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こじあけた時は、やはり前回と違ってちゃんと慣らさないときついな、と思ったけれど、奥の方はそうでもないかもしれない。
ヒート中でなくてもこれが普通なのか、それとも少し危ない傾向にあるのかわからない、少し濡れてきた気がする。
……流石にこういうものなのかとは琉であっても相談するのは躊躇ってしまう、今度調べてみよう。
指を挿入するくらいなら特に支障はない、ただそれ以上のものとなると、ナカが意外と柔らかいとはいえまだ駄目だろうな、というのはわかる。
長いヒート中、ひとりでずっと慰めるには難しいものがある。玩具を使うオメガも多いと聞いたことはあるけど……凜はそういうの、知らなさそうだし買うこともなさそうだ。
指で慰める位だったのだろう、そう考えるとこの狭さにも納得がいく。
凜が痛そうな素振りをしないのは助かるけれど、こうやってヒート中のことまで考えてしまう。
次回のヒート中、凜に許されたら俺は凜をちゃんと抱けるだろうか。余計なことを考えてしまわないだろうか。
「んん……」
凜の腰が揺れる。
どうやら気持ちの良いところに当たったらしい。
そのしこりの辺りを狙うと、びくびくと躰が震えるものだから面白い……ではなく、つい凜を観察してしまう。
ぬいぐるみから口許が離れた凜は、また嬌声を上げる、それが堪らないのだけれど、凜自身にはそんなつもりもなく、ただ受け止めることに必死なだけなんだろう。
「ん、あ、ッ、あう、う……」
「大丈夫?痛くない?気持ちい?」
「あ、っん、んん……ゆびっ」
「指?」
「ぼくのより、っ、ながい、からっ……」
長いから?気持ちいい?
その答えはまたぬいぐるみに消える。ああもう、唾液でべたべただ、ぬいぐるみだっていうのに少し妬いてしまうじゃないか、キスのタイミングもなにもあったものじゃない。
「そうだよ、凜の手より大きくて指が長いから」
「んん……!」
「自分じゃ届かないとこまで届くでしょ?」
「んァ……う、っう」
ぎゅうとぬいぐるみを掴む指に力が入る。こいつ。剥いでベッド下に投げてやろうか。
ついさっきこれくらい許さなきゃと思い直したのに、やっぱり邪魔だと感じる。
これが俺が買ったものだったからまだ許せた、他のひとから与えられたものだったら捨ててたかもしれない。
「奥と手前どっちがいい?」
「んっう……」
「凜の気持ちいいとこどっち?」
「はっ、あ、う、ど、どっち、もっ……自分がする、より、ずっと……っ」
素直な言葉につい笑ってしまう。
考える余裕がないからか、どうしても性格的に遠慮がちではあるものの、素なんだろうなと思うこともよく口から零す。つい、ということなんだろうけどそれがまた愛しい。
「っあ、ひう、は……ッあ、あ、やあ……!」
立てられたままの内腿に力が入って、ぎゅっと躰を挟まれる。もうそろそろかなと思う間もなく、あっさりと達してしまった。
ヒート中じゃなくても感じやすい躰。でもヒート中と違い、そんなに何回も達するのは苦痛だろう。
ヒートじゃない時に、なんて拘らずに、初めてはヒート中にしてしまった方が楽だったのではないだろうか、凜には辛い思いをさせてないだろうか。
ふうふうと息を整える凜の頬に触れると、とろんとした瞳でその手に擦り寄ってくる。大丈夫かと訊くと、その表情のままこくんと頷いた。
「ん、ぅ、れーじさん……」
「ん?」
「ぼく……ぼくもなにか、した方が」
「……いいよ、今日は」
ここにはいらせてくれるだけで。そう思う。
薄いお腹に触れながら、どこまで入るかな、と考えてぞくぞくする。まだ少し狭い気がする、けど奥まで入りそうだとも感じた。
指を引き抜くと、あ、とさみしそうな声。それに笑ってみせる。
「……大丈夫そう?」
「だ、だいじょぶです、」
「凜は何でもそう言うからなあ」
「れーじさん、がっ……ゆ、ゆび、してくれた、からっ、は、はいる……」
「そか」
こどものような言い回しが必死でかわいい。ここで止められたら困るのだろう、俺だって困るけど。
何度目かの、辛かったり痛かったら言って、を繰り返し、ゴムを装着した自分のものを宛てがう。
凜の息を呑む音が聞こえて、思わず自分もごくんと喉を鳴らした。
童貞みたいだな、と自分でも思う。我慢してるつもりで、全然出来てない、気持ちが逸ってしまう。
「ん、う、う……ッ」
「はっ……せま」
つい口に出してしまった。
それから、この行為も久し振りだな、と気付く。凜が来てから数ヶ月、そんなことする暇もなかったから。
「あっ、ん、ぅ……はッ、あ」
「……痛くない?」
いるかの下で、小さな頭が揺れる。大丈夫らしい。
ぐ、と少しずつ腰を進めていく。
押し出されるのは苦しそうな声というより、甘い嬌声で、それは良かったと思う。
苦しい、痛い、気持ち悪い、そんなことよりも気持ちいいとか安心するとか、そういうものが多い方がいい。
「はあ、あ、ッ、ぜん、ぶ?」
「全部挿入ったかってこと?うん、そうだよ」
「よ、よかった、あ……」
俺なんかよりよっぽどしんどい筈の凜がふにゃあと笑うものだから、俺だって嬉しくなってしまう。
本当は全部、って訳ではなかったけど、今日のところはこれで。
暫く慣らすよう待って、そこから凜の許可を得て腰をゆっくり動かす。心の持ちようなんだろうか、正直、今までで一番気持ちが良い。
ほんの少し動くだけで俺も達してしまいそう。
……ちょっとしたプライドで、どうしても先に達するのは嫌だった。こんなところまで格好付けたお兄さんでいたいと思ってしまうのだ。
「っん……!」
「……凜、奥すきでしょ、びくびくしてる」
「はう、わ、わかん、な……っあ、れも、ぅ、きもち……ッ」
「ん、……イっていいよ」
「あっ、だめ、っ、あ、あ、ん、ッあ、う……っ!」
突く度に声が漏れて、数分持ったかもわからない、凜の奥がきゅうっとなって、それに搾り取られるように……自分の腰も揺れてしまった。
ヒート中でなくてもこれが普通なのか、それとも少し危ない傾向にあるのかわからない、少し濡れてきた気がする。
……流石にこういうものなのかとは琉であっても相談するのは躊躇ってしまう、今度調べてみよう。
指を挿入するくらいなら特に支障はない、ただそれ以上のものとなると、ナカが意外と柔らかいとはいえまだ駄目だろうな、というのはわかる。
長いヒート中、ひとりでずっと慰めるには難しいものがある。玩具を使うオメガも多いと聞いたことはあるけど……凜はそういうの、知らなさそうだし買うこともなさそうだ。
指で慰める位だったのだろう、そう考えるとこの狭さにも納得がいく。
凜が痛そうな素振りをしないのは助かるけれど、こうやってヒート中のことまで考えてしまう。
次回のヒート中、凜に許されたら俺は凜をちゃんと抱けるだろうか。余計なことを考えてしまわないだろうか。
「んん……」
凜の腰が揺れる。
どうやら気持ちの良いところに当たったらしい。
そのしこりの辺りを狙うと、びくびくと躰が震えるものだから面白い……ではなく、つい凜を観察してしまう。
ぬいぐるみから口許が離れた凜は、また嬌声を上げる、それが堪らないのだけれど、凜自身にはそんなつもりもなく、ただ受け止めることに必死なだけなんだろう。
「ん、あ、ッ、あう、う……」
「大丈夫?痛くない?気持ちい?」
「あ、っん、んん……ゆびっ」
「指?」
「ぼくのより、っ、ながい、からっ……」
長いから?気持ちいい?
その答えはまたぬいぐるみに消える。ああもう、唾液でべたべただ、ぬいぐるみだっていうのに少し妬いてしまうじゃないか、キスのタイミングもなにもあったものじゃない。
「そうだよ、凜の手より大きくて指が長いから」
「んん……!」
「自分じゃ届かないとこまで届くでしょ?」
「んァ……う、っう」
ぎゅうとぬいぐるみを掴む指に力が入る。こいつ。剥いでベッド下に投げてやろうか。
ついさっきこれくらい許さなきゃと思い直したのに、やっぱり邪魔だと感じる。
これが俺が買ったものだったからまだ許せた、他のひとから与えられたものだったら捨ててたかもしれない。
「奥と手前どっちがいい?」
「んっう……」
「凜の気持ちいいとこどっち?」
「はっ、あ、う、ど、どっち、もっ……自分がする、より、ずっと……っ」
素直な言葉につい笑ってしまう。
考える余裕がないからか、どうしても性格的に遠慮がちではあるものの、素なんだろうなと思うこともよく口から零す。つい、ということなんだろうけどそれがまた愛しい。
「っあ、ひう、は……ッあ、あ、やあ……!」
立てられたままの内腿に力が入って、ぎゅっと躰を挟まれる。もうそろそろかなと思う間もなく、あっさりと達してしまった。
ヒート中じゃなくても感じやすい躰。でもヒート中と違い、そんなに何回も達するのは苦痛だろう。
ヒートじゃない時に、なんて拘らずに、初めてはヒート中にしてしまった方が楽だったのではないだろうか、凜には辛い思いをさせてないだろうか。
ふうふうと息を整える凜の頬に触れると、とろんとした瞳でその手に擦り寄ってくる。大丈夫かと訊くと、その表情のままこくんと頷いた。
「ん、ぅ、れーじさん……」
「ん?」
「ぼく……ぼくもなにか、した方が」
「……いいよ、今日は」
ここにはいらせてくれるだけで。そう思う。
薄いお腹に触れながら、どこまで入るかな、と考えてぞくぞくする。まだ少し狭い気がする、けど奥まで入りそうだとも感じた。
指を引き抜くと、あ、とさみしそうな声。それに笑ってみせる。
「……大丈夫そう?」
「だ、だいじょぶです、」
「凜は何でもそう言うからなあ」
「れーじさん、がっ……ゆ、ゆび、してくれた、からっ、は、はいる……」
「そか」
こどものような言い回しが必死でかわいい。ここで止められたら困るのだろう、俺だって困るけど。
何度目かの、辛かったり痛かったら言って、を繰り返し、ゴムを装着した自分のものを宛てがう。
凜の息を呑む音が聞こえて、思わず自分もごくんと喉を鳴らした。
童貞みたいだな、と自分でも思う。我慢してるつもりで、全然出来てない、気持ちが逸ってしまう。
「ん、う、う……ッ」
「はっ……せま」
つい口に出してしまった。
それから、この行為も久し振りだな、と気付く。凜が来てから数ヶ月、そんなことする暇もなかったから。
「あっ、ん、ぅ……はッ、あ」
「……痛くない?」
いるかの下で、小さな頭が揺れる。大丈夫らしい。
ぐ、と少しずつ腰を進めていく。
押し出されるのは苦しそうな声というより、甘い嬌声で、それは良かったと思う。
苦しい、痛い、気持ち悪い、そんなことよりも気持ちいいとか安心するとか、そういうものが多い方がいい。
「はあ、あ、ッ、ぜん、ぶ?」
「全部挿入ったかってこと?うん、そうだよ」
「よ、よかった、あ……」
俺なんかよりよっぽどしんどい筈の凜がふにゃあと笑うものだから、俺だって嬉しくなってしまう。
本当は全部、って訳ではなかったけど、今日のところはこれで。
暫く慣らすよう待って、そこから凜の許可を得て腰をゆっくり動かす。心の持ちようなんだろうか、正直、今までで一番気持ちが良い。
ほんの少し動くだけで俺も達してしまいそう。
……ちょっとしたプライドで、どうしても先に達するのは嫌だった。こんなところまで格好付けたお兄さんでいたいと思ってしまうのだ。
「っん……!」
「……凜、奥すきでしょ、びくびくしてる」
「はう、わ、わかん、な……っあ、れも、ぅ、きもち……ッ」
「ん、……イっていいよ」
「あっ、だめ、っ、あ、あ、ん、ッあ、う……っ!」
突く度に声が漏れて、数分持ったかもわからない、凜の奥がきゅうっとなって、それに搾り取られるように……自分の腰も揺れてしまった。
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