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47 side国王
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私の娘の様に可愛く愛しいヤスミーン。
わしは姉上の孫として誕生した姪孫を心より愛しんでいる。
少し前にミーンの両親が不慮の事故により他界した事によって公爵家の嫡子である彼女を次期女公爵として認めた。
元々ミーンは幼き頃より優秀な子供だった。
欲を言えば我が息子と結婚して欲しい〰〰〰〰。
王太子には正妃がおる故に第二王子のカルステンとはどうかとな。
幼い頃よりミーンが王宮へ伺候する度にさり気なく聞いていたのじゃが……。
『殿下とは書類上結婚が出来ますがでもそれだと血が濃くなってしまうでしょう』
まだたった5歳と言うのにやんわりと当たり障りなく拒否をするミーンは何とも可愛いと思ったものだ。
常に公爵令嬢らしくツンと胸を張って澄ましたお人形の様な愛らしいミーン。
じゃがその心内では両親に愛される事のない寂しい幼少期を送っておった。
祖母である姉上達が両親を諫めるけれども一向に改善はされない。
公爵夫妻にしてみれば政略結婚し無事に嫡子を儲けたのだから、残りの人生は愛する者と幸せに暮らすとふざけた事ばかり並べて言う。
確かにそれはわからぬ話でもない。
貴族故に契約と言う柵で雁字搦めにされる人生。
そこへ領地領民の生活までも背負っているのだからな。
だがそれ故に領民達はそれぞれの己が領主へ生活の安定の為に税を治めるのだ。
わしの甥である公爵は領地運営等に関しては問題のない男だった。
だが家族……ミーンに対してだけは最低最悪な親でもあった。
だからこそ姉上を始めわしらはミーンを愛した。
久方ぶりの女の子。
然も本当に目に入れても痛くない程に美しくも愛らしい。
何物からも護りたいと願う程に……。
そしてわしが長期の外遊へ出向いている折にあの馬鹿はミーンの婚約を決めてしもうたのだ。
まあ貴族の婚姻はわしの許可がなければ行えない。
様子を見て婚約を解消させればいいと思っていた矢先に甥夫婦は事故で亡くなりミーンはある意味一人ぼっちになってしまった。
反対を持ち込む材料も見つけられずにいた当時のわし……あの頃の自分をぶん殴ってやりたいと思う。
つい魔が差し早く家族を与え、幼い頃より寂しいのを精一杯我慢していたミーンに愛と安らぎを与えたいと思い婚前での同居を命じた。
この点については今でもわしは家族親戚中より集中砲火を浴びている。
特に妻である王妃とミーンの祖母である姉上に未だ健在な母上の怒りは凄まじい。
お陰でわしは王宮の裏で女性陣にタコ殴りされてしまったぞ。
まあその場の状況に流されるままに王命を下したわしが悪いのだが……。
そうしてカルステンの主導で侯爵家の奥深くまで調べてみれば思いもしない、まさかこの様な事実が隠されていたとはな。
さあこれよりは国王としてしっかりと罪を裁いてくれるわ。
ただしこれは断じて八つ当たり……ではないぞ。
わしは姉上の孫として誕生した姪孫を心より愛しんでいる。
少し前にミーンの両親が不慮の事故により他界した事によって公爵家の嫡子である彼女を次期女公爵として認めた。
元々ミーンは幼き頃より優秀な子供だった。
欲を言えば我が息子と結婚して欲しい〰〰〰〰。
王太子には正妃がおる故に第二王子のカルステンとはどうかとな。
幼い頃よりミーンが王宮へ伺候する度にさり気なく聞いていたのじゃが……。
『殿下とは書類上結婚が出来ますがでもそれだと血が濃くなってしまうでしょう』
まだたった5歳と言うのにやんわりと当たり障りなく拒否をするミーンは何とも可愛いと思ったものだ。
常に公爵令嬢らしくツンと胸を張って澄ましたお人形の様な愛らしいミーン。
じゃがその心内では両親に愛される事のない寂しい幼少期を送っておった。
祖母である姉上達が両親を諫めるけれども一向に改善はされない。
公爵夫妻にしてみれば政略結婚し無事に嫡子を儲けたのだから、残りの人生は愛する者と幸せに暮らすとふざけた事ばかり並べて言う。
確かにそれはわからぬ話でもない。
貴族故に契約と言う柵で雁字搦めにされる人生。
そこへ領地領民の生活までも背負っているのだからな。
だがそれ故に領民達はそれぞれの己が領主へ生活の安定の為に税を治めるのだ。
わしの甥である公爵は領地運営等に関しては問題のない男だった。
だが家族……ミーンに対してだけは最低最悪な親でもあった。
だからこそ姉上を始めわしらはミーンを愛した。
久方ぶりの女の子。
然も本当に目に入れても痛くない程に美しくも愛らしい。
何物からも護りたいと願う程に……。
そしてわしが長期の外遊へ出向いている折にあの馬鹿はミーンの婚約を決めてしもうたのだ。
まあ貴族の婚姻はわしの許可がなければ行えない。
様子を見て婚約を解消させればいいと思っていた矢先に甥夫婦は事故で亡くなりミーンはある意味一人ぼっちになってしまった。
反対を持ち込む材料も見つけられずにいた当時のわし……あの頃の自分をぶん殴ってやりたいと思う。
つい魔が差し早く家族を与え、幼い頃より寂しいのを精一杯我慢していたミーンに愛と安らぎを与えたいと思い婚前での同居を命じた。
この点については今でもわしは家族親戚中より集中砲火を浴びている。
特に妻である王妃とミーンの祖母である姉上に未だ健在な母上の怒りは凄まじい。
お陰でわしは王宮の裏で女性陣にタコ殴りされてしまったぞ。
まあその場の状況に流されるままに王命を下したわしが悪いのだが……。
そうしてカルステンの主導で侯爵家の奥深くまで調べてみれば思いもしない、まさかこの様な事実が隠されていたとはな。
さあこれよりは国王としてしっかりと罪を裁いてくれるわ。
ただしこれは断じて八つ当たり……ではないぞ。
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