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6.タイムカプセル探し
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「コッソリ、ドッキリ⁉
タイムカプセル探し~」
ノワールが小声で、マナトの影の中で言う。
そう、おれとマナトは、校庭の目立たない、はじっこにいた。
タイムカプセル探しは、明日おこなわれる。
でも、その前におれたちで見つけちゃおうってワケなのだ。
だって、見つからなかったら、母さんが悲しむ……。
じゃ、なくて。
地中にでっかいカプセルを埋めたままなんて、環境に悪いからな!
ということで、マナトに今朝のことを話したら、
おもしろそうってことで一緒に探してくれることになった。
その時、「なんだよ~、両親思いなヤツ」ってからかわれたから、
念動力で頭を軽くこづいてやった。
もちろん、なるべくは、自力で探させるんだよ!
おれが手を出すのは、ど~~~しようもなくなってから!
「んじゃ、まずはリキからな。
オマエなら、どうやってタイムカプセルをみつける?」
探しものが得意なマナトが、にやにやしながら問いかける。
む~、こいつめ。
「とりあえず、念写してみるわ。三分間待ってくれ」
「なんか、カップラーメンみたいだな」
「うるせー」
おれは画面をオフにしたスマホを手にして、目を閉じる。
……三分後。
「お、浮かんできた」
マナトの声に、目を開ける。
スマホの画面には、手紙の束や、文集らしきものが写っていた。
しかし……。
「肝心の、場所がわかんねーな」
そうなんだよな……。
おれの念写って、探してるものをただ写すだけだから。
「これ、地面の中だろ?
まったくヒントがないな。
もっと引いて、遠くのアングルから撮れねーの?」
「えー……。やってみるけどさ」
今までの経験上、そんなにうまくはいかないんだよなぁ。
いっそのこと、地図が浮かんできて、
目的のもののある場所に×印がしてあったらいいんだけど。
さて、もう一回。集中。
今度は、どうだ!
「お、さっきと違う画像だ」
「マジで?」
目を開けると、スマホに写っていたのは、大きな木と地面だった。
この木は、桜か……?
この木の下に、埋まってるってのはわかるけど……。
ウチの学校、校庭の半分は桜の木で囲まれてるからな。
この木の特徴は、幹に大きなうろ(穴)があること。
うん、結構特徴的だな。
桜の木を一本ずつ確かめていけば、見つかりそうだ。
「おれは、こんな感じ。
さて、じゃあ、マナト先生、お願いします」
ちょっとくやしいが、おどけて言う。
「おう、まかせとけ」
マナトは杖を取り出し、呪文をとなえだした。
「地と知をつかさどるノームよ、
われ忘却の波にさらわれしものなり。
わが前にあらわれ、望むものを教えたまえ。
キック・ノック・ハイディ」
何も起きない……?
と、思ったら、地面がもこっと盛り上がった。
ひょっこりそこから顔を出したのは……、こびと!
ひげもじゃのおじいさんで、茶色い帽子と洋服を着ている。
「わわ、ナニコレ!」
「ふふ。召喚魔法だ。
この辺の地面をつかさどる精霊、ノームを呼び出した」
召喚魔法! あの、ゲームとかでよくあるやつ!
これぞ「魔法」じゃん!
マナトがかがんで手を出すと、
ちょこちょことノームは動き、その手にのった。
マナトにむかい、こしょこしょと何事か言うと、
ふわっと風にとけて消える。
「わかったぞ。
あの遠くに見える、枝が折れてる桜の木から、
右に五番目の桜の木の下だそうだ」
あいかわらず、すっげーな。
「よし、行ってみるか」
おれたちはまず、枝の折れている桜の木に向かった。
ええと、この桜の木から、右に五番目……。
あ、この木か!
「おれの念写と同じ木だな。でっかいうろがあいてるし」
「ああ、間違いない」
ふたりの情報がぴったりあってるんだから、
絶対この木の下だとうなずきあう。
タイムカプセル探し、成功!
おれたちなら、ほんの十分ほどで終わってしまったこの作業。
はたして、父さんと母さんは、どれくらいで見つけるんだ?
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