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六
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瞳を閉じているから和音の動きがわからない。
ただ、息が近付いた気がする。
触れたり、頭を寄せてきたりはしない。というか、動かない。
どうしたのかな、また寝た?
薄く瞳を開けると、和音は腕時計を見ながら口元を緩ませたり、険しいかおをしたり、眉を寄せたりと忙しそうだった。
思わず笑ってしまう。
かおを上げた和音は起きてたのかとまた頬を紅くして、軽く睨み、それから俺の挨拶に小さく頷いて返してくれた。
「体調は大丈夫?」
「……躰、怠い」
「まあそっか、治るどころかまたヤってんだもんな、悪化しかしないか」
「……でもおなか、」
そう言って押し黙った和音に焦ってしまう。
お腹?え?
お腹痛い?お腹空いた?お腹……寝る前、ソファでやり過ぎた?
慌てる俺に、首を横に振って、お風呂入りたいかも、と呟く。
……お腹のナカに出されたのが気になる、ってことかな。
動けない和音に、一緒に入る?入れてあげるよ、と答えを待たずに布団を剥ぎ、断られる前に抱えあげた。
寝起きは良い方なのだ、俺は。
まるで蛸のように全身を紅くした和音を綺麗に洗う。
早朝、こんな明るい時間に、それはもう丁寧に。
髪を洗い、和音の弱い胸元も、昨晩汚した腹も、下半身も。
俺の腕に柔らかい唇を押し当てて、声を殺すように達する。
発情期はそれだけでは足りない。スイッチを入れてしまったように、膝を擦り合わせて足りない、我慢出来ないと言う和音に、寝室に戻ろうかと訊くと、やっぱり風呂場では声も我慢してたんだろうな、こくこくと千切れそうなくらい頷く。
そこで、ちょっと待って、そうだ、ナカにも出したんだった、と思い出して後孔に触れる。
ナカ、出さなくて大丈夫?と指先を挿入ると、たら、とナカから自分のものが零れ出た。
恥ずかしかったのだろう、また耳まで紅くして、躰を強ばらせ、……指を締め付ける。
「まだ薬、飲んでる?」
「ん、ンっ……」
「じゃあこれ、無駄になったね」
「うあ」
「……和音、まだ」
「っあう、や、またっ……イっちゃ、指っ、あ、そこ……っ」
更にぎゅう、と指を締め付けて、それだけで達してしまった。
ぐずぐずに蕩けたかおで、早くお腹ほしい、と涙声で誘う。
見上げたそのかおは必死で、問いかけなんてもう出来なくて、うん、と濡れた躰を軽く拭いただけで寝室へ運ぶだけで精一杯だった。
ほしいと、そう必死になってしまうのは、我慢なんて出来ないのはオメガだけではない。
アルファだって、オメガに躰をあつくさせられ、何も考えられなくされてしまうのだ。
ベッドに下ろすと、もう待てなくて、和音、と名前を呼んで、すぐに自身を捩じ込んでしまう。
受け入れた和音も俺の名前を呼びながら、もっと、と腕を伸ばす。
抱き締めて、キスをして。
和音が強請ること、全部。
もっと、もっとして、と声が、においが、瞳が腕がナカが甘えるように絡みつく。
こんなに甘えてくれるのに。
こんなにしがみついてくるのに。
こんなにほしがってくれるのに。
俺のことを、こんなに。
なのに、ねえ、まだ和音は地獄だと思うのだろうか。
◆◆◆
まあそんな質問が出来る訳もなく、また和音が眠い、と寝落ちするまで貪りあってしまった。
碌に躰も拭かなかったお陰でベッドはびっしょり。
シャワーを浴びたのに汗と体液でべっとりだ。
その躰をもう慣れた手つきで拭い、着替えさせ、シーツを替え、更には頭を膝に乗せドライヤーをかけても起きやしない。
夏場ならともかくこの季節は流石に、勝手に乾くだろうと放置はできなかった。また風邪を引いてしまう。
汚れたものは全て洗濯。軽く掃除をして、少し換気。それでも起きない。
いやぐっすり寝てくれていいんだけど。
そっちの方が俺も安心するし。寝れないより、ずっと。
起きそうもない和音を寝かせたまま、自分だけ昼食を済まし、一応持ってきておいたPCで少しだけ仕事をして、和音に見られる前に閉じる。
ネットスーパーで買い物をし、受け取ったそれで夕飯を作ってしまう。
本当は昼食も、なんなら朝食だって少しでいいから食べてもらいたい。
でもあまりにも気持ちよさそうに寝ているから。
寝ることがいちばんの回復になる。寝られるならそれに越したことはないのだ。
とはいえ、流石に三食抜かれるのは困る。
魘されていたタイミングで和音を起こし、ご飯を食べよう、と声をかけた。
自分でベッドから降りようとしたから、もう体力が戻ったのかと思いきやそんなことはなく、和音は綺麗に膝から落ちる。
慌ててもう一度ベッドに引き上げ、動けないなら俺が連れていくのにと苦笑いしてしまった。
ほら、だっこ、とこどものように……実際こどものように軽い躰を抱き抱えて、今日はソファではなくリビングへ。
椅子に座らせて、オーブンから出した熱々のドリアをゆっくりと時間をかけて食べさせた。デザートのいちごまで。
またうどんとかでよかったのかもしれないけれど、少しでもカロリーが高いものを食べさせたかったのと、……俺が食べさせてあげたいという欲求が強かった。だからスプーンで食べさせられるものを。
だってこんなに大人しくあーん、をさせる機会なんて早々ないと知ってるから。
ただ、息が近付いた気がする。
触れたり、頭を寄せてきたりはしない。というか、動かない。
どうしたのかな、また寝た?
薄く瞳を開けると、和音は腕時計を見ながら口元を緩ませたり、険しいかおをしたり、眉を寄せたりと忙しそうだった。
思わず笑ってしまう。
かおを上げた和音は起きてたのかとまた頬を紅くして、軽く睨み、それから俺の挨拶に小さく頷いて返してくれた。
「体調は大丈夫?」
「……躰、怠い」
「まあそっか、治るどころかまたヤってんだもんな、悪化しかしないか」
「……でもおなか、」
そう言って押し黙った和音に焦ってしまう。
お腹?え?
お腹痛い?お腹空いた?お腹……寝る前、ソファでやり過ぎた?
慌てる俺に、首を横に振って、お風呂入りたいかも、と呟く。
……お腹のナカに出されたのが気になる、ってことかな。
動けない和音に、一緒に入る?入れてあげるよ、と答えを待たずに布団を剥ぎ、断られる前に抱えあげた。
寝起きは良い方なのだ、俺は。
まるで蛸のように全身を紅くした和音を綺麗に洗う。
早朝、こんな明るい時間に、それはもう丁寧に。
髪を洗い、和音の弱い胸元も、昨晩汚した腹も、下半身も。
俺の腕に柔らかい唇を押し当てて、声を殺すように達する。
発情期はそれだけでは足りない。スイッチを入れてしまったように、膝を擦り合わせて足りない、我慢出来ないと言う和音に、寝室に戻ろうかと訊くと、やっぱり風呂場では声も我慢してたんだろうな、こくこくと千切れそうなくらい頷く。
そこで、ちょっと待って、そうだ、ナカにも出したんだった、と思い出して後孔に触れる。
ナカ、出さなくて大丈夫?と指先を挿入ると、たら、とナカから自分のものが零れ出た。
恥ずかしかったのだろう、また耳まで紅くして、躰を強ばらせ、……指を締め付ける。
「まだ薬、飲んでる?」
「ん、ンっ……」
「じゃあこれ、無駄になったね」
「うあ」
「……和音、まだ」
「っあう、や、またっ……イっちゃ、指っ、あ、そこ……っ」
更にぎゅう、と指を締め付けて、それだけで達してしまった。
ぐずぐずに蕩けたかおで、早くお腹ほしい、と涙声で誘う。
見上げたそのかおは必死で、問いかけなんてもう出来なくて、うん、と濡れた躰を軽く拭いただけで寝室へ運ぶだけで精一杯だった。
ほしいと、そう必死になってしまうのは、我慢なんて出来ないのはオメガだけではない。
アルファだって、オメガに躰をあつくさせられ、何も考えられなくされてしまうのだ。
ベッドに下ろすと、もう待てなくて、和音、と名前を呼んで、すぐに自身を捩じ込んでしまう。
受け入れた和音も俺の名前を呼びながら、もっと、と腕を伸ばす。
抱き締めて、キスをして。
和音が強請ること、全部。
もっと、もっとして、と声が、においが、瞳が腕がナカが甘えるように絡みつく。
こんなに甘えてくれるのに。
こんなにしがみついてくるのに。
こんなにほしがってくれるのに。
俺のことを、こんなに。
なのに、ねえ、まだ和音は地獄だと思うのだろうか。
◆◆◆
まあそんな質問が出来る訳もなく、また和音が眠い、と寝落ちするまで貪りあってしまった。
碌に躰も拭かなかったお陰でベッドはびっしょり。
シャワーを浴びたのに汗と体液でべっとりだ。
その躰をもう慣れた手つきで拭い、着替えさせ、シーツを替え、更には頭を膝に乗せドライヤーをかけても起きやしない。
夏場ならともかくこの季節は流石に、勝手に乾くだろうと放置はできなかった。また風邪を引いてしまう。
汚れたものは全て洗濯。軽く掃除をして、少し換気。それでも起きない。
いやぐっすり寝てくれていいんだけど。
そっちの方が俺も安心するし。寝れないより、ずっと。
起きそうもない和音を寝かせたまま、自分だけ昼食を済まし、一応持ってきておいたPCで少しだけ仕事をして、和音に見られる前に閉じる。
ネットスーパーで買い物をし、受け取ったそれで夕飯を作ってしまう。
本当は昼食も、なんなら朝食だって少しでいいから食べてもらいたい。
でもあまりにも気持ちよさそうに寝ているから。
寝ることがいちばんの回復になる。寝られるならそれに越したことはないのだ。
とはいえ、流石に三食抜かれるのは困る。
魘されていたタイミングで和音を起こし、ご飯を食べよう、と声をかけた。
自分でベッドから降りようとしたから、もう体力が戻ったのかと思いきやそんなことはなく、和音は綺麗に膝から落ちる。
慌ててもう一度ベッドに引き上げ、動けないなら俺が連れていくのにと苦笑いしてしまった。
ほら、だっこ、とこどものように……実際こどものように軽い躰を抱き抱えて、今日はソファではなくリビングへ。
椅子に座らせて、オーブンから出した熱々のドリアをゆっくりと時間をかけて食べさせた。デザートのいちごまで。
またうどんとかでよかったのかもしれないけれど、少しでもカロリーが高いものを食べさせたかったのと、……俺が食べさせてあげたいという欲求が強かった。だからスプーンで食べさせられるものを。
だってこんなに大人しくあーん、をさせる機会なんて早々ないと知ってるから。
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