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確かまだ残りがあった筈。
最近使ってないし、残りも少なかったからもう使い切って新しいのを買って……
そんでまたこういう時に困らないように潤滑油も準備しておかなくちゃ。この世界でどういう店に売ってんだあれ、サキュバスに訊いたら教えてくれるかな。
「……シャル」
「うん?」
「か、かけすぎだと、思う……」
「げ」
ぼおっと考え過ぎていた。確かにボトルの中には二割も残ってない量だったけれど、使い切るには多かったようだ。
まるで全身に広げてノエを丸焼きにでも出来そうな量。
それを下半身にだばっとかけてしまったせいでぬるぬるのてっかてかになってしまった。
ごめん、とタオルを追加し謝りながらも、うわエロ、なんて思ってしまう。
これは終わった後またお風呂コースだな、石鹸でさっぱりしないと気持ち悪いだろう。
「ごめんね、気持ち悪い?」
「わ、わるくはない、と思う、けど、その、ぬるぬるが……」
「うん?」
「こないだのと、違う、けど」
大丈夫?挿入る?そう心配そうに訊く。
ついさっきの、潤滑油なしじゃ挿入出来ないという言葉が不安だったらしい。
これなら大丈夫だよと返すと、ほっとしたように息を吐いた。
……そういうの、俺としたいって言ってるようで……いや言ってるんだけど。でもその、本気なんだなって、本当に俺のことがすきなんだなあ、と思うと心臓が痛くなる。
かわいいなあ、うん、俺のノエはめちゃくちゃかわいい。
「今日はどうしよっか」
「……?」
「こないだやったの覚えてる?」
「え、えっ、と……」
少し考えるように頬を押さえて、それから少し視線を逸らしながらも、シャルが見えるやつがいい、と答えた。
そっかあ、俺が見える体勢がいいかあ、なんて頬が緩んでしまいそう。いや多分緩んでる、緩まない方がおかしい。
「お、おれ、こないだ、も、いっぱいいっぱいで」
「うん、そうだったね」
「さいご……最後の方、なんも覚えてなくて、その、」
「ああ、気を飛ばしちゃったもんね?」
最後の方は恥ずかしげもなく喘いでいたのを思い出す。
恥ずかしそうにしている姿は酷く唆るものはあるけれど、あれはあれで良かった。
流石に薬もない理性も残ってる今、あそこまで乱れることはないと思うし、無理をさせたくないという思いも、ちゃんとノエに許されて触れたいという思いもある。
……あれはあれで良かった、けど。
「お、覚えてないの、やだから、だから、あの、その、ね、ゆ、ゆっくりして、ほしい……」
「ノエ」
「んッ……」
あまりのかわいさについキスをしてしまった。
長い睫毛を震わせて、そんなお強請りをされてしまったら。
じゃあゆっくりするから、覚えておいてね、と言うしかないでしょう。
「ノエに触れるのは、挿入るのは俺だけなんだから、俺の指と、俺のモノ、形を覚えてね」
「んん……」
「ここに、俺のが挿入るからね?」
「あっ……!」
ノエの薄い腹を撫でるだけで、びく、と躰が揺れた。
行為を覚えてなくても躰は覚えてるようだ。
そうだよね、気持ちいい気持ちいいって何度も言ってたもんね?かわいい声で、表情で、何回も。
「あ……あ、あう……」
「ちゃんと覚えてるノエの躰は良い子だね」
「お、おれだって」
「覚えてるの?」
「……ま、前の、は覚えてる……けど、忘れたくて……忘れたわけじゃない、もん、」
あ、やば、泣きそう、そう思った時にはもう遅かった。
大きな目玉からぽろっとこれまた大粒の涙が零れる。
こういう時、涙腺弱いんだった。俺だって泣かせたい訳ではないのに。ついかわいいから意地悪をしてしまう。
「ごめん、そうだよね、それを責めてるんじゃなくて、ええと、」
「いい、おれ、魔王だし、いいこじゃない……」
それはそうなんですけど。
そうなんですけど!やめて、ただのそういうプレイみたいなもんだよ、お約束みたいなもんだよ、魔王とか今関係ないよ、そんなコントみたいなことしたいんじゃない。
ただ俺のおっさんくさいとこが出てしまっただけ。
「俺、ノエのこと悪い子だって思ったことないよ」
「……」
「寧ろ魔王っぽくないというか……これもどうかと思うけど」
「……」
「……今度は忘れないように触るから。続き、していい?」
暫く俺を拗ねたようなかわいいかおで睨みつけ、それから唇を尖らせたまま、忘れないから、と一言添えて、ゆっくりしてよね、と頷いてもらえた。
良かった、こんなことで喧嘩したくない。いやこんなの喧嘩というか、痴話喧嘩のようなものだけれどさ。
「足開いて、ん、良い子」
「……いいこじゃない」
「良い子だよ、ごめんってば」
まだ引き摺るノエに謝罪するように何度かキスを落とし、開かせた足の間、指を滑り込ませた。
触れる度に躰が揺れる。
そのくせに、また指なの?と訊いてくる。
まさか毎回慣らさないといけないのをご存知ない?
「ここね、ほら、狭くなってるでしょ?こうなっちゃうの。だから毎回、俺が挿入れるくらいまで拡げなきゃいけないの」
「は、っう、う、んっ……あ、ッう!」
「ノエは気持ち良くなっててくれたらいいからね、そしたらすぐ終わるから」
だから集中してくれてたらいいよ、俺の指に。
最近使ってないし、残りも少なかったからもう使い切って新しいのを買って……
そんでまたこういう時に困らないように潤滑油も準備しておかなくちゃ。この世界でどういう店に売ってんだあれ、サキュバスに訊いたら教えてくれるかな。
「……シャル」
「うん?」
「か、かけすぎだと、思う……」
「げ」
ぼおっと考え過ぎていた。確かにボトルの中には二割も残ってない量だったけれど、使い切るには多かったようだ。
まるで全身に広げてノエを丸焼きにでも出来そうな量。
それを下半身にだばっとかけてしまったせいでぬるぬるのてっかてかになってしまった。
ごめん、とタオルを追加し謝りながらも、うわエロ、なんて思ってしまう。
これは終わった後またお風呂コースだな、石鹸でさっぱりしないと気持ち悪いだろう。
「ごめんね、気持ち悪い?」
「わ、わるくはない、と思う、けど、その、ぬるぬるが……」
「うん?」
「こないだのと、違う、けど」
大丈夫?挿入る?そう心配そうに訊く。
ついさっきの、潤滑油なしじゃ挿入出来ないという言葉が不安だったらしい。
これなら大丈夫だよと返すと、ほっとしたように息を吐いた。
……そういうの、俺としたいって言ってるようで……いや言ってるんだけど。でもその、本気なんだなって、本当に俺のことがすきなんだなあ、と思うと心臓が痛くなる。
かわいいなあ、うん、俺のノエはめちゃくちゃかわいい。
「今日はどうしよっか」
「……?」
「こないだやったの覚えてる?」
「え、えっ、と……」
少し考えるように頬を押さえて、それから少し視線を逸らしながらも、シャルが見えるやつがいい、と答えた。
そっかあ、俺が見える体勢がいいかあ、なんて頬が緩んでしまいそう。いや多分緩んでる、緩まない方がおかしい。
「お、おれ、こないだ、も、いっぱいいっぱいで」
「うん、そうだったね」
「さいご……最後の方、なんも覚えてなくて、その、」
「ああ、気を飛ばしちゃったもんね?」
最後の方は恥ずかしげもなく喘いでいたのを思い出す。
恥ずかしそうにしている姿は酷く唆るものはあるけれど、あれはあれで良かった。
流石に薬もない理性も残ってる今、あそこまで乱れることはないと思うし、無理をさせたくないという思いも、ちゃんとノエに許されて触れたいという思いもある。
……あれはあれで良かった、けど。
「お、覚えてないの、やだから、だから、あの、その、ね、ゆ、ゆっくりして、ほしい……」
「ノエ」
「んッ……」
あまりのかわいさについキスをしてしまった。
長い睫毛を震わせて、そんなお強請りをされてしまったら。
じゃあゆっくりするから、覚えておいてね、と言うしかないでしょう。
「ノエに触れるのは、挿入るのは俺だけなんだから、俺の指と、俺のモノ、形を覚えてね」
「んん……」
「ここに、俺のが挿入るからね?」
「あっ……!」
ノエの薄い腹を撫でるだけで、びく、と躰が揺れた。
行為を覚えてなくても躰は覚えてるようだ。
そうだよね、気持ちいい気持ちいいって何度も言ってたもんね?かわいい声で、表情で、何回も。
「あ……あ、あう……」
「ちゃんと覚えてるノエの躰は良い子だね」
「お、おれだって」
「覚えてるの?」
「……ま、前の、は覚えてる……けど、忘れたくて……忘れたわけじゃない、もん、」
あ、やば、泣きそう、そう思った時にはもう遅かった。
大きな目玉からぽろっとこれまた大粒の涙が零れる。
こういう時、涙腺弱いんだった。俺だって泣かせたい訳ではないのに。ついかわいいから意地悪をしてしまう。
「ごめん、そうだよね、それを責めてるんじゃなくて、ええと、」
「いい、おれ、魔王だし、いいこじゃない……」
それはそうなんですけど。
そうなんですけど!やめて、ただのそういうプレイみたいなもんだよ、お約束みたいなもんだよ、魔王とか今関係ないよ、そんなコントみたいなことしたいんじゃない。
ただ俺のおっさんくさいとこが出てしまっただけ。
「俺、ノエのこと悪い子だって思ったことないよ」
「……」
「寧ろ魔王っぽくないというか……これもどうかと思うけど」
「……」
「……今度は忘れないように触るから。続き、していい?」
暫く俺を拗ねたようなかわいいかおで睨みつけ、それから唇を尖らせたまま、忘れないから、と一言添えて、ゆっくりしてよね、と頷いてもらえた。
良かった、こんなことで喧嘩したくない。いやこんなの喧嘩というか、痴話喧嘩のようなものだけれどさ。
「足開いて、ん、良い子」
「……いいこじゃない」
「良い子だよ、ごめんってば」
まだ引き摺るノエに謝罪するように何度かキスを落とし、開かせた足の間、指を滑り込ませた。
触れる度に躰が揺れる。
そのくせに、また指なの?と訊いてくる。
まさか毎回慣らさないといけないのをご存知ない?
「ここね、ほら、狭くなってるでしょ?こうなっちゃうの。だから毎回、俺が挿入れるくらいまで拡げなきゃいけないの」
「は、っう、う、んっ……あ、ッう!」
「ノエは気持ち良くなっててくれたらいいからね、そしたらすぐ終わるから」
だから集中してくれてたらいいよ、俺の指に。
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