356 / 551
三章 ケリュネオン参戦編
ざわめく闘技場の真
しおりを挟む
こちらは「月が導く異世界道中」8巻収録箇所のダイジェストその1になります。
********************************************
闘技大会の華である団体戦。
今年の決勝は僕の講義も受けている学生、ジン=ロアンを中心とするパーティが優勝して終わった。
……はずだった。
彼らの決勝の相手は、ここ最近何かと僕に突っかかってきていたリミア王国の有力な貴族の息子とその仲間達。
イルムガンド=ホープレイズ御一行だ。
ちなみに僕の生徒にも一人アベリア=ホープレイズって娘がいるけど、まあ事情があるにせよ偶然にせよ、彼女から打ち明けられてない以上、僕の方では気にしない事にしてる。
で。
かなり不利な条件での試合にも関わらずジンとイズモ、それにユーノは完勝したんだ。
なのに、どうもイルムガンド君の様子がおかしい。
終了のコールは済んだのに舞台から去る気配もなく、ジン達もまた警戒を緩めていない。
そうして会場の注目を集める中、ソレは始まった。
イルムガンド君の体と、彼を取り巻く魔力が不自然な動きを見せた。
巴、澪、識。
僕が頼る三人の従者に状況を推測してもらう限り、彼は人を辞めようとしているらしかった。
ただ、自発的にという訳じゃなく何らかの要因によって無理矢理に、だという。
変異体、とでも呼ぼうか。
はあ……。
また事件だよ。
まったく、筋書き通りに進んで終わった試しがない。
ロッツガルドは比較的平和な街だ。
僕から見ればヒューマンと亜人の間にある結構な差別なんかが平和には映らないけど。
少なくとも世界規模でヒューマンと魔族が戦争やってるって状況から考えれば十分平和だ。
僕としてはこの一件、まあ魔族とはこの間そこそこ良い関係を築いたとこだから彼らって線はないだろうな、と考えていた。
ええ、即座に識に否定されましたよ。
状況から間違いなく魔将ロナの仕業、つまり魔族が絡んでいるってね。
ははは。
まあ、そういう事だ。
笑うしかない。
敵の敵は味方なんて、そんな理屈は現実には成り立ちはしないって、そのくらいの事は僕にだってわかっていて。
なのに自分がその渦中に入った時、簡単に信じてしまっていたんだから。
騙された、って言葉が頭をぐるぐるしてる。
つくづく僕には策略とか陰謀とかは向いてない。
これはもう勉強不足って次元じゃなく、向き不向きといってもいいんじゃないかとも思い始めてる。
だけど諦めてばかりもいられない。
僕が一人ならそれでも構わないんだけどさ。
今の僕には守らないといけない人達もいる。
いつの間にか、出来てしまった。
だから苦手だろうとなんだろうと逃げるのはナシだ。
頭には頭で対抗する、だけが全てじゃない。
僕には、僕らにしかできないやり方ってのもある。
いいさ。
ロッツガルドの商人も、魔族も。
それからよくわからない貴族からの嫌がらせも。
対処させてもらおうじゃないか。
ただし、頭脳じゃなく……主に腕力でね。
ついでに作戦に殆どを巴の案に頼ったのは内緒だ。
良いんだ、僕の担当は多分そっちじゃないんだから。
適材適所ってやつで、柔軟に行こう。
さあ、クズノハ商会出動と行こうか。
********************************************
闘技大会の華である団体戦。
今年の決勝は僕の講義も受けている学生、ジン=ロアンを中心とするパーティが優勝して終わった。
……はずだった。
彼らの決勝の相手は、ここ最近何かと僕に突っかかってきていたリミア王国の有力な貴族の息子とその仲間達。
イルムガンド=ホープレイズ御一行だ。
ちなみに僕の生徒にも一人アベリア=ホープレイズって娘がいるけど、まあ事情があるにせよ偶然にせよ、彼女から打ち明けられてない以上、僕の方では気にしない事にしてる。
で。
かなり不利な条件での試合にも関わらずジンとイズモ、それにユーノは完勝したんだ。
なのに、どうもイルムガンド君の様子がおかしい。
終了のコールは済んだのに舞台から去る気配もなく、ジン達もまた警戒を緩めていない。
そうして会場の注目を集める中、ソレは始まった。
イルムガンド君の体と、彼を取り巻く魔力が不自然な動きを見せた。
巴、澪、識。
僕が頼る三人の従者に状況を推測してもらう限り、彼は人を辞めようとしているらしかった。
ただ、自発的にという訳じゃなく何らかの要因によって無理矢理に、だという。
変異体、とでも呼ぼうか。
はあ……。
また事件だよ。
まったく、筋書き通りに進んで終わった試しがない。
ロッツガルドは比較的平和な街だ。
僕から見ればヒューマンと亜人の間にある結構な差別なんかが平和には映らないけど。
少なくとも世界規模でヒューマンと魔族が戦争やってるって状況から考えれば十分平和だ。
僕としてはこの一件、まあ魔族とはこの間そこそこ良い関係を築いたとこだから彼らって線はないだろうな、と考えていた。
ええ、即座に識に否定されましたよ。
状況から間違いなく魔将ロナの仕業、つまり魔族が絡んでいるってね。
ははは。
まあ、そういう事だ。
笑うしかない。
敵の敵は味方なんて、そんな理屈は現実には成り立ちはしないって、そのくらいの事は僕にだってわかっていて。
なのに自分がその渦中に入った時、簡単に信じてしまっていたんだから。
騙された、って言葉が頭をぐるぐるしてる。
つくづく僕には策略とか陰謀とかは向いてない。
これはもう勉強不足って次元じゃなく、向き不向きといってもいいんじゃないかとも思い始めてる。
だけど諦めてばかりもいられない。
僕が一人ならそれでも構わないんだけどさ。
今の僕には守らないといけない人達もいる。
いつの間にか、出来てしまった。
だから苦手だろうとなんだろうと逃げるのはナシだ。
頭には頭で対抗する、だけが全てじゃない。
僕には、僕らにしかできないやり方ってのもある。
いいさ。
ロッツガルドの商人も、魔族も。
それからよくわからない貴族からの嫌がらせも。
対処させてもらおうじゃないか。
ただし、頭脳じゃなく……主に腕力でね。
ついでに作戦に殆どを巴の案に頼ったのは内緒だ。
良いんだ、僕の担当は多分そっちじゃないんだから。
適材適所ってやつで、柔軟に行こう。
さあ、クズノハ商会出動と行こうか。
1,081
あなたにおすすめの小説
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――
金斬 児狐
ファンタジー
ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。
しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。
しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。
◆ ◆ ◆
今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。
あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。
不定期更新、更新遅進です。
話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。
※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。