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「あっ、しゃる、う、あ、もっ……」
無理、無理、だめ、むり。
そんな言葉が並べられて、縁を掴んでいた手が俺の手に移る。
ぎゅっと掴むその手で、あ、もう我慢出来そうにないな、と鈴口に指をやった。
「ッあ、あ、や、っう、あう……!」
流石一回目、勢いよく、思ったよりも飛んだ。
まあ風呂場なので汚れたって流してしまえば大丈夫。
「や、しゃう、う、今っ、あ、出た、出たからあっ……」
「勢い良かったし、溜まってんのかなって。もっかいイっとこうか?」
「やあ……!」
ぐいぐい押してくる手には力がない。
これはいけるな、と思ったのだけれど、振り返ったノエは涙を浮かべたまま、ここだとお尻いたい、なんて言うものだから、
……言うものだから。
「じゃあベッド行こうか?」
思わずそう言ってしまった。
優しさでもなんでもない、こんなのはただの下心だ。
それなのに、涙目のままほっとしたように頷くノエに、きゅんとしてむらっとした。
かわいい、やっぱもういっかい……うん、見たいなあ。
「えっ、あ、えっ、べ、ベッド行くって……」
「うん、行く、ノエがもっかい出したらね?」
「う、うそつきっ……ぁう」
「嘘吐いてないでしょ、ほらもうお尻は痛くないでしょ?」
立ち上がらせて、上半身を壁に押し付けるようにし、腰を少し浮かせたままノエのものに触れる。
さっきと違ってかおは見えないけれど、それでも火照った背中が綺麗でちょっと腰にくるものがある。
細い首筋を舐めると、ひ、と頼りない声が漏れた。
それが面白くて、軽く、ほんの軽くだけ歯を立てると、食べないでえ、と震えた声。
こんなのはただのカップルの仲睦まじい光景だ。
だけど魔族からすると、冗談にならないのかもしれない。
人間は食べたりなんか、しないよ。
ノエは肌が綺麗で美味しそうだけど……それならもうちょっと太らせてからかなあ、と思ったけれど、そのちょっとした意地悪で本気でこわがられてしまったらかなしいから黙っておいた。
代わりにノエの顎を掴み、こちらを向かせて、噛み締めて紅くなった唇を食べることにする。
こっちに関してはこわがらずに舌を出してくるんだよなあ、寧ろ積極的。
「は、ァう、ふ……っう、う……ん、あっ、あ、や、しゃる」
「ん、もう終わり?」
「し、したい、けどおっ、や、出るう……あ、んう」
「いいよ、キスしたまんまでも。すきだもんね、ノエ」
「あ、すき、すきい、シャル、もっとお、ん、ッあ、う!」
テク云々じゃなくて、キスだけでとろっとろになってしまうのはちょっと複雑だけれど、その光景も、その蕩けた目元も開いたままの唇も、全身で俺に好意を向けるノエが堪らない。
本当に俺、なんでそこまでノエにすきになってもらえてるかわかんないんだけど。刷り込みのような恋だとわかっているけれど、目の前のかわいい子を離してやることが出来ない。
「っあ、ふ、らめ……あ、ん、んッ……」
ぎゅう、と瞳を瞑って、壁についた俺の手に自分の手を重ね、それに力を入れて、ぶる、と躰を震わせた。
暫くあ、あ、と力なく声を漏らしながら出し切ると、くてんと力が抜ける。
慌ててノエを抱えると、もう立ってらんない、と甘えた声で訴えてきた。
ベッドに連れてけってこと。
かわいくてにやけてしまいそう。
本当はもっとそのかわいいかおが、反応が見たくて色々したいのだけれど、かわいいからこそ俺ももう我慢出来なくなっちゃう。
暴走はしたくない。そこそこで切り上げることもだいじだ。
いつものノエより熱く感じる、力の抜けた躰を軽く拭いて、そのまま抱えてベッドに下ろす。
それだけの距離が長く感じるくらい、早くノエに触れたかった。
白い肌は蒸気して紅くなり、綺麗なピンクの胸元はまだ主張したまま。
頬や肩は林檎のようになってるし、瞳もとろんと溶けたまま、口元は早く、と言いたげに開かれて、足元がもぞ、と揺れた。
ちょっと違うけれど、据え膳、という言葉が頭をよぎった。
手を出さない方が失礼、出さない選択肢などない。
でも待て、と自分の理性がストップをかける。
前回はサキュバスの先回りのご厚意で潤滑油の準備があった。
こんな宿ではそんなものはない。
当然そんなやらしいものの準備は俺にもなかった。
つい数日前に拓かれたばかりのノエの躰はまだかたい。
こんなことで魔法を使いたくない。
俺が怜くんのように魔法使いと呼ばれるレベルなら魔法も有りかもと思うのだけれど。
少し考えていると、どうしたの、とノエが上半身を起こして不安そうに訊いてくる。
答えたところでノエは理解しないだろうなあと思いながらも、濡らすものがない、と答えた。これ前回もしたな。
ノエは少し考えて、いらないよ、と言う。馬鹿、いるよ、お前。
ないとしないの、と訊かれ、即答出来ない。俺も馬鹿だ。
「ノエが痛いんだよ、ってかそもそも挿入出来ないんじゃないかな」
そっと触れて言う俺に、あ、と声を上げたノエが慌てて口を押さえた。
やめてよ、やっぱり止められなくなっちゃう。
「……オイルとかありかな」
俺だってしたい、続けたい。
手持ちを頭の中で考えながら、料理用のオイルを思いついた。
シーツは汚れてしまいそうだが……いや潤滑油でもどうせ汚れる、タオルを敷いて、それは魔法ででも洗うか捨てるかすれば……なんてその後のことを考えられるのはまだ冷静な部分があるからだ。
無理、無理、だめ、むり。
そんな言葉が並べられて、縁を掴んでいた手が俺の手に移る。
ぎゅっと掴むその手で、あ、もう我慢出来そうにないな、と鈴口に指をやった。
「ッあ、あ、や、っう、あう……!」
流石一回目、勢いよく、思ったよりも飛んだ。
まあ風呂場なので汚れたって流してしまえば大丈夫。
「や、しゃう、う、今っ、あ、出た、出たからあっ……」
「勢い良かったし、溜まってんのかなって。もっかいイっとこうか?」
「やあ……!」
ぐいぐい押してくる手には力がない。
これはいけるな、と思ったのだけれど、振り返ったノエは涙を浮かべたまま、ここだとお尻いたい、なんて言うものだから、
……言うものだから。
「じゃあベッド行こうか?」
思わずそう言ってしまった。
優しさでもなんでもない、こんなのはただの下心だ。
それなのに、涙目のままほっとしたように頷くノエに、きゅんとしてむらっとした。
かわいい、やっぱもういっかい……うん、見たいなあ。
「えっ、あ、えっ、べ、ベッド行くって……」
「うん、行く、ノエがもっかい出したらね?」
「う、うそつきっ……ぁう」
「嘘吐いてないでしょ、ほらもうお尻は痛くないでしょ?」
立ち上がらせて、上半身を壁に押し付けるようにし、腰を少し浮かせたままノエのものに触れる。
さっきと違ってかおは見えないけれど、それでも火照った背中が綺麗でちょっと腰にくるものがある。
細い首筋を舐めると、ひ、と頼りない声が漏れた。
それが面白くて、軽く、ほんの軽くだけ歯を立てると、食べないでえ、と震えた声。
こんなのはただのカップルの仲睦まじい光景だ。
だけど魔族からすると、冗談にならないのかもしれない。
人間は食べたりなんか、しないよ。
ノエは肌が綺麗で美味しそうだけど……それならもうちょっと太らせてからかなあ、と思ったけれど、そのちょっとした意地悪で本気でこわがられてしまったらかなしいから黙っておいた。
代わりにノエの顎を掴み、こちらを向かせて、噛み締めて紅くなった唇を食べることにする。
こっちに関してはこわがらずに舌を出してくるんだよなあ、寧ろ積極的。
「は、ァう、ふ……っう、う……ん、あっ、あ、や、しゃる」
「ん、もう終わり?」
「し、したい、けどおっ、や、出るう……あ、んう」
「いいよ、キスしたまんまでも。すきだもんね、ノエ」
「あ、すき、すきい、シャル、もっとお、ん、ッあ、う!」
テク云々じゃなくて、キスだけでとろっとろになってしまうのはちょっと複雑だけれど、その光景も、その蕩けた目元も開いたままの唇も、全身で俺に好意を向けるノエが堪らない。
本当に俺、なんでそこまでノエにすきになってもらえてるかわかんないんだけど。刷り込みのような恋だとわかっているけれど、目の前のかわいい子を離してやることが出来ない。
「っあ、ふ、らめ……あ、ん、んッ……」
ぎゅう、と瞳を瞑って、壁についた俺の手に自分の手を重ね、それに力を入れて、ぶる、と躰を震わせた。
暫くあ、あ、と力なく声を漏らしながら出し切ると、くてんと力が抜ける。
慌ててノエを抱えると、もう立ってらんない、と甘えた声で訴えてきた。
ベッドに連れてけってこと。
かわいくてにやけてしまいそう。
本当はもっとそのかわいいかおが、反応が見たくて色々したいのだけれど、かわいいからこそ俺ももう我慢出来なくなっちゃう。
暴走はしたくない。そこそこで切り上げることもだいじだ。
いつものノエより熱く感じる、力の抜けた躰を軽く拭いて、そのまま抱えてベッドに下ろす。
それだけの距離が長く感じるくらい、早くノエに触れたかった。
白い肌は蒸気して紅くなり、綺麗なピンクの胸元はまだ主張したまま。
頬や肩は林檎のようになってるし、瞳もとろんと溶けたまま、口元は早く、と言いたげに開かれて、足元がもぞ、と揺れた。
ちょっと違うけれど、据え膳、という言葉が頭をよぎった。
手を出さない方が失礼、出さない選択肢などない。
でも待て、と自分の理性がストップをかける。
前回はサキュバスの先回りのご厚意で潤滑油の準備があった。
こんな宿ではそんなものはない。
当然そんなやらしいものの準備は俺にもなかった。
つい数日前に拓かれたばかりのノエの躰はまだかたい。
こんなことで魔法を使いたくない。
俺が怜くんのように魔法使いと呼ばれるレベルなら魔法も有りかもと思うのだけれど。
少し考えていると、どうしたの、とノエが上半身を起こして不安そうに訊いてくる。
答えたところでノエは理解しないだろうなあと思いながらも、濡らすものがない、と答えた。これ前回もしたな。
ノエは少し考えて、いらないよ、と言う。馬鹿、いるよ、お前。
ないとしないの、と訊かれ、即答出来ない。俺も馬鹿だ。
「ノエが痛いんだよ、ってかそもそも挿入出来ないんじゃないかな」
そっと触れて言う俺に、あ、と声を上げたノエが慌てて口を押さえた。
やめてよ、やっぱり止められなくなっちゃう。
「……オイルとかありかな」
俺だってしたい、続けたい。
手持ちを頭の中で考えながら、料理用のオイルを思いついた。
シーツは汚れてしまいそうだが……いや潤滑油でもどうせ汚れる、タオルを敷いて、それは魔法ででも洗うか捨てるかすれば……なんてその後のことを考えられるのはまだ冷静な部分があるからだ。
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