
 ああ、マオが、両手で、わたしの手を包んでくれてるんだ。
 大きな手。あったかくて、不思議と力がじんわりとわいてくる。
 大丈夫。マオが……、みんなが力になってくれるなら、絶対になんとかなるよ。
 目を閉じた暗闇にあるのは、不安じゃない。
 マオや、管理人のみんながついてくれているという安心感だ。
「さ、目をあけていいぞ」
「ふふ、ありがとう、マオ。元気出たよ」
 うん、本当に、元気が出てきた。
 おまじないの力、抜群だね!
「そうだ、エート。おまえに、ひとつ言っておこう」
 めずらしく、マオがいたずらっぽい笑みを浮かべている。
「このダンジョン・マンションの管理人をやめるには、条件があってな……」
 条件?
 マオはひっそりと、わたしに耳打ちした。
 その条件に、わたしは思わず笑ってしまったのだった。
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