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「あ……」
するりと脱がされた下半身がひんやりする。寒い訳ではない。でも普段はちゃんと部屋の中でも着てるから、違和感があるんだ。
レオンがその足を撫でたものだから、ついまたおじさんくさい、と悪態を吐いてしまった。
「そうだよ、お前と比べたらね」
「年齢、の話じゃなくてっ……」
「噛むぞ」
「ひえ……」
内腿の間に入ってそんなことを言うレオンが本当に噛みそうなので、思わずその足を引っ込めようとして、でも出来なかった。
しっかりとその足を掴まれていたから。
「そんな触り方してるから言われるんですよ」
「触り心地がいいんだよ」
「そこは柔らかい部分ですからねえ」
「そうだよ、だから噛んだら痛いぞ」
「えっ」
やっぱり冗談じゃなくて本気なのか、とまた足を引くけれどレオンは許さない。
撫で方もやらしいし、動物が噛むような、そんなものではないとはわかってるのだけど。
「……い、いたいのやだ、いやです、離して……」
「そう言われるとなあ」
「いやだ、噛まないで……ゔ」
シャツも脱がされた。その際乱れた髪を、アルベールはこんな時だというのにわざわざ整えている。
そしてレオンの返事も待たないまま、今度は下着に手をかけられた。
慌ててその手首を止める。と、今度はその手を止められた。
二対一では分が悪い。
「下着汚すの嫌だって言ってたでしょう?全部脱いじゃおうね」
「やっ、まっ、待って、待っ……だめ、今っ」
「もう汚したのか?」
「ちがうっ……」
「ほら、手を退けて」
「やだっ、噛まれる……っ」
「は」
「噛ま……」
ふたりの手が一瞬固まって、急いでその隙に少し下げられた下着を上げることに成功した。
自分の失言になんて気付かなかった。はは、とレオンが笑い出すまで。
「ふっ……ふふ、」
レオンの笑い声につられるようにアルベールも声を漏らした。
すぐ耳元でその柔らかい声が響く。
「かわいい」
「お前は……手を出すのが心配になってきた」
「もう出してるでしょう」
「……なんで笑うの、」
「かわいいこと言うから」
ね、とおれの指を下着から離させ、ぐい、と一気に脱がされてしまう。
今度は制止の手が間に合わなかった。
その下着をベッド下に捨てるように投げられる。どう考えたって手の届かない場所だ。
「ッん!」
既に緩やかに勃ち上がってるおれのものの先端に触れて、ここを噛まれると思ったの、とアルベールが尋ねた。
……だって。言い方が、柔らかいとこを噛むような言い方だったじゃないか。
「そこ、噛んだら痛い……」
「そりゃあ痛いだろうな」
「噛まないで……」
「噛む訳ないだろう、お前は……いや、逆に強請ってるのか?」
「この子がそんな駆け引き出来るような子だとでも?」
「末恐ろしい奴だな」
「無知って言うのは恐ろしいですね」
「え、あ、なんっ……ぅあ!」
ぶつぶつとふたりでなにか話していたかと思うと、レオンもおれのものに手を伸ばす。
アルベールの指先が離れて、今度はその手を太腿に置いた、と思った瞬間、背中が跳ねた。
レオンがおれのものを咥えたから。
「ンっあ、んんっ……あ、ゔ、なんれえっ……」
「イヴの敏感なところだもんね、噛んだりなんてしないよ、優しくしてもらおうねえ」
「んンー……っ、ん、あ、やあ、熱っ、いい……っは、あぅ」
何故だろう、キスの時より咥内が熱く感じた。
いや、そんな理由なんてどうでもいい。
あつくて、ねっとりして、なにこれ、すぐにイっちゃいそう、気持ちいい。
ぱくりとそのまま咥え、舌先で舐める。舌の腹を押し付けて、先端を吸って。
そんなのを数分も我慢できるような経験値はおれにはなかった。
「んう、あ、や、出るっ、出ちゃッ……あ、離して、離れてえっ……」
「んん」
「喋っちゃやだっ……むり、ほんとに無理だからあ……っ」
振動を感じる。
本当に無理、気持ちいいを増やさないで。
爪先がシーツを蹴る。ぎゅう、とアルベールの手首とレオンの肩を掴むけれど、その手には力が入らなくてふたりともぴくりともしない。
本音は気持ちいいから止めてほしくないのだろうか、いや、もうこれは本当にだめなやつで、もう終わって欲しいのは自分が限界だから。
だってまさか、今更と言われたらそうだけれど、第一王子の口の中で達してしまうなんて、そんな。
「出るっ、無理、もおがまんできなっ、いやあ、吸わなっ、でえ……!」
「我慢出来ない?」
「できない、ねえっ、レオンさま、出ちゃう、口、離してよお」
肩を押しても叩いても離れないレオンの口に、段々焦ってきた。
どうしよう、こんな気持ちいいの知っちゃったら、おれの躰贅沢になってしまう。
レオンとアルベールとはもう多分、これで最後なのに。
「アル兄さま、口、くち、出ちゃう、ほんとに無理、気持ちいい、いいからっ、ね、レオンさま離して……っ」
「レオンさまにも聞こえていて離れないのだから構わないよ、ほら、そのまま」
「んう……っあ!」
アルベールが胸元に触れた瞬間、びりっと電流が走ったようになって、足を突っ張って耐える間もなく、達してしまった。
腰が震えて、頭が一瞬真っ白になって、それから急に視界が滲む。
するりと脱がされた下半身がひんやりする。寒い訳ではない。でも普段はちゃんと部屋の中でも着てるから、違和感があるんだ。
レオンがその足を撫でたものだから、ついまたおじさんくさい、と悪態を吐いてしまった。
「そうだよ、お前と比べたらね」
「年齢、の話じゃなくてっ……」
「噛むぞ」
「ひえ……」
内腿の間に入ってそんなことを言うレオンが本当に噛みそうなので、思わずその足を引っ込めようとして、でも出来なかった。
しっかりとその足を掴まれていたから。
「そんな触り方してるから言われるんですよ」
「触り心地がいいんだよ」
「そこは柔らかい部分ですからねえ」
「そうだよ、だから噛んだら痛いぞ」
「えっ」
やっぱり冗談じゃなくて本気なのか、とまた足を引くけれどレオンは許さない。
撫で方もやらしいし、動物が噛むような、そんなものではないとはわかってるのだけど。
「……い、いたいのやだ、いやです、離して……」
「そう言われるとなあ」
「いやだ、噛まないで……ゔ」
シャツも脱がされた。その際乱れた髪を、アルベールはこんな時だというのにわざわざ整えている。
そしてレオンの返事も待たないまま、今度は下着に手をかけられた。
慌ててその手首を止める。と、今度はその手を止められた。
二対一では分が悪い。
「下着汚すの嫌だって言ってたでしょう?全部脱いじゃおうね」
「やっ、まっ、待って、待っ……だめ、今っ」
「もう汚したのか?」
「ちがうっ……」
「ほら、手を退けて」
「やだっ、噛まれる……っ」
「は」
「噛ま……」
ふたりの手が一瞬固まって、急いでその隙に少し下げられた下着を上げることに成功した。
自分の失言になんて気付かなかった。はは、とレオンが笑い出すまで。
「ふっ……ふふ、」
レオンの笑い声につられるようにアルベールも声を漏らした。
すぐ耳元でその柔らかい声が響く。
「かわいい」
「お前は……手を出すのが心配になってきた」
「もう出してるでしょう」
「……なんで笑うの、」
「かわいいこと言うから」
ね、とおれの指を下着から離させ、ぐい、と一気に脱がされてしまう。
今度は制止の手が間に合わなかった。
その下着をベッド下に捨てるように投げられる。どう考えたって手の届かない場所だ。
「ッん!」
既に緩やかに勃ち上がってるおれのものの先端に触れて、ここを噛まれると思ったの、とアルベールが尋ねた。
……だって。言い方が、柔らかいとこを噛むような言い方だったじゃないか。
「そこ、噛んだら痛い……」
「そりゃあ痛いだろうな」
「噛まないで……」
「噛む訳ないだろう、お前は……いや、逆に強請ってるのか?」
「この子がそんな駆け引き出来るような子だとでも?」
「末恐ろしい奴だな」
「無知って言うのは恐ろしいですね」
「え、あ、なんっ……ぅあ!」
ぶつぶつとふたりでなにか話していたかと思うと、レオンもおれのものに手を伸ばす。
アルベールの指先が離れて、今度はその手を太腿に置いた、と思った瞬間、背中が跳ねた。
レオンがおれのものを咥えたから。
「ンっあ、んんっ……あ、ゔ、なんれえっ……」
「イヴの敏感なところだもんね、噛んだりなんてしないよ、優しくしてもらおうねえ」
「んンー……っ、ん、あ、やあ、熱っ、いい……っは、あぅ」
何故だろう、キスの時より咥内が熱く感じた。
いや、そんな理由なんてどうでもいい。
あつくて、ねっとりして、なにこれ、すぐにイっちゃいそう、気持ちいい。
ぱくりとそのまま咥え、舌先で舐める。舌の腹を押し付けて、先端を吸って。
そんなのを数分も我慢できるような経験値はおれにはなかった。
「んう、あ、や、出るっ、出ちゃッ……あ、離して、離れてえっ……」
「んん」
「喋っちゃやだっ……むり、ほんとに無理だからあ……っ」
振動を感じる。
本当に無理、気持ちいいを増やさないで。
爪先がシーツを蹴る。ぎゅう、とアルベールの手首とレオンの肩を掴むけれど、その手には力が入らなくてふたりともぴくりともしない。
本音は気持ちいいから止めてほしくないのだろうか、いや、もうこれは本当にだめなやつで、もう終わって欲しいのは自分が限界だから。
だってまさか、今更と言われたらそうだけれど、第一王子の口の中で達してしまうなんて、そんな。
「出るっ、無理、もおがまんできなっ、いやあ、吸わなっ、でえ……!」
「我慢出来ない?」
「できない、ねえっ、レオンさま、出ちゃう、口、離してよお」
肩を押しても叩いても離れないレオンの口に、段々焦ってきた。
どうしよう、こんな気持ちいいの知っちゃったら、おれの躰贅沢になってしまう。
レオンとアルベールとはもう多分、これで最後なのに。
「アル兄さま、口、くち、出ちゃう、ほんとに無理、気持ちいい、いいからっ、ね、レオンさま離して……っ」
「レオンさまにも聞こえていて離れないのだから構わないよ、ほら、そのまま」
「んう……っあ!」
アルベールが胸元に触れた瞬間、びりっと電流が走ったようになって、足を突っ張って耐える間もなく、達してしまった。
腰が震えて、頭が一瞬真っ白になって、それから急に視界が滲む。
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