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「もっかい……入って、どう、すんの、」
「んー、ナカ綺麗にするの。辛かったら俺に凭れてていいからね」
「……?ッあ!えっ、え、や、えっ?」

 膝に乗せたノエがびくんと跳ねた。
 本当に何されるかわかってなかったようだ。
 大きな瞳を丸くして、何が起きてるかわからないような、混乱したかおで俺を見下ろしていた。

「や、っ、え、お湯っ……あ、は、はいるうっ……」
「でもナカのも出てってるでしょ?」
「あついいっ」
「もう大分ぬるいけど」
「や、やだ、これやだあっ、あ、う、シャル、だめ、っあ、やっ」

 指を突っ込んで、掻き出すように動かす。
 先程入った時とは違い、緩くされ、拡げられたそこはナカのものを出すと同時に当然湯も入ってしまう。
 でもそれが丁度いいんじゃないかと思って。さっぱりするかなって。
 自分自身経験したことないから正解はわからないけれど。

 確かに湯船はぬるくなっているけど、暑くなってきた時期だし、火照った躰には丁度良いぬるさにも感じる。
 それなのにあつい、なんて感じちゃうのは躰の中で直に感じてしまうからだろうか。
 俺の頭をぎゅうと抱え込んで、やだやだと駄々っ子のように首を振るノエの背中を撫で、もうちょっと我慢して、と言うけれど、そのこども騙しの慰めは今回は効かなかった。
 ぐずぐず鼻を啜りながら、これやだ、いや、やだようと泣いたように言うノエに罪悪感と少しの嗜虐心を煽られながらも、もう少しだからねえ、と声を掛けつつ指を動かす。
 体力も十分削がれている、早く寝かせてあげたい気持ちはある。

「ふあ、う、うっ、うう、やだあ……」
「うん、やだねえ、後少しで終わるから、ね、」
「は、あう、ん、ッく、うえ、しゃるう……」
「んー、良い子、頑張れたねえ」

 ノエを応援するように、こどもを励ますように、声を掛け続けてやっとナカが綺麗になった……と、思う。
 その頃にはノエのかおは涙と鼻水でべちょべちょで、そんなに嫌だったの、と苦笑い半分、ごめんねと反省も半分。
 元はといえばナカに出してしまった俺が悪い訳で。それなのに頑張ってくれたノエは偉い。

「……う、うう、」
「ん、頑張った頑張った、ベッド戻って寝よっか?」
「……シャル、また」

 涙の跡が残る頬をぐいと拭いながら、ノエは下の方を向く。
 ……気付かない振りしてくれてよかったのに。
 耳元で、おっきくなってる、と不思議そうな声。
 何で?シャルのは触ってないのに、なんて本気で言ってるのかな、それ。

「ノエがかわいいから」
「え」
「……かわいいから、勃っちゃったの、ノエがかわいかったから!」
「ええ……」

 頬を紅くして、おれがかわいかったの、なんて繰り返す。
 そうだよ、ノエと違って一回しか達してないし、かわいいとこばっか見せられて反応しない方が失礼でしょうが。
 ノエはもう一度、おれがかわいいから、と自分で呟き、それから瞳を細めてへら、と笑った。
 紅く染まった目元がかわいそうだけれど、でもその満足そうなかおはやっぱりかわいい。

「おれ、その、シャルの、やろうか」
「え」
「おれも!出来るよ、気持ちくする、から」

 まさかのこんなところでやる気を出されても。
 ついさっきまで泣いてすんすんしていたくせに、瞳を輝かせてそんなことを言ってくる。
 浮かしていた腰をまた膝の上に下ろし、ぎゅうぎゅう抱きしめてくるものだから、……俺だって最初から気付いていたけど。ノエだってまた勃ってんだよなあ。

「……じゃあノエが触って、それで今日は終わりね」
「うん!出来る!」
「ノエのも一緒にね」
「……んえ」
「んえ、じゃないよ、かわいーな、ほら、触って」

 ノエの華奢な腕を取って、湯船に沈める。
 まだ戸惑うノエに、ほら、とその手を誘導してふたりのモノを握らせると、またおっきい、なんて呟く。煽ってくるなあ、本当に。

「……っん、」
「きもちい?」
「ん……でも」
「でも?」
「……シャルがやってくれる方が、きもちい……」

 なんでだろ、手もおっきいから?そう息を吐きながら漏らすノエに、心臓が跳ねた。
 ノエの小さな手だって気持ちいいんだけど。

「ね、シャルも触っ、てっ……」
「ん、」
「っは、ん、う、あ、やっぱり……」

 気持ちいい。
 素直なノエに少し笑って、ノエの頬にキスをすると、こっちと言わんばかりに唇を突き出してくるので、そちらにもキスをした。
 甘えん坊で泣き虫で、我儘でかわいいノエがすきだ。
 この世界にきて困ったことも、帰りたいと思ったことも、逆にいい出会いも楽しいこともあったけれど、それでもいちばんの僥倖はノエと出会えたこと。もしかするとそれは必然の出会いなのかもしれないけれど。
 こんなに愛しいと思えた子は初めて。

「っ、ん、あ、も、あ……ッ、出、ちゃうっ」
「ん……俺も」
「あ、あ、っ、うあ、しゃる……っう、んんッ……!」

 望まれるままにまた唇を重ねて、ノエの喉から出る小さな声を飲み込むように、腰が震えるまで何度もキスをした。
 何度も、何度も、何度も。
 暫く繰り返して、とろとろになったノエに何か違和感を抱きつつも、これ以上はふやけてしまう、とまた湯船を後にしたのだった。
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