リスティリア救世譚

ともざわ きよあき

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第四章 贖いしカイオディウム

第一話 カイオディウムの真の歴史③

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 翌日、朝早くに四人はリラウフの街を出立した。
 宿の代金は前払いだったとはいえ、主人には礼の一つも言っておきたかったところだが、受付のカウンターには誰もおらず、呼んでみても一向に出てくる気配はなかった。外に出てみてもヒトの気配はない。早い時間ではあったが、リラウフの住民は随分とのんびりとした朝を過ごすようだ。
 四人とも魔法を用いた高速の移動には慣れており、首都ディフェーレスまで踏破することにしていた。前日の夜には、食事の後に四人で打ち合わせをした。万一妨害があった際にもそれぞれが首都ディフェーレスを目指せるよう、地図を広げてルートの確認を取っていた。ベルが意図的に脱走したことは、既にフロル枢機卿の知るところとなっており、ベルもその点については読んでいた。流石に今ベルがどこにいるかまでは把握していないはずだが、カイオディウムにおけるウェルゼミット教団の影響力は絶大だ。どこでどのように情報が伝わっているかわかったものではなく、首都に近づくほど妨害の可能性は上がっていく。事前に心の準備はしておくべきだと判断していた。
 首都ディフェーレスに辿り着いた後は、まずカイオディウム王家とベルが連絡を取り、『上』に潜入する手はずを整える。大聖堂デミエル・ダリアへ直接乗り込むことは避け、まずは国王の屋敷に入って拠点とする。
 できれば、気づかれることなくデミエル・ダリアまで到達することが最も望ましい。しかし、そう簡単に全てがうまくいくという保証はどこにもない。
 これからベルが起こそうとしているのは、国家の体制そのものに牙を剥くクーデターに等しい所業だ。失敗すれば当然、首が飛ぶ。総司とリシアも、その関与が知れてしまえば、逃げ延びたところでカイオディウムを除いて残すところ二つとなった目的地、エメリフィムとローグタリアを目指して旅をするにあたって大きなマイナスとなるだろう。
 だが、ベルはもちろん、総司とリシアにとっても、今はベルの行動に乗っかるほかに選択肢はなかった。現実的な話として、正面からもう一度総司とリシアだけで、枢機卿の元を訪ねたところで、“レヴァンフェルメス”を獲得できる可能性は限りなく低い。二人の目的達成のためには、クーデターとまではいかずとも、荒事に打って出る以外に選択肢はないかもしれない。それはベルと出会う前から覚悟していたことでもある。
 何よりこのままでは、ベルは二人の戦力を欠いたところで止まりそうもないのだ。
 ティタニエラにおいて苦楽を共にした間柄である。この場ですっぱり手を切ってしまえるほど非情になりきれないのも確かだった。
「詳しい作戦は、王サマと合流出来てから。何事もなく辿り着けることを祈ろっか」
「ま、強行突破が必要だってんなら、それはそれでわかりやすいしな」
 おどけた調子で総司が言う。人気のない、手入れのされていない木々が点々と無造作に立ち並ぶリラウフの街外れまでやってきて、いよいよ出立の時。四人が一斉に駆け出そうと、それぞれ魔力を迸らせたところで――――
 一番最初にミスティルが気づいた。
 “何か”を感じ取ったことは間違いがなく、鋭い眼差しが天へと向けらる。しかしミスティルは確証が持てずに眉根をひそめた。
「……これは……」
「ミスティル? どうした?」
 魔法の気配に鋭敏な総司が、ミスティルが感じ取っている“何か”に気づけていなかった。
 ミスティルが感じ取ったのは、リラウフの街の中心部、その遥か上空に現れた不確かな空間転移の魔法の気配だ。距離が遠すぎて、総司が気づくのは遅かった。しかし次元の魔女たるミスティルは、“自分の魔法と似た性質の魔法”が発動されたことを感じ取り、空に走る違和感に気づくことが出来た。
 ぎらりとミスティルの目に警戒の色が宿り、彼女はとっさにベルをかばうように動いた。何かが起こるとすれば真っ先にベルが狙われる。そう判断しての行動だった。
 だが、四人の眼前で巻き起こった“何か”は、そんな次元の現象ではなかった。
 巨大な流星の如く、金色の光を帯びた魔法の閃光が――――何もなかった天空の遥か彼方からまっすぐにリラウフの街に降り注ぎ、ズドン、という爆音を響かせた。
「……は……?」
 とんでもない衝撃だった。大地が揺れ、総司の体が大きく跳ねた。あまりにも突然に、目の前で信じられないことが起きて、間の抜けた声を上げて呆気に取られていた総司の体が、続いてぶつけられた衝撃波によって吹き飛ばされた。
「ソウシ!」
リシアが何とかその体を受け止めて支えた。巨大な魔法の閃光が大爆発を引き起こし、リラウフの街を一瞬で飲み込んでいく。
「“エルシルド・ディスタジアス”」
 ミスティルの声が響いた。
 白銀の魔力が渦を巻いて円形に展開され、四人を護る盾となり、正体不明のとんでもない魔法の余波を受け止める。ごうごうとうねりを上げて爆風が吹き抜けて、周囲の木々を、草木を吹き飛ばしていく。降り注ぐ魔法の閃光は未だ勢いを失っておらず、リラウフの街の中心部を蹂躙し続けていた。
「そんな……!」
 ベルが悲痛な声を上げた。
 やがて光が収まり、爆発が消え失せる。四人の目の前には、巨大なクレーターが出来上がっていた。
 天から降り注ぐ正体不明の魔法攻撃。その無慈悲な一撃によって、リラウフの中心部は――――貴族の屋敷を改装した宿があったあの場所を含む一帯は、跡形もなくなっていた。
「……嘘だろ……?」
 突如として襲い掛かった攻撃、そして齎された悲劇。ほとんど何の前触れもない唐突な、それでいてあまりにも無残な悲劇を前にして、総司ががくりと片膝をついて、めまいのする頭を手で押さえた。
「こ……こんな……こんなことが……!」
 リシアの声も震えていた。うまく言葉が出てこない。なんと言っていいのかわからない。
 しかし、リシアにはハッキリと感じ取れた。
 ミスティルが「空間に干渉する魔法」を感じ取った直後、圧倒的な力が発動する直前に感じられた力は、むしろリシアの方が馴染みがあったからだ。
「……“アポリオール・ゼファルス”……!」
 それは伝承魔法“ゼファルス”の一つ。“レヴァジーア”の上を行く、ゼファルスの攻撃魔法の一つ。この威力は、リシアにはまだ実現不可能な次元のもの。
 リシアと同じくゼファルスの魔法を継承し、より熟達していなければ達成不可能な所業。それが出来る存在は、今の世界には一人しかいなかった。
「そこまで堕ちたか、オーランドォ!」
 リシアは自らの祖父、オーランド・アリンティアスの名を叫ぶ。レヴァンクロスを抜き放ち、怒りを爆発させて、天を睨みつけた。
「“ジラルディウス”――――!!」
「待ってください」
 ゼファルスの翼を呼び出し、天に向けて今にも飛び立とうと踏み込んだリシアの肩を、ミスティルが強く押さえた。
「止めるな!! 身内の不始末だ、私が――――!」
「いませんよ、上には」
 きわめて冷静に、ミスティルが言った。
 空は晴れ渡り、天空には何も見えない。四人の目の届かない遥か天空から繰り出された最悪の攻撃の主は、もうそこにはいない。
 いや、最初からいなかったのだ。ミスティルが感じ取った空間に干渉する魔法で以て、何らかの魔法の礎が天空に出現し、リシアの祖父・オーランドの魔法をリラウフの上に落とした。
 言葉に表しようのない、形容しがたい感情が総司の胸に渦巻く。体が震え、現実感のない光景を目の前にして動けなくなっていた。
「これも大聖堂の機能の一つ、でしょうか? わかりかねますが……正確な位置までは把握出来ていなかったようですね」
「だったらなおのこと頭がおかしい!」
 総司が叫んだ。
「“正確にはわからなかったけどとりあえず撃った”ってことじゃねえか! 狂ってやがる!!」
 もう跡形もなくなってしまったリラウフの跡地へ、クレーターの方へと総司が駆け出した。たまらずベルも走り出した。
「まだ次がないとも限りませんよ――――って、聞こえてませんかね」
 ミスティルは極めて冷静だった。
 もともと、 “悪しき者の力の残滓”に少なからず影響されていたこともあったとはいえ、ヒトを滅ぼし尽くさんと決意を固めて、憎悪の感情の赴くままに力を振るおうとしていた彼女ではある。
 しかし、ティタニエラでの騒動を経て変わった彼女もまた、目の前の光景に何も思わないわけではなかった。
 それでも努めて冷静でいるのは、ミスティルしか敵の攻撃を事前に察知できないからだ。
 総司の魔法察知能力ですら掴み切れない空間への干渉を、ミスティルは感じ取ることが出来る。今、ミスティルまでもが冷静さを欠いてしまえば、「次」があった時に対応が出来ない。
 破滅的な力ではあった。だが――――と、ミスティルは空を睨む。
「次があるならば私が止めますので、リシアさんは周りを警戒してもらえますか」
「……そうだな。わかった」
 総司よりも、ベルよりもずっと。
 誰よりリシアが怒っていた。彼女の体から溢れる怒気は凄まじい。ミスティルの指示に静かに答えた彼女の声は震え、憤激が刻まれた横顔はまさに鬼の形相である。
 生真面目で、しかし時には総司と共に弾けるような笑顔を見せる普段のリシアからは、とても想像のつかない姿だ。努めて冷静でいようとしなければ、今にも暴れだしそうなほど、リシアは憤慨していた。
「気を付けてね、あなたは飛べないんだから」
 底が見えない巨大なクレーターの淵に立つ総司へ、ベルが鋭く警告した。跪いて一帯を確認するが、「跡形もない」とはまさにこのこと。リラウフのことを知らない者に、「ここに街の中心部があったのだ」と語ったところで、きっと信じてもらえないだろう。
「……俺達がここにいたからか」
 総司がぽつりと言った。ベルは「違う」と、彼が口にしようとした懺悔の言葉を遮った。
「あたしでしょ。おかしいな……ちゃんとアレは捨ててきたのに、どうやって……」
 カイオディウムにおいて、ベルが耳に着けていた十字架のイヤリング。教団の独自の通信手段としても使っていたらしいそれを、ベルはティタニエラに渡った時点で捨てていた。ティタニエラに飛ぶ前にわざと落としたイヤリングは、ティタニエラに飛んだ時点で川へ投げ捨てていたのである。それ以降、彼女の耳にきらめくものはなかった。
「どっちでもいいか……どっちでも、ここまでする理由にはならねえよなァ……!」
「……国の最重要人物を殺そうとしているっていうのが、バレてるなら……どうかな。ここまでしてでも、なのかな……ははっ……わかんないね……」
 遅れて出てきた涙をぐっと手で押さえて、ベルが弱々しい声で言った。
「ごめんなさい……こんなことになるとまでは……予想してなかった……」
 消え失せたリラウフへ向けてつぶやく。今となってはそうすることしか出来なかった。
 カイオディウムと言う国の異常性は、ある程度理解していたつもりだった。枢機卿を絶対とする支配体制の歪さ、そして教団の容赦のなさ。枢機卿と少し会話しただけの総司はもちろんのこと、内側にいたベルもよくわかっていたつもりだった。
 どうやらそれは勘違いだったようだ。ウェルゼミット教団の異常性と容赦のなさを甘く見ていた。
 街一つ滅ぼしてでも、反乱因子を撃滅する。
 それは、教団が築き上げてきた千年の歴史を何が何でも護り抜くという意思の表れ。
 既に総司たち四人はウェルゼミット教団の、カイオディウムの敵であり、その排斥のためには容赦はしないという意思表示だと理解し――――総司は、とりあえず一発、地面を殴った。
「“レヴァンフェルメス”を手に入れることが最優先だと、昨日リシアと話したんだ」
「……当然だよね。ソウシたちの目的はそれだもん」
 涙声で、ベルが言った。
「一晩で手のひら返して悪いがな、前言撤回だ。俺も、何が何でも、枢機卿ともう一度会いたくなった……!」
 フロルが命じたことなのか、それとも他の意思が介入したのかはわからない。だが、最高権力者がこの所業を知らないわけはないだろう。
「最後まで付き合うぜ、ベル。ただし枢機卿の返答によっちゃあ、お前がやる前にマジで俺がやるからな!」
 威勢よくそう言って、勢いよく立ち上がった総司の体がふらっと傾いた。
 涙を手で押さえていたベルは、見事に反応が遅れた。
 総司の体がふわりと、クレーターへと落ちていく。ベルがハッと気づいた時には、総司の体は既に落ち始めていて――――
 突然のことだったが、その顔は明らかに「意識を失っている人間」の表情そのものだった。
「えっ、なに――――」
 魔法の発動も遅れた。まさかそんなことが起きるだなんて予想もしていなかったし、ベルはまだ残虐な破滅の光景に動揺していて、正常な判断が出来ていなかった。
「っ……ソウシィィィ!」
 ベルが彼の名を叫び、迷わず自分も飛んだ。
 そして、クレーターの淵から飛んで数秒と経たない間に、ベルは金色の閃光に追い抜かされていた。
 ゼファルスの翼・ジラルディウスを纏ったリシアが、一直線にクレーターの底へと向かっていた。リシアはベルの叫び声を聞いて反応したわけではない。流石にそれでは説明のつかない速度だ。
 リシアの傍にいたミスティルが、クレーターの方向から再度「空間に干渉する魔法」の気配が感じられると気付き、リシアに警告したのである。リシアはミスティルの警告を聞いてから最速で飛んだが、しかし間に合わなかった。
 だがおかしい。自由落下しているはずの総司の体、その落下速度は、淵から飛んだベルと同じ程度のものであるはずだ。下へ向かって神速で飛行するリシアであれば、既に追いついていなければ不自然だが、総司の体は見えない。
「止まって!」
 クレーターの淵に転移魔法で移動したミスティルが叫んだ。穴の中に響いた声はリシアには届かなかったが、リシアはハッと何かに気付いて急ブレーキを掛けた。
 ジラルディウス・ゼファルスが発散する魔力の光に照らし出されたのは、クレーターの底。
 とんでもない速度で穴を進んだリシアは、総司に追いつくことがないまま、一番底に到達していたのである。
「なっ……!」
「転移の魔法、はともかくとして……彼の魔法耐性を超えて意識にまで干渉するとは……」
 クレーターの中ほどで、総司の体はどこかへ転移させられた。ミスティルが感じ取ったのはその魔法の気配だった。
 しかし、全開のミスティルとやり合っても、浅い傷がつくだけで致命傷には至らないほど魔法に対する耐性が高い総司の意識まで奪って、穴の中へ落とすとは、普通の魔法使いでは到底実現不可能な所業である。
 リシアがギュン、と上へ飛び、途中で浮いていたベルを拾ってすぐさまクレーターの外へと飛び出す。
「ミスティル、何が起こった!」
「恐らく転移魔法の類ですね。ソウシさんは既にここにはいない。どこかへ連れ去られたようです」
「そんな……!」
「ごめんリシア、あたしが油断してた……!」
 ベルが慌てふためきながら謝罪の言葉を述べた。自分より慌てている人間を見ると落ち着くもので、リシアは冷静さを徐々に取り戻した。
「いや……ベルのせいではない。無抵抗に落ちていったということは、恐らく意識がなかったのだろう?」
「うん、そう見えた……眠るような感じで……」
「そんなことが起こり得るとは予想が出来んよ。しかもなんの前触れもないのではな……」
 クレーターを睨みつけ、ミスティルが言った。
「……少し時間をください。私なら多少は読めるかもしれません」
「済まない、頼む」
 出立から小一時間と経たない間に、とんでもない事件が起き過ぎている。カイオディウムの旅は、始まりから波乱万丈に過ぎた。しかし泣き言を言っていられる場合ではない。
 リラウフの悲劇もそうだが、何よりも今は総司の行き先を把握し、彼と合流しなければならない。総司の意識にまで干渉できる「何か」がいるのだとすれば、リスティリアにおいては高い戦闘能力を誇る総司であっても無事では済まない可能性もある。
「無事でいてくれ……!」
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