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ぼおっと悠真さんを見ていた。
格好良いなと素直に思う。色気もある。
おれが悠真さんのものなら、悠真さんもおれのものでいいのかな。
違うか。
契約の番はおれのものではない。
きゅっとしていた心臓がちくちくしたような気分だった。
悠真さんはおれのものじゃない、指輪の主のものだ。
ちら、と指を見ると、今日はその指輪をしていない。おれに対する配慮か、それとも汚れないよう外してきたのか。
別にいい。……いいけど。
おれの唇をぺろりと舐め、血は止まったね、と悠真さん。また舐めた。このひと血に抵抗というものはないのか。
危ない病気とか持ってないけどさあ。
「和音は痛いのすき?」
「すき、な訳、ないっ……」
「じゃあ俺も嫌だよ、怪我しないでね」
「……ん、」
「声出して、防音でしょ、ここ」
和音のかわいい声、聞きたいよと言う悠真さんに最低、と思う反面、おれのあんなみっともない声がかわいいだなんて、と頬があつくなる。
素直に全てを受け止めていい訳ではない。
ベッド上での甘い嘘は雰囲気を作る為のものでもある。
それでも甘い声は、おれの思考を溶かすのだ。
「ん、う、ゔぁ、ァう」
「キスした時も思ったけど、和音の口小さいなあ」
「ンっ、う、ゔー……!」
「口ん中気持ちいい?」
「んうう、ぅ」
唇をこじ開け、狭い咥内に突っ込まれた指がすきに動く。
柔らかい舌とはまた違う感触に背中がぞくぞくする。
閉じられない唇からは唾液が零れる感覚がするし、表情も多分苦しそうにしてると思う。
でも確かに気持ちいい。上顎、すりすりされると腰が抜けてしまいそうだ。
その一方で、先程の続きとばかりにまた後孔に指が挿入され、口の中の指を噛みそうになってしまう。
早くイきたくて苦しい。
悠真さんの手を叩くと、これじゃ声出せないか、と漸くその手を引き抜いてくれた。
そんなことを言いながらも、浅い息で呼吸を整えるおれに悠真さんは満足そうに笑みを浮かべている。
「ゆ、ゆび」
「指?」
「どっちも指、ばっかり、もおいいっ……ん、ッ」
「こっちももうとろとろだもんね?」
「っあ!」
悠真さんとおれの腹の間で揺れていただけの自身に触れられて高い声が出た。
その声にまた嬉しそうに笑い、悠真さんが先端を抉る。
ただでさえ弱いそこは待ちかねていた刺激に、それだけでびゅく、と白い精を放った。
本当に、ヒート中ってなんでこんなに躰が単純になってしまうんだろう。
「あ、ん、ッう、は……ぁ、う」
普段なら一回達してしまえば落ち着く躰もヒート中はそうもいかず、呼吸は苦しいのに、足りない、もっと、と強請っているかのように腰を押し付ける。
じい、と悠真さんを見つめるおれに、欲しいのはナカだもんね、と下腹部を撫でられて、あまりのその言い方に視線を逸らした。
恥ずかしい、でも欲しいのは本当で、でもそんなの、おれがそうしたくてそうなったんじゃなくて、でもやっぱり早く欲しくて。
足、もうちょっと開いて、という声に、躊躇いながらもその通り足を開いてしまう。
立てた膝を更にぐいと押され、悠真さんの肌がくっつく。
冷房を強くしていても、それでも汗ばんだ肌が吸い付くような気がした。
和音、と呼ぶ声は甘くて、細められた瞳は優しくて、おれのものだと勘違いしてしまいそうになる。
いや、でも。
この、肌を重ねている間くらいはそう思ったっていいんじゃないか。
……勝手過ぎるかな。
でもおれだってもう悠真さんの番だ、おれだって少しくらい、その分くらい、数ヶ月に一度くらい、その時間に甘えたっていいんじゃないか。
「……ッ、ん!」
ぐ、と期待していたものがナカに挿入ってくる。
圧迫感と、それ以上の快楽。
先日の、たったひと晩の行為でおれの躰は変わった。自分の指なんかじゃ物足りなくなってしまった。
一ヶ月以上経っても覚えている甘い蜜のようなもの。
自慰行為じゃなくて、誰かと肌を重ねることってこんなに気持ちいいんだと知ってしまった。
発情期になると、こうしてもらわないと躰の熱が治まらない理由がわかった気がする。
気持ちよくて、あったかくて、しあわせだと思ってしまうのだ。
番は躰の契約であると同時に魂の契約でもあると思う。
それくらいオメガはアルファに依存してしまう。
このひとじゃないともうだめなの。
他のひとは躰も心も拒否をする、物理的にも精神的にも、求めるひとはひとりだけ。特別な存在。
「ん、あ、あっ、あう、ア、はや、っん、ぅあ」
「苦しい?」
「きもちい……っゔ、ん、あ!っう、あ、あっ」
「ん、気持ちいいねえ」
奥を突かれる度にイってる気がする。
だらだらびゅくびゅく、まるで漏らしてるかのように腹が濡れて、水溜まりになってるのがわかる。
本当は悠真さんの首にまたしがみつきたい、肌の温度を感じたいのに、自分の出したもので汚してしまうことを考えると躊躇われた。
馬鹿みたいに喘いで快感を追うことに必死なくせに、頭のどこかではセーブしてしまう。それはまだ序盤だからこその余裕なのかもしれないけれど。
きらわれたくない、呆れられたくない。
また次の発情期にも来てもらわないと困るから。
格好良いなと素直に思う。色気もある。
おれが悠真さんのものなら、悠真さんもおれのものでいいのかな。
違うか。
契約の番はおれのものではない。
きゅっとしていた心臓がちくちくしたような気分だった。
悠真さんはおれのものじゃない、指輪の主のものだ。
ちら、と指を見ると、今日はその指輪をしていない。おれに対する配慮か、それとも汚れないよう外してきたのか。
別にいい。……いいけど。
おれの唇をぺろりと舐め、血は止まったね、と悠真さん。また舐めた。このひと血に抵抗というものはないのか。
危ない病気とか持ってないけどさあ。
「和音は痛いのすき?」
「すき、な訳、ないっ……」
「じゃあ俺も嫌だよ、怪我しないでね」
「……ん、」
「声出して、防音でしょ、ここ」
和音のかわいい声、聞きたいよと言う悠真さんに最低、と思う反面、おれのあんなみっともない声がかわいいだなんて、と頬があつくなる。
素直に全てを受け止めていい訳ではない。
ベッド上での甘い嘘は雰囲気を作る為のものでもある。
それでも甘い声は、おれの思考を溶かすのだ。
「ん、う、ゔぁ、ァう」
「キスした時も思ったけど、和音の口小さいなあ」
「ンっ、う、ゔー……!」
「口ん中気持ちいい?」
「んうう、ぅ」
唇をこじ開け、狭い咥内に突っ込まれた指がすきに動く。
柔らかい舌とはまた違う感触に背中がぞくぞくする。
閉じられない唇からは唾液が零れる感覚がするし、表情も多分苦しそうにしてると思う。
でも確かに気持ちいい。上顎、すりすりされると腰が抜けてしまいそうだ。
その一方で、先程の続きとばかりにまた後孔に指が挿入され、口の中の指を噛みそうになってしまう。
早くイきたくて苦しい。
悠真さんの手を叩くと、これじゃ声出せないか、と漸くその手を引き抜いてくれた。
そんなことを言いながらも、浅い息で呼吸を整えるおれに悠真さんは満足そうに笑みを浮かべている。
「ゆ、ゆび」
「指?」
「どっちも指、ばっかり、もおいいっ……ん、ッ」
「こっちももうとろとろだもんね?」
「っあ!」
悠真さんとおれの腹の間で揺れていただけの自身に触れられて高い声が出た。
その声にまた嬉しそうに笑い、悠真さんが先端を抉る。
ただでさえ弱いそこは待ちかねていた刺激に、それだけでびゅく、と白い精を放った。
本当に、ヒート中ってなんでこんなに躰が単純になってしまうんだろう。
「あ、ん、ッう、は……ぁ、う」
普段なら一回達してしまえば落ち着く躰もヒート中はそうもいかず、呼吸は苦しいのに、足りない、もっと、と強請っているかのように腰を押し付ける。
じい、と悠真さんを見つめるおれに、欲しいのはナカだもんね、と下腹部を撫でられて、あまりのその言い方に視線を逸らした。
恥ずかしい、でも欲しいのは本当で、でもそんなの、おれがそうしたくてそうなったんじゃなくて、でもやっぱり早く欲しくて。
足、もうちょっと開いて、という声に、躊躇いながらもその通り足を開いてしまう。
立てた膝を更にぐいと押され、悠真さんの肌がくっつく。
冷房を強くしていても、それでも汗ばんだ肌が吸い付くような気がした。
和音、と呼ぶ声は甘くて、細められた瞳は優しくて、おれのものだと勘違いしてしまいそうになる。
いや、でも。
この、肌を重ねている間くらいはそう思ったっていいんじゃないか。
……勝手過ぎるかな。
でもおれだってもう悠真さんの番だ、おれだって少しくらい、その分くらい、数ヶ月に一度くらい、その時間に甘えたっていいんじゃないか。
「……ッ、ん!」
ぐ、と期待していたものがナカに挿入ってくる。
圧迫感と、それ以上の快楽。
先日の、たったひと晩の行為でおれの躰は変わった。自分の指なんかじゃ物足りなくなってしまった。
一ヶ月以上経っても覚えている甘い蜜のようなもの。
自慰行為じゃなくて、誰かと肌を重ねることってこんなに気持ちいいんだと知ってしまった。
発情期になると、こうしてもらわないと躰の熱が治まらない理由がわかった気がする。
気持ちよくて、あったかくて、しあわせだと思ってしまうのだ。
番は躰の契約であると同時に魂の契約でもあると思う。
それくらいオメガはアルファに依存してしまう。
このひとじゃないともうだめなの。
他のひとは躰も心も拒否をする、物理的にも精神的にも、求めるひとはひとりだけ。特別な存在。
「ん、あ、あっ、あう、ア、はや、っん、ぅあ」
「苦しい?」
「きもちい……っゔ、ん、あ!っう、あ、あっ」
「ん、気持ちいいねえ」
奥を突かれる度にイってる気がする。
だらだらびゅくびゅく、まるで漏らしてるかのように腹が濡れて、水溜まりになってるのがわかる。
本当は悠真さんの首にまたしがみつきたい、肌の温度を感じたいのに、自分の出したもので汚してしまうことを考えると躊躇われた。
馬鹿みたいに喘いで快感を追うことに必死なくせに、頭のどこかではセーブしてしまう。それはまだ序盤だからこその余裕なのかもしれないけれど。
きらわれたくない、呆れられたくない。
また次の発情期にも来てもらわないと困るから。
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