34 / 90
8. メロウの帽子
4
しおりを挟む
「あらあら、管理人さんたち、どうしたの?」
ふわりと空を飛んできたのは、ハーピーというモンスター。上半身が人間だけど、手は翼になっている。で、下半身は鳥なんだ。
「きゃー、ハーピーだ!」
「いやーん、羽むしられちゃう!」
そう言って、わたしたちの近くにいたシルフたちはぱっと散って行ってしまった。
羽、むしられるのか……。
「えっと、ハーピーさん。人間の男につれられている、メロウを見なかった?」
「見たわよ」
あー、やっぱり成果なしかー。そう簡単にはいかない……。
って、なんですと⁉
「見たの⁉ いつ、どこで?」
「さあ? どうだったかしら……。タダじゃしゃべりたくないな~」
え、何? お金がいるってこと?
わたし、まだお給料もらってないから、すっからかんなんだけど……。
「ねえ、あなたのその頭についてる髪飾り、すっごくかわいい。わたしにくれない?」
「えっ!」
このシルフの羽の髪飾りを?
「くれたら、情報をあげるわ。わたし、そういうキラキラしたもの大好きなの」
そんな……。
これは、わたしが管理人になったお祝いに、ヴァンからもらったものなのに……。
「残念だけど、これはあげられなくて……」
「え~、それじゃなきゃ、嫌。教えてあげなーい」
うう、どうしよう……。
キヨコの人生(モンスター生?)がかかってるんだよね。
キヨコが召使いとして、慣れない地上で生活するかと思うと、胸がズキリと痛む。
モンスターを売買している闇市の話も、聞いたことがある。
なんでも、マーメイドの肉は、若さを保つ薬になるのだとか……。
キヨコが食べられちゃうなんて、絶対に嫌!
だから、情報をもらった方がいいに決まっているんだけど。
「エート、そんくらい、おれがいつでも作ってやるから。わたしてもいいぞ」
ヴァンに言われて、胸がぎゅっとなった。
どうして? という思いと、嫌だ、という思いで胸がいっぱいになる。
ふわりと空を飛んできたのは、ハーピーというモンスター。上半身が人間だけど、手は翼になっている。で、下半身は鳥なんだ。
「きゃー、ハーピーだ!」
「いやーん、羽むしられちゃう!」
そう言って、わたしたちの近くにいたシルフたちはぱっと散って行ってしまった。
羽、むしられるのか……。
「えっと、ハーピーさん。人間の男につれられている、メロウを見なかった?」
「見たわよ」
あー、やっぱり成果なしかー。そう簡単にはいかない……。
って、なんですと⁉
「見たの⁉ いつ、どこで?」
「さあ? どうだったかしら……。タダじゃしゃべりたくないな~」
え、何? お金がいるってこと?
わたし、まだお給料もらってないから、すっからかんなんだけど……。
「ねえ、あなたのその頭についてる髪飾り、すっごくかわいい。わたしにくれない?」
「えっ!」
このシルフの羽の髪飾りを?
「くれたら、情報をあげるわ。わたし、そういうキラキラしたもの大好きなの」
そんな……。
これは、わたしが管理人になったお祝いに、ヴァンからもらったものなのに……。
「残念だけど、これはあげられなくて……」
「え~、それじゃなきゃ、嫌。教えてあげなーい」
うう、どうしよう……。
キヨコの人生(モンスター生?)がかかってるんだよね。
キヨコが召使いとして、慣れない地上で生活するかと思うと、胸がズキリと痛む。
モンスターを売買している闇市の話も、聞いたことがある。
なんでも、マーメイドの肉は、若さを保つ薬になるのだとか……。
キヨコが食べられちゃうなんて、絶対に嫌!
だから、情報をもらった方がいいに決まっているんだけど。
「エート、そんくらい、おれがいつでも作ってやるから。わたしてもいいぞ」
ヴァンに言われて、胸がぎゅっとなった。
どうして? という思いと、嫌だ、という思いで胸がいっぱいになる。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
イケメン男子とドキドキ同居!? ~ぽっちゃりさんの学園リデビュー計画~
友野紅子
児童書・童話
ぽっちゃりヒロインがイケメン男子と同居しながらダイエットして綺麗になって、学園リデビューと恋、さらには将来の夢までゲットする成長の物語。
全編通し、基本的にドタバタのラブコメディ。時々、シリアス。
ミズルチと〈竜骨の化石〉
珠邑ミト
児童書・童話
カイトは家族とバラバラに暮らしている〈音読みの一族〉という〈族《うから》〉の少年。彼の一族は、数多ある〈族〉から魂の〈音〉を「読み」、なんの〈族〉か「読みわける」。彼は飛びぬけて「読め」る少年だ。十歳のある日、その力でイトミミズの姿をしている〈族〉を見つけ保護する。ばあちゃんによると、その子は〈出世ミミズ族〉という〈族《うから》〉で、四年かけてミミズから蛇、竜、人と進化し〈竜の一族〉になるという。カイトはこの子にミズルチと名づけ育てることになり……。
一方、世間では怨墨《えんぼく》と呼ばれる、人の負の感情から生まれる墨の化物が活発化していた。これは人に憑りつき操る。これを浄化する墨狩《すみが》りという存在がある。
ミズルチを保護してから三年半後、ミズルチは竜になり、カイトとミズルチは怨墨に知人が憑りつかれたところに遭遇する。これを墨狩りだったばあちゃんと、担任の湯葉《ゆば》先生が狩るのを見て怨墨を知ることに。
カイトとミズルチのルーツをたどる冒険がはじまる。
左左左右右左左 ~いらないモノ、売ります~
菱沼あゆ
児童書・童話
菜乃たちの通う中学校にはあるウワサがあった。
『しとしとと雨が降る十三日の金曜日。
旧校舎の地下にヒミツの購買部があらわれる』
大富豪で負けた菜乃は、ひとりで旧校舎の地下に下りるはめになるが――。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!
月芝
児童書・童話
国の端っこのきわきわにある辺境の里にて。
不自由なりにも快適にすみっこ暮らしをしていたチヨコ。
いずれは都会に出て……なんてことはまるで考えておらず、
実家の畑と趣味の園芸の二刀流で、第一次産業の星を目指す所存。
父母妹、クセの強い里の仲間たち、その他いろいろ。
ちょっぴり変わった環境に囲まれて、すくすく育ち迎えた十一歳。
森で行き倒れの老人を助けたら、なぜだか剣の母に任命されちゃった!!
って、剣の母って何?
世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。
それを産み出す母体に選ばれてしまった少女。
役に立ちそうで微妙なチカラを授かるも、使命を果たさないと恐ろしい呪いが……。
うかうかしていたら、あっという間に灰色の青春が過ぎて、
孤高の人生の果てに、寂しい老後が待っている。
なんてこったい!
チヨコの明日はどっちだ!
『空気は読めないボクだけど』空気が読めず失敗続きのボクは、小六の夏休みに漫画の神様から『人の感情が漫画のように見える』能力をさずけられて……
弓屋 晶都
児童書・童話
「空気は読めないけど、ボク、漫画読むのは早い方だよ」
そんな、ちょっとのんびりやで癒し系の小学六年の少年、佐々田京也(ささだきょうや)が、音楽発表会や学習発表会で大忙しの二学期を、漫画の神様にもらった特別な力で乗り切るドタバタ爽快学園物語です。
コメディー色と恋愛色の強めなお話で、初めての彼女に振り回される親友を応援したり、主人公自身が初めての体験や感情をたくさん見つけてゆきます。
---------- あらすじ ----------
空気が読めず失敗ばかりだった主人公の京也は、小六の夏休みに漫画の神様から『人の感情が漫画のように見える』能力をさずけられる。
この能力があれば、『喋らない少女』の清音さんとも、無口な少年の内藤くんとも話しができるかも……?
(2023ポプラキミノベル小説大賞最終候補作)
【完結】カミサマの言う通り
みなづきよつば
児童書・童話
どこかで見かけた助言。
『初心者がRPGをつくる時は、
最初から壮大な物語をつくろうとせず、
まず薬草を取って戻ってくるという物語からはじめなさい』
なるほど……
ということで、『薬草を取って戻ってくる』小説です!
もちろん、それだけじゃないですよ!!
※※※
完結しました!
よかったら、
あとがきは近況ボードをご覧ください。
***
第2回きずな児童書大賞へのエントリー作品です。
投票よろしくお願いします!
***
<あらすじ>
十三歳の少年と少女、サカキとカエデ。
ある日ふたりは、村で流行っている熱病の薬となる木の葉をとりにいくように、
カミサマから命を受けた。
道中、自称妖精のルーナと出会い、旅を進めていく。
はたして、ふたりは薬草を手に入れられるのか……?
***
ご意見・ご感想お待ちしてます!
キミに贈る星空ブレスレット
望月くらげ
児童書・童話
美琴はアクセサリーデザイナーを目指す中学一年生。
おじさんがやっているアクセサリーショップ「レインボー」で放課後の時間を過ごしている。
学校での生活が上手くいっていない美琴にとって「レインボー」で過ごす時間は唯一自分らしくいられる時間だった。
けれど、そんな「レインボー」に年上のバイトの男の子、瞬が入ってくる。
態度も口も悪い瞬の登場で、美琴は自分の大切な空間が壊されたように感じる。
そんな中、美琴はひょんなことから瞬が年をごまかしてバイトをしていることを知ってしまう。
高校一年生だと言っていた瞬は中学三年生だった。
嘘をついていることを黙っていろと言う瞬の気迫に押され了承してしまう美琴。
瞬のついた嘘が気になりながらも二人は少しずつ距離を縮めていき――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる