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4巻
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◇◆◇◆◇
「行ったか。久々に慌ただしい日々だったな、モリス」
顎鬚に手を当てながら、壮年の男が目の前から延びる道の先を見つめて呟いた。
男が立っているのは、辺境都市ツィーゲをぐるりと囲む外壁の上にある通路。
本来は警備を行う兵士しか通れない道なのだが、この街の盟主たる壮年の男、レンブラントであれば、フリーパスで入ることができる。
ツィーゲは、東西は天然の外壁とも呼べる高い崖に守られ、南北は住民たちで築き上げた頑強な岩壁に守られている。強力な魔物が巣食う『絶野』と呼ばれる荒野に面した南部は、とりわけ堅牢な外壁に守られていた。
が、今彼らがいる北東部分だけは少し様子が違う。
ここからは、綺麗に舗装された道がまっすぐに延びているのだ。
街を守る外壁も、この道に沿うようにして続いていく。
草原や森が手付かずで残っている他の方角と比べると、かなり異様な光景だった。
「はい。しかし……こう言っては不謹慎かもしれませんが、退屈しない毎日だったかと」
「うむ。なにせ商人として独り立ちして一年と経たず、この黄金街道を利用できるほどの力を持つ少年だからな」
「……いるものなんですなあ、恵まれた星の下に生まれた方というのは」
レンブラントの脇に控えていた、彼の執事であるモリスが主の言葉に応じる。
レンブラントとモリス。
ツィーゲで絶大な力を誇る豪商とその執事。
彼らは最近関わりを持ったある少年について、普段あまり見せない心底愉快そうな表情を浮かべながら話し合っている。
少年が見えなくなってもなお、彼らは街道の彼方を見つめていた。この街道、その名を黄金街道という。
この世界において最高に安全で、最高に高価な道。
黄金街道は南端をここ、アイオン王国の辺境都市ツィーゲ、北端をグリトニア帝国の交易都市ロビンとし、道に接する四大国によって整備が行われ、維持されている。
この道を介してつながっている各都市は例外なく高い壁に守られているのだが、その理由は黄金街道自体にある。
――商人が大量の物資を安全に運ぶ為、国の重要人物が安全に移動する為。
よって、まず外敵から道を守るために壁が築かれ、やがて都市自体への侵入者を防ぐための強固な外壁へと発展していった。
利用にはかなりの金額を求められるため、通行者に庶民の姿は殆どない。
冒険者は、要人の護衛などで多少見かける程度だ。
「まったくだ」
「休みなく乗り継いだとして……、学園都市に到着するのは三日後といったところでしょうか」
乗り継ぐ。
黄金街道の中継地となっている街には転移魔法用の魔法陣が設置されており、街道で繋がる隣接都市への移動が可能である。
ならば転移魔法陣を使って直接都市に移動するほうが安全なように思えるだろうが、この移動手段には欠点がある。
物品の転移の成功率が低く、破損も日常茶飯事なのだ。
だから、商人たちは黄金街道を利用するのである。
荷物を運ばない重要人物が、転移魔法陣を使わず街道を選ぶのは、『黄金街道を使っている』というのがある種のステータスだからである。
だから、転移魔法陣が設置されていてもなお、黄金街道は利用されるのだ。
今日、ツィーゲを発った話題の少年、ライドウは黄金街道を歩くのではなく転移魔法陣を乗り継いでいく方法で、遠方の学園都市ロッツガルドを目指すことにしていた。ステータスなどに興味を持たないこの少年は、より手軽な手段を選んでいる。
当然、ツィーゲから転移魔法陣を利用している真の姿はレンブラントとモリスの視界には映らない。が、彼の宿泊予定の中継都市も、目的地の学園都市ロッツガルドも黄金街道の先にある。
彼らの視線の向こうに、間違いなくライドウはいるのだ。
「しかし、リサも娘達も、せめてライドウ殿の見送りぐらい顔を出せばよいものを。ライドウ殿なら身なりなど気にもせんぞ」
「女性には女性の考えというものがおありなんでしょう。ライドウ様が気にせずとも、奥様とお嬢様達の方が気にされているのかもしれません」
「まだ顔色も髪も元通りとはいかぬが、立つことも歩くこともできるのだ。命の恩人への礼儀として、どうかと――」
レンブラントの妻と二人の娘は、呪病と呼ばれる魔法によってその命を脅かされていたところを、ライドウによって救われたのだ。
家族の行動が礼節を欠いていると感じたレンブラントが苦言を呈するも、モリスはそれを巧みに宥める。
「恩人だからこそ、きちんと快復した姿でお礼を言いたいのでしょう。一日も早く全快するべく頑張っておられるとメイド達から聞いておりますから」
「ふむ……そんなものか。ところで、話は変わるのだがな、モリス」
執事であるモリスに自身の言葉を遮られたレンブラントだったが、それに苛立つ様子も見せず、会話を続ける。
彼の目は、先ほどまでの恩人の少年のことを考える男の目でも、家族を想う父親のそれでもない。
仕事の、商人の光を宿していた。
「なんでしょうか?」
モリスもそんな主の変化を察して、幾分か硬い様子でレンブラントに尋ねる。
「巴殿と澪殿だがな。お前から見て、どうだ?」
巴と澪。ライドウの従者であり、それぞれ巴は元竜、澪は元大蜘蛛という異形の者である。
「……あのレベルが示す通りの戦力で、私の力量ではどちらにも敵いませんな。もし、相手にするならばいくばくか澪様の方が楽でしょうが……。とにかく、レベルに見合った優秀な方々かと。何かあれば非常に厄介ですが、今の立場を考えれば、お二人とも自身の力を使って我々に刃向おうなどとは考えますまい」
「……。まあ、軒先を借りる分は弁えている、と言ってくれた巴殿の言葉を信じる他ないな。では、うちの店に常駐することになったクズノハ商会の連中についてはどうだ?」
「何度か話をした限りでは、ドワーフの方はいかにも職人らしい堅物ですな。彼の下についている若いドワーフたちが主に接客をしているようなので、商品の作り手が多少頑固者でも問題はなさそうです。巴様と一緒に一度だけみえた方は、見たところヒューマンのようでもありましたが、褐色の肌といい、紅い瞳といい亜人かと思います。ただ、礼儀正しかったですし、問題を起こしそうにはみえませんでした。事実、クズノハ商会は連日売り切れの盛況です」
「ライドウ殿、開店時の人不足は亜人雇用で乗り切ったが……このままヒューマンの雇用はせんつもりなのか?」
レンブラントは首をかしげる。
クズノハ商会の雇用している亜人は、ヒューマンに近い外見をした者が多いが、肝心のヒューマンの従業員は、一人もいない。
武器作りの才を持つドワーフなど、亜人と呼ばれる種族の中には、一芸に秀でた技能を持つ者も少なくない。それらを生かすため、亜人を雇い入れることは理にかなっている。しかし現実には、亜人の雇用は非常に珍しい。
この異世界の創造神である女神から認められ、「祝福」を受け加護をもらっているのはヒューマン種のみ。
自分たちは選ばれた種族である、という価値観を持つヒューマンたちにしてみれば、女神の祝福を受けていない亜人は対等な立場ではなく、あくまで自分たちの生活を豊かにするための道具でしかないのだ。
こうした考え方には、自分たちより優れた力を持つ亜人たちが、ヒューマンに取って代わって世界を治めてしまうことへの潜在的な恐怖も影響している。
異世界のヒューマンにとってごく自然なこの感覚からすれば、同じヒューマンだと認識しているライドウのやっていることは異端なのである。
「ライドウ様は色々な亜人の言葉を知っているようですし、コストや能力を重視しているのかもしれません。私の個人的な印象ではありますが、差別というものを嫌っているように感じました」
「コストに能力、か。確かに、危険な場所柄、ツィーゲではそういった能力主義も受け入れられつつある。ライドウ殿はツィーゲどころか荒野で暮らしていたというから、その傾向が強くても不思議はないか。私自身、優秀なら亜人だろうがヒューマンだろうが気にならんからなあ、最近は」
「仰る通り、ライドウ様が人種を気にしないのは確かかと。それ自体に問題があるとは思えません。……ただ、世間では亜人蔑視の風潮は根強いです。世の理に背くような行き過ぎた能力主義の浸透は、いずれヒューマンと亜人との間で争いを起こしかねませんが……」
モリスは、やや憂いを感じさせる口調でレンブラントの考えを消極的にではあるが肯定する。
同時に、亜人の立場が上がりすぎればヒューマンとの間に軋轢が生まれる時が来るのではないかと、心配も付け加えた。
レンブラントはモリスを宥めるように語りかける。
「そうは言っても、少なくともクズノハ商会がその問題の起爆剤になることは、今はなかろう。まだ本拠地としての店も構えずうちに間借りしている身なのだし、無茶はしまいよ。種火が燻るようなら、一度巴殿らに話をすればよかろう。クズノハ商会とて、まったくヒューマンを雇わない気ではないさ」
「ええ。一番厄介になる冒険者の反発は、あのお二人がいる以上は抑えられるでしょうから、当面は大丈夫かと存じますが……」
レンブラントもモリスも、クズノハ商会の将来に多少の憂いを抱いているのは間違いなかった。
「そういえば、ライドウ殿は先の街のどこかでもう一人の従者と合流すると言っていたな。一度会っておきたいものだ……次、こちらに帰ってくる時には連れてきてくれると良いが」
「我々も調べてはみましたが、どこの誰かどころか、ライドウ様との繋がりすらわかりませんでした。ライドウ様のことも同様です。ここまで何もわからないとなると、実は、語り継がれている伝説の生き物の類なのではないかと疑いたくなりますな」
「……モリス、ライドウ殿がこの場にいないとはいえ、そのような物言いはどうかと思うぞ」
レンブラントは苦い顔をモリスへ向ける。
「申し訳ありません。しかし、得体が知れない存在を表す言葉が他に浮かびませんでした」
「……まあ、よい。だが確かに、彼ほどの人物がそうそう頻繁に現れるのも困りものだな。よくよく考えると、言い得て妙かもしれぬ。とりあえず、調査結果はもうそれで構わん。駄目元でやらせていた部分もあったしな」
「……だからこそ、我々としては何がしかは掴まなければと奮闘したのですが。申し訳ありません」
「いい。そういえば、ギルドへの登録後、巴殿と澪殿のレベルについて城から問い合わせがあったが……」
「!!」
城から、というレンブラントの言葉にモリスは全身を強張らせる。
アイオン王国の手が伸びてきたとなると、今後、ライドウの動きがかなり制限されることになるのではと考えたためだ。
「モリス、どうして緊張しているんだ? 『問題ありません。未だ商人としてまともに活動していませんので。何かわかり次第報告致します』と型通りの返事をしておいたよ」
「旦那様……」
「そんな顔をするな。このような辺境に根をおろすとな、国に帰属しているという意識がどうにも薄れてくるのだ。もっとも、私が移住者というのもあるが。大体、この街にいる王国の役人がツィーゲになにかをしてくれているわけでもないしな。家族の命の恩人と役立たずの金食い虫を天秤にかければ、私の行動は自ずと決まると思わんか?」
そう言ってレンブラントはモリスを見やる。
「……確かに。ここに送られてくる国からの役人は、誰も彼も賄賂のことしか考えておりませんからな。実質、我々商人による自治都市と変わりません。ただ、このような話題は――」
「わかっている。ここだけだ。油断していつの間にか背後を取られるようなことにはせん」
モリスに向けて、子供が悪戯をした時のような幼い表情を見せるレンブラント。
「……巴様に後ろを取られたことでしたら、どうかお忘れ下さい」
己の失態を思い出して、居心地の悪そうな様子を見せるモリス。
彼は以前、巴を街の本屋の前で見かけた時に、その実力を確認しようと気配を消して接近を試みたことがある。
店内に足を踏み入れ、さあ背後を取ろうと思った瞬間、巴の姿は彼の視界から消え、逆に自分が後ろを取られたという訳だ。
その時感じた巴の脅威はモリスの予想を遥かに超えており、彼は絶対に敵対するべきではないと肝に銘じたのだった。
モリスはその自身の体験を主であるレンブラントにそのまま伝えた。結果、彼に大笑いされたのだった。
それは、巴や澪が本気になったら自分はレンブラントの最後の盾として機能できない、ということの報告でもあった。
『モリスが全ての手を尽くしたのに、それでも駄目なら私にも打つ手はない。気にするな』
律儀に報告したモリスに、レンブラントはそう返したのだ。
「すまん。今の話は忘れてくれ。……ロッツガルドでライドウ殿は一段と手強くなっていくだろうな。あの都市で勉学に励むことによって今まで以上にこの世界を知るだろう。精神的な面ではこれまでのままでいて欲しいと思ってしまうのは、長年商人として過ごした性だな」
学園都市ロッツガルドで様々な物事を吸収したライドウは商人として確実に力をつけていくだろう。
レンブラントはそう予測している。
ライドウがどう成長しようとも、彼にアイオン王国に属する気がなく、かつツィーゲを本拠地にしようとしていないことはレンブラントにとっては悪くない展開だった。
地域や品目で競合しないのならば、ライドウとクズノハ商会はかなり魅力的なパートナーだと彼は感じていたからである。
それに、巴と澪の件もあった。
レンブラントですら、冒険者レベル四桁など生まれて初めて見た。
対峙するだけで、相当なプレッシャーと緊張感に耐えなければならない。
その気になれば街の一つや二つ、容易に消し飛ばす、ドラゴンよりも厄介な存在なのだから無理もない。
クズノハ商会の商売相手が己に有利な交渉をしようとしても、余程の胆力が無ければ、そもそもテーブルにつけないだろう、ましてや普通の商人なら、逆に巴と澪からの要望を丸呑みする結果になることも珍しくない、とレンブラントは考えていた。
ツィーゲという街は、クズノハ商会の来訪でその状況を大きく変えつつある。
冒険者ギルドに集まる荒野関連の依頼は、数は多いが達成率が悪いのが特徴だった。
だというのに、クズノハ商会が現れ、巴と澪が冒険者ギルドに出入りするようになってから、依頼の達成率が上がっている。
もっとも、この評判が広まれば、潜在的に存在している荒野についての依頼の需要を掘り起こすのは明確で、人手不足はすぐに解消されることはないだろう。
「ところで旦那様。ライドウ様に勇者の件を話してしまってもよろしかったのですか? 中には伏せておくべき情報もあったと記憶していますが」
「妻も娘もライドウ殿にひどく感謝しているのだ。できるだけのことをしてあげて欲しいと言われているし、あの程度は構わん」
「ですが、情報の安売りはこちらを低く見せることにもなりかねません。少しご自重くださいませ」
主の軽挙にみえた行動を諌めるモリス。
「良いのだ。むしろ、こんなことで欠片でも信頼が得られるなら大儲けだとさえ思っている。それに――」
「それに?」
「ライドウ殿は裏切らん。おそらく、彼からは絶対に」
「……いくらなんでも、そんな商人はおりませんよ。彼とて商機を見つけ勝負の時と感じたならば、自らの商会の拡大に動くことでしょう」
モリスの言葉を遮り、レンブラントは口を開く。
「いや、なぜかな。そう私は感じているのだ。それも確信をもってな。……ライドウ殿は、容易く把握できるようでその底がまるで見えん御仁だと、認識しているにもかかわらず」
レンブラントは、自分でもよくわからないといった顔をしてモリスに笑いかけた。
「……出すぎたことを申しました」
それがレンブラントの直感であり、判断だというならモリスにはそれ以上の意見はない。
そうしてやってきた長い年月と成功の結果が、モリスを納得させた。
代わりに彼は報告を続けることにした。
「それから一点、グリトニアの勇者について続報がございます」
「ん、聞こうか」
「はい。彼はグリトニア帝国にて順調に成果を出しています。そして同時に、第二皇女の〝研究〟にも使われ……いえ、協力しているようです」
モリスの報告を聞いている最中、レンブラントは研究という言葉に身を強張らせた。
グリトニア帝国には以前から戦力増強のために人体実験を行っているという噂があり、レンブラントもそれを知っていた。
だが、勇者の降臨以後も実験を続け、さらに勇者をも巻き込んでいるのは彼にとって初耳だった。
「グリトニアは、女神が遣わした勇者を兵器として運用するつもりなのかもしれんな」
「考えられないことではありません」
「……勇者とは、そこまで従順なものなのか? 確かに、御しやすい英雄や勇者は、それを有する国にはありがたい存在だろうが……」
強い力を持つ存在は、それだけ強烈な自我や意識を持っていることが多い。
つまり、コントロールしにくい存在だとレンブラントは認識していた。
「まだ少年と聞きます。グリトニアはリミアと双璧をなす大国ですから、少年の持つ程度の欲望でしたら、簡単に満たしてやれましょう」
子供のわがままを聞いてやって、その手綱を握る。
英雄を操る手段としては随分と簡単だ。
「実は哀れな存在なのかもしれんな、勇者というのも。目先の欲望の充足を餌に魔族との戦争に利用される、か」
(本人にそういった自覚がないのならまだ良いのだがな。しかし、何かと引き換えに権力や肩書きを得ようとするなど、愚者でしかない。そういうものかもしれん。誰もがライドウ殿のようにはなれん、よな)
レンブラントは心中で嘆息した。
彼は、同じく少年であり、商会を興し、力を得ようとしているライドウにはそういった感情を持ってはいない。
彼はレンブラントが評価する要素をいくつも有しているからだ。
その中には、優れた側近である巴や澪も含まれている。
「……また、リミアの勇者にもグリトニアの勇者にも、学園に近付く様子はございませんでした」
「現状を察するに、彼らは前線の切り札だからな。万が一とは思ったが、学園に火の粉が飛ぶことは考えずに済みそうだな」
「はい。お嬢様方の復学も予定しておりますゆえ懸念しておりましたが。どうやら、実行間近といわれる対魔族戦争最大の要所、ステラ砦奪還戦のことで頭が一杯なのでしょうな」
「ステラ砦……眉唾ものの逸話のある四腕の将軍が守る難関らしいな。今回は人助けをして回っているとかいうリミアの勇者も攻略に参加するのか。確か……ヒビキ・オトナシとかいったな」
リミアの勇者については良い評判ばかり伝わっていた。
近隣の中小国家へと精力的に訪問し、彼らが抱える問題の解決に努める、御伽噺に出てくる勇者様を地でいく人物、という話。
レンブラントはそれらの風聞は操作されたものだと断じ、聞き流していた。
そのような聖人君子みたいなヒューマンなどいる訳がないというのが、レンブラントの考えだった。長年商人として活動し、様々なヒューマン――特に汚い連中――を見てきた彼にとって、そう考えるのは自然なことである。
それゆえ彼にとってはリミアの勇者ヒビキよりも、物欲も色欲も持つグリトニアの勇者トモキの方が理解しやすかった。
「ええ、二人の勇者初の共闘になりますな。可能な限りの情報が集まるよう手配しております」
「助かる。あそこの攻防は勝敗がどうなるにせよ、今後の、この世界の流れを読む大きな材料になる。結末は正確に予測しておきたい」
「はい。数日後が楽しみですな。ところで――」
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