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「今のみたいなのは嫌?」
「い、いやじゃない」
「嬉しい?」
「うれしい……」
「じゃあここは?」
「……!」
指先で唇に触れる。
また凜がびくりと震えるのが、拒絶ではないとわかるから楽しくなってきた。仔猫を驚かせているようで。
特にケアもしてないだろう唇は少しかさついている。
女の子みたいな丁寧なケアはしないまでも、リップクリームくらいは買ってみようかな。秋になって空気が乾燥すると切れてしまいそうだ。そうなるとハンドクリームなんかもこの子は用意しなさそうだから一緒に……ボディクリームはやり過ぎか?いや別にそこまでしなくたっていいんだけど、駄目だな、買ってあげたい欲が出てしまって。
「れーじふぁん……」
「ん?」
「ゆび……」
「……ああ」
考えてる間にずっと凜の唇を弄っていたようだった。
強い力ではなかったと思うけど、ほんの少し紅くなってしまったように見える。
「嫌だった?」
「いやじゃ、ない……は、恥ずかしい、だけ、で」
「……そう」
そのまま唇を重ねる。柔らかいけど、やはりちょっとかさつきが気になる。べたつきの少ないやつでも探してみようかな。
「っ」
「……やってみたら簡単でしょ?」
「わ……わかんなかっ、た」
「一瞬だったから?」
こく、と頷いた凜に素直だなあ、と笑みが漏れる。
俺は凜の感触を確認出来るくらいの余裕はあったけど、凜には全くなかったようだ。
じゃあもう一回やろうか、と意地悪く言うと、それには答えず、きゅっと瞳を瞑る。手までぎゅうと握り締めて。
かわいすぎて溜め息が出そう。勘違いしかしないだろうからそれは呑み込むけれど。
頬と耳元に手を添えて、もう一度唇を落とす。
ぴく、と揺らいだ肩を押さえて、舌先で凜の唇をこじ開ける。
再度反応する肩に、噛まれませんようにと思いながら狭い咥内に舌を入れた。
「んっ……んぅ」
熱い息が漏れる。
瞳を開けることが出来ないのか、ぎゅうと強く瞑ったお陰で、鼻筋に寄る皺と揺れる睫毛が愛しい。
小さな歯、薄い舌、ざらつく上顎、荒い息、思っていたより自分も興奮してしまっていたようで、初めてするキスとしてはどうかと思うようなものになってしまった。
苦しそうな凜の声にはっとして、やっと唇を離した時には焦点が合わないくらい、とろとろになった凜が目の前にいた。
思わず息を呑む。
こどもだと、幼いと思っていても、こういう時は流石オメガというか、とんでもなく情が昂ってしまうような空気感を纏う。
どきっとはした。したけど、呑まれては駄目だ、と呼吸をひとつして、それから濡れた凜の口許を拭う。
かさついていた唇は、さっきまでのキスのせいで潤っている。
また重ねてしまいたくなるのを我慢して、まだ纏っているブランケットを剥いだ。
「今度はちゃんとわかった?」
「びっくり、した……」
「そう」
表情とは違って、感想はこどもだなと笑う。
それに凜も安心したのか、肩に篭っていた力が少し抜けた気がする。
そのタイミングでベッドに倒した。枕が凜の小さな頭を受け止める。
あ、と漏れた声を聞こえなかった振りをして、髪の間から出てきた耳にひとつキスを落とした。
「んッ……」
ただ驚くだけだった声に段々と色が混じっていくのがぞくぞくする。
高く甘い声に、もっと聞きたい、と思ってしまう。
「脱がしていい?」
「……っ、や、だ、だめ」
「脱ぎたくない?」
「んっ、うん、ん、はいっ……」
「そう、脱ぎたくなったら教えてね」
「ならない、です……っう!?」
反応がかわいいからいじめたくなってしまうんだ。
痛いことや、本気で嫌なことはそりゃあしないけど、でもちょっと恥ずかしかったり、ちょっとだけ、泣いてしまうようなことをしたくなる。そういう欲を唆ってしまう子なのかもしれない。
危ないな、誕生日と言わず、首輪、ちゃんとしたやつもっと早く買おうかな……
俺だけが外せるようなやつ。鍵とかパスワードとか……ごつすぎるかな、凜の細い首だと重くてかわいそうだろうか。
「ぅあ、あ、やっ……」
「やだ?」
「あっ、だってえ……!」
凜が脱ぎたくないというから、その服の上から下半身に触れていた。
薄い寝間着なものだから、どうなってるかなんてよくわかる。
閉じようとする足を押さえて、指を止めることなく、空いた右手で凜の髪に触れ、額に頬に口許に唇を落とす。
本気ではなく、ただ口から出てしまう「いや」だとわかるんだけれど、でも安心する。そういう感情を抑えてしまうより、言えるようになってくれた方が嬉しいから。
まあ本気ではないので、俺も止める気はないのだけれど。
「れ、れーじさんっ……」
「うん?」
「ッあ、あう、よごれ、ちゃう……っ」
「何が?」
「しっ……した、したぎ……」
懇願するような声に、凜の見えないところで笑う。
予想通りだけど、でもその予想以上にかわいい。あんまり意地悪をしてもだめだとわかっているのに、脱ぎたくないんでしょ?と、言ってしまう。
ぐ、と詰まって、でも、でも、と困る凜に、脱ぎたくなったら教えてって言ったでしょ、と返した。
「い、いやじゃない」
「嬉しい?」
「うれしい……」
「じゃあここは?」
「……!」
指先で唇に触れる。
また凜がびくりと震えるのが、拒絶ではないとわかるから楽しくなってきた。仔猫を驚かせているようで。
特にケアもしてないだろう唇は少しかさついている。
女の子みたいな丁寧なケアはしないまでも、リップクリームくらいは買ってみようかな。秋になって空気が乾燥すると切れてしまいそうだ。そうなるとハンドクリームなんかもこの子は用意しなさそうだから一緒に……ボディクリームはやり過ぎか?いや別にそこまでしなくたっていいんだけど、駄目だな、買ってあげたい欲が出てしまって。
「れーじふぁん……」
「ん?」
「ゆび……」
「……ああ」
考えてる間にずっと凜の唇を弄っていたようだった。
強い力ではなかったと思うけど、ほんの少し紅くなってしまったように見える。
「嫌だった?」
「いやじゃ、ない……は、恥ずかしい、だけ、で」
「……そう」
そのまま唇を重ねる。柔らかいけど、やはりちょっとかさつきが気になる。べたつきの少ないやつでも探してみようかな。
「っ」
「……やってみたら簡単でしょ?」
「わ……わかんなかっ、た」
「一瞬だったから?」
こく、と頷いた凜に素直だなあ、と笑みが漏れる。
俺は凜の感触を確認出来るくらいの余裕はあったけど、凜には全くなかったようだ。
じゃあもう一回やろうか、と意地悪く言うと、それには答えず、きゅっと瞳を瞑る。手までぎゅうと握り締めて。
かわいすぎて溜め息が出そう。勘違いしかしないだろうからそれは呑み込むけれど。
頬と耳元に手を添えて、もう一度唇を落とす。
ぴく、と揺らいだ肩を押さえて、舌先で凜の唇をこじ開ける。
再度反応する肩に、噛まれませんようにと思いながら狭い咥内に舌を入れた。
「んっ……んぅ」
熱い息が漏れる。
瞳を開けることが出来ないのか、ぎゅうと強く瞑ったお陰で、鼻筋に寄る皺と揺れる睫毛が愛しい。
小さな歯、薄い舌、ざらつく上顎、荒い息、思っていたより自分も興奮してしまっていたようで、初めてするキスとしてはどうかと思うようなものになってしまった。
苦しそうな凜の声にはっとして、やっと唇を離した時には焦点が合わないくらい、とろとろになった凜が目の前にいた。
思わず息を呑む。
こどもだと、幼いと思っていても、こういう時は流石オメガというか、とんでもなく情が昂ってしまうような空気感を纏う。
どきっとはした。したけど、呑まれては駄目だ、と呼吸をひとつして、それから濡れた凜の口許を拭う。
かさついていた唇は、さっきまでのキスのせいで潤っている。
また重ねてしまいたくなるのを我慢して、まだ纏っているブランケットを剥いだ。
「今度はちゃんとわかった?」
「びっくり、した……」
「そう」
表情とは違って、感想はこどもだなと笑う。
それに凜も安心したのか、肩に篭っていた力が少し抜けた気がする。
そのタイミングでベッドに倒した。枕が凜の小さな頭を受け止める。
あ、と漏れた声を聞こえなかった振りをして、髪の間から出てきた耳にひとつキスを落とした。
「んッ……」
ただ驚くだけだった声に段々と色が混じっていくのがぞくぞくする。
高く甘い声に、もっと聞きたい、と思ってしまう。
「脱がしていい?」
「……っ、や、だ、だめ」
「脱ぎたくない?」
「んっ、うん、ん、はいっ……」
「そう、脱ぎたくなったら教えてね」
「ならない、です……っう!?」
反応がかわいいからいじめたくなってしまうんだ。
痛いことや、本気で嫌なことはそりゃあしないけど、でもちょっと恥ずかしかったり、ちょっとだけ、泣いてしまうようなことをしたくなる。そういう欲を唆ってしまう子なのかもしれない。
危ないな、誕生日と言わず、首輪、ちゃんとしたやつもっと早く買おうかな……
俺だけが外せるようなやつ。鍵とかパスワードとか……ごつすぎるかな、凜の細い首だと重くてかわいそうだろうか。
「ぅあ、あ、やっ……」
「やだ?」
「あっ、だってえ……!」
凜が脱ぎたくないというから、その服の上から下半身に触れていた。
薄い寝間着なものだから、どうなってるかなんてよくわかる。
閉じようとする足を押さえて、指を止めることなく、空いた右手で凜の髪に触れ、額に頬に口許に唇を落とす。
本気ではなく、ただ口から出てしまう「いや」だとわかるんだけれど、でも安心する。そういう感情を抑えてしまうより、言えるようになってくれた方が嬉しいから。
まあ本気ではないので、俺も止める気はないのだけれど。
「れ、れーじさんっ……」
「うん?」
「ッあ、あう、よごれ、ちゃう……っ」
「何が?」
「しっ……した、したぎ……」
懇願するような声に、凜の見えないところで笑う。
予想通りだけど、でもその予想以上にかわいい。あんまり意地悪をしてもだめだとわかっているのに、脱ぎたくないんでしょ?と、言ってしまう。
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