【完結】お試しダンジョンの管理人~イケメンたちとお仕事がんばってます!~

みなづきよつば

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9.キヨコを救え!

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「よし、キヨコ。サラマンダーとあのガキを串刺しにしろ!」
「分かりました、コズール様……」
 やっぱり、キヨコは逆らえないみたい。
 再び飛んでくる、たくさんの水の矢。
「ひっ!」
「ぬ! エート、危ない!」
 標的になっていたわたしの目の前に、ムドーが立ちはだかった。
 また、じゅうじゅうと水が蒸発する音が聞こえる。
「いちちち、少々やられたわい」
「ご、ごめんね。ムドー。かばってくれて、ありがとう」
「なんの。無事でよかった。しかし、どうするかのぅ……」
 そう言っている間にも、水の矢が降り注ぐ。
 もくもくと、煙幕のように水蒸気が発生して、辺りは真っ白だ。
 ……これ、使えないかな。
「エルノック、ちょっと相談なんだけど……」
 岩影にヴァンを隠していたエルノックが戻ってきたから、とあることができないか聞いてみる。
 ムドーとエルノックにしか聞こえない、小さな声で……。
「できるぞい。その作戦で行くのか」
「うん、お願い。ムドーも、できる?」
「当然じゃ。わしをだれだと思っておる」
 よし、準備は整った。
 さあ、あとは実行に移すだけ!
「ムドー、もう一度。精一杯の炎を吐いて!」
 わたしの号令に合わせて、ムドーはまた火炎を吐き出した。
 今度もキヨコの水の膜によってはばまれて、相手に届かないけれど……。
 水蒸気で、霧につつまれたように辺りは真っ白。
「んん? ガキ、どこに行きやがった?」
 そこで、一気にダッシュ!
「そこかぁっ!」
 コズールのモーニングスターの鉄球が飛び、人影を砕いた。
 わたしは、何もできることなく、バラバラにされたのだ……。
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