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第16章 勇者と憤怒決着編
第184話 ヒーロー vs 憤怒 ファイナルバトル!
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「クソ! やはりまだ体がまともに動かない。この状態で戦えるのか⁈」
「フッハッハッハッハッ! 消えた……エルビスのオーラが消えた! なぜかは分からんが奴の気配も……ならばもう、お前なぞ恐れる必要はない。お前の仲間と同様にあの世に送ってやる!」
ヒロだったものから感じていたエルビスのオーラが消え、ただの人へと戻ったヒロを見た憤怒は、エルビスがこの場から去ったことを悟り、心の底から安堵していた。
ガイヤにおいて絶対の存在である自分たちに恐怖を与える、最悪にして最恐の存在『希望』………なぜかかは分からないが、突然目の前の男から発せられたエルビスのオーラに圧倒され、なす術もなく殺される運命しかなかった憤怒に僥倖の光が差し込んだ。
「ほう、さっきまでの意味不明な言葉ではなく、まともに言葉が話せるようになったか? エルビスのオーラは消え失せた事といい……奴は確実にこの場を去ったと考えていいか?」
カイザーの妻アリアの優しい瞳が、暗く赤い憎しみの目に染まり、草原に跪くヒロを見下ろしていた。
傷付いた体を無理やり動かし、立ち上がろうとするヒロの姿を見た憤怒は、口元を吊り上げ邪悪な笑みをこぼす。
すると次の瞬間、160センチにも満たない小柄な体躯の足がヒロの顔に蹴り込まれた。
「クッ!」
辛うじて動く右腕をとっさに上げて蹴りをガードするが、華奢な女性の蹴りとは思えない重い一撃に、ヒロは蹴り飛ばされる。地面を二転三転とバウンドしながら蹴り飛ばされるヒロ……元いた場所から数メートル飛ばされると、うつ伏せのまま動かなくなってしまう。
「ふん。もう油断はせん。速やかに殺してやる」
憤怒はヒロを警戒しつつ、足元に転がっていたヒロの剣を拾い上げると上段に構える。右腕に宿る憤怒の紋章から、禍々しい黒いオーラが噴き出し始めると、腕を伝って手にしたミスリルロングソードへと流れ込んでいく。
ヒロが闘気を流した時は、剣身が白く発光していたが………いま憤怒が手にする剣は凶々しいオーラに呼応するかのように、黒い漆黒の光を放ち始めていた。
「悪いが、ここから殺させてもらうぞ。武器もない、まともに動けないお前だが、何をしでかすか分からんからな。念には念をだ。我を一瞬でも恐怖させたことを誇りながら、あの世に逝け」
憤怒が上段で構えたミスリルロングソードを、渾身の力を込めて振ろうとした瞬間だった!
「なんだと⁈」
「……」
急に自分の背後に現れた殺気に、憤怒の本能が瞬時に『この攻撃を受ければ死ぬ』と警告を発した。とっさに手にした剣を背後から迫る殺気に向かって振るいながら、呼吸を止めて【絶対防御】を発動する。
振り向きざま、剣が上段から袈裟斬りに放たれたが……振り下ろした先には何もなく、殺気だけが憤怒の顔に叩きつけられた。狐に騙されたかのようになる憤怒は『ハッ!』となり、急ぎ倒れたヒロの方へと顔を向ける。
「しくじった。肝心な時に体が動かないなんて……」
うつ伏せに倒れていたはずのヒロが、片膝をつきながらそう声を漏らしていた。
「ふ~、どうやら最後の足掻きだったようだな。また何かやらかそうとしたみたいだが、徒労に終わったようだな」
「……」
憤怒の声にヒロは無言で答える。もはや精根尽き果てて、立ち上がることもできない様子を見ても、憤怒は油断しない。すると今度は憤怒の右側に殺気が膨れ上がり、再び襲い掛かる。
「無駄だ!」
憤怒は構えを崩さずに向かい来る殺気を無視していた。
体に当たる殺気……だが所詮は殺気である。いくら殺意を秘めた思いだとしても、実際に物理的ダメージを与えることはできない。
憤怒はすでにヒロの放つ技が、ただ殺気を放つだけでダメージは与える類のものではないと看破していた。もはや【絶対防御】を発動しないばかりか、避ける必要もないと判断する。
「殺気を飛ばして相手の注意を引くフェイント技か? 人にしては器用だと感心するが……所詮目眩しの技だ。実害がないのなら無視すればいいだけの話だ」
「……」
片膝をついたままの動かないヒロ……チラリと視線を草原の先に見えるアルムの街に向けると、すぐに憤怒へ視線を戻し、再び殺気を憤怒に飛ばす。
「殺気なぞ、いくら飛ばそうと意味がないとまだ分からんのか? 最初の一撃はヒヤリとさせられたが、タネが分かればそんな子供騙しの技など……いや、これは時間稼ぎか?」
「……」
「お前が一瞬見せた視線……あの町に住む者が助けに来るのを待っている訳か? アッハッハッハッハッハッ!」
「……」
「たとえあの町から、お前を助けるために何万もの人が駆けつけたとしても、脆弱な人が我に勝つなど天地が逆さまになったとしても不可能だ。無駄な努力だったな」
「……」
だが、そんな憤怒の言葉に反して、ヒロの放つ【気殺刃】が次々に憤怒へと撃ち込まれていく。
全方位から飛ばされ続ける殺気に、害がないとはいえ憤怒は鬱陶しく感じていた。
「見苦しいわ!」
「……」
声を張り上げて一喝する憤怒が、手に持つミスリルロングソードを正眼に構えると、再び黒いオーラが剣身を包み込み、漆黒の淡い光を放ち始める。
「無駄な攻撃を誘わせて時間稼ぎなどさせん。体が動かせないのなら好都合。確実にキサマを一撃で葬り去るために、力を溜めさせてもらう」
「……」
全ての力を込めた一撃を放とうと力を溜める憤怒に、百八十度あらゆる角度から次々とヒロの殺気が撃ち込まれていく。
闇雲に殺気を放ち続けるヒロを見て、憤怒は死ぬことを悟り、死にたくないと不様な姿を晒す人の姿を重ねていた。
災厄である自分をここまで追い詰めた者の最後としては、あまりにも情けない行動に憐れみ、もうさっさと殺してやろうかと思った時だった。偶然、二人の視線が重なり、憤怒はヒロの瞳の奥を見てしまった。
体がまともに動かず無駄に殺気を放ち続けるヒロ……だが、憤怒はヒロの瞳を見て確信した。あの瞳の輝きは、まだ生きることを諦めてなどいない……生き残ろうとする意思に満ちた目だと本能が警告していた。
「その瞳……そうだ、油断はせんぞ。キサマには散々騙されてきたからな。もう騙されん! いくらでもその無駄な殺気を放ち続けろ。我は確実にお前を葬るために、力を溜めさせてもらう」
「……」
さらに殺気を打ち込む速度が上がり、憤怒に向かって次々と撃ち込まれるが何も意味を成さない。
憤怒は殺気を完全に無視して、オーラをひたすら剣に溜め続ける。
そしてついにミスリルロングソードに限界までオーラが流し込まれたとき、剣身は全ての光を吸収する凶々しい漆黒の色に染め上げられていた。あまりの剣身の黒さと凶々しさに、その周りだけが別次元に存在するかのように錯覚してしまう。
「さあ、準備は整った。これで終わりにしてやる」
「……」
160センチにも満たない小柄なオークの体では、とても扱いきれない重量の剣を憤怒は軽々と頭上に振り上げ、上段の構えを取る。
「我に殺されたことを誇りながら逝くがいい。さらばだ。人は滅びよ!」
「……」
憤怒が渾身の力を込めて、漆黒に染まるミスリルロングソードをヒロに向かって振り下ろしたとき、憤怒の持つ剣に向かって殺気が打ち放たれた。
何十発と撃ち込まれた殺気の中で、ひときわ濃密な気配をまとったそれを憤怒は無視すると、剣にまとった漆黒のオーラをヒロに向かって放とうとした瞬間!
「……」
「なに⁈」
放たれた殺気が剣にぶつかり、あり得ない衝撃が憤怒を襲うと、剣線が大きく外れてしまった。
ヒロに向かって放たれた漆黒のオーラは、跪くヒロの横を通り過ぎると草原に轍を作りながら、木々が立ち並ぶ南の森へと打ち込まれた。
耳をつんざくような激しい爆破音が、アルム町にまで鳴り響き、急に起こった暴風に大きく揺られた草原の草がその揺れを収めると……憤怒の放った一撃で、森の外周100メートルが跡形もなく吹き飛んでいた。
必殺の一撃を外した憤怒は何ごとかと、手に持つ剣に視線を走らせるが、何も異常は見受けられなかった。考えられるのは、剣を振り下ろした際に放たれた殺気……『ただの殺気が物理的な力を持って攻撃を外らした?』あり得ない状況に憤怒がヒロに視線を戻すと……。
「キサマ、いま何をし、な、それは馬鹿な⁈ グァッ!」
「ようやくできた……カイザー、エルビス、感謝します」
片膝をついたまま、この場にいない二人に感謝の礼を声にするヒロ……対して憤怒は、殺気が飛んで来たと思った瞬間、突然走った腹部の痛みに耐えきれず、腹を押さえながら両膝を地面につける。
目の前にいるヒロは微動だにしていないのに、攻撃を受けた憤怒……だが、攻撃された以上に恐ろしいものを憤怒は見てしまい、恐怖に心が震えていた。
憤怒はヒロの右目に浮かぶ【魔眼ラプラス】の……希望の紋章を見てしまったとき、再び恐怖に心が縛られるのであった。
〈友の助言と未来が交差したとき、憤怒を討ち倒す技が完成した!〉
「フッハッハッハッハッ! 消えた……エルビスのオーラが消えた! なぜかは分からんが奴の気配も……ならばもう、お前なぞ恐れる必要はない。お前の仲間と同様にあの世に送ってやる!」
ヒロだったものから感じていたエルビスのオーラが消え、ただの人へと戻ったヒロを見た憤怒は、エルビスがこの場から去ったことを悟り、心の底から安堵していた。
ガイヤにおいて絶対の存在である自分たちに恐怖を与える、最悪にして最恐の存在『希望』………なぜかかは分からないが、突然目の前の男から発せられたエルビスのオーラに圧倒され、なす術もなく殺される運命しかなかった憤怒に僥倖の光が差し込んだ。
「ほう、さっきまでの意味不明な言葉ではなく、まともに言葉が話せるようになったか? エルビスのオーラは消え失せた事といい……奴は確実にこの場を去ったと考えていいか?」
カイザーの妻アリアの優しい瞳が、暗く赤い憎しみの目に染まり、草原に跪くヒロを見下ろしていた。
傷付いた体を無理やり動かし、立ち上がろうとするヒロの姿を見た憤怒は、口元を吊り上げ邪悪な笑みをこぼす。
すると次の瞬間、160センチにも満たない小柄な体躯の足がヒロの顔に蹴り込まれた。
「クッ!」
辛うじて動く右腕をとっさに上げて蹴りをガードするが、華奢な女性の蹴りとは思えない重い一撃に、ヒロは蹴り飛ばされる。地面を二転三転とバウンドしながら蹴り飛ばされるヒロ……元いた場所から数メートル飛ばされると、うつ伏せのまま動かなくなってしまう。
「ふん。もう油断はせん。速やかに殺してやる」
憤怒はヒロを警戒しつつ、足元に転がっていたヒロの剣を拾い上げると上段に構える。右腕に宿る憤怒の紋章から、禍々しい黒いオーラが噴き出し始めると、腕を伝って手にしたミスリルロングソードへと流れ込んでいく。
ヒロが闘気を流した時は、剣身が白く発光していたが………いま憤怒が手にする剣は凶々しいオーラに呼応するかのように、黒い漆黒の光を放ち始めていた。
「悪いが、ここから殺させてもらうぞ。武器もない、まともに動けないお前だが、何をしでかすか分からんからな。念には念をだ。我を一瞬でも恐怖させたことを誇りながら、あの世に逝け」
憤怒が上段で構えたミスリルロングソードを、渾身の力を込めて振ろうとした瞬間だった!
「なんだと⁈」
「……」
急に自分の背後に現れた殺気に、憤怒の本能が瞬時に『この攻撃を受ければ死ぬ』と警告を発した。とっさに手にした剣を背後から迫る殺気に向かって振るいながら、呼吸を止めて【絶対防御】を発動する。
振り向きざま、剣が上段から袈裟斬りに放たれたが……振り下ろした先には何もなく、殺気だけが憤怒の顔に叩きつけられた。狐に騙されたかのようになる憤怒は『ハッ!』となり、急ぎ倒れたヒロの方へと顔を向ける。
「しくじった。肝心な時に体が動かないなんて……」
うつ伏せに倒れていたはずのヒロが、片膝をつきながらそう声を漏らしていた。
「ふ~、どうやら最後の足掻きだったようだな。また何かやらかそうとしたみたいだが、徒労に終わったようだな」
「……」
憤怒の声にヒロは無言で答える。もはや精根尽き果てて、立ち上がることもできない様子を見ても、憤怒は油断しない。すると今度は憤怒の右側に殺気が膨れ上がり、再び襲い掛かる。
「無駄だ!」
憤怒は構えを崩さずに向かい来る殺気を無視していた。
体に当たる殺気……だが所詮は殺気である。いくら殺意を秘めた思いだとしても、実際に物理的ダメージを与えることはできない。
憤怒はすでにヒロの放つ技が、ただ殺気を放つだけでダメージは与える類のものではないと看破していた。もはや【絶対防御】を発動しないばかりか、避ける必要もないと判断する。
「殺気を飛ばして相手の注意を引くフェイント技か? 人にしては器用だと感心するが……所詮目眩しの技だ。実害がないのなら無視すればいいだけの話だ」
「……」
片膝をついたままの動かないヒロ……チラリと視線を草原の先に見えるアルムの街に向けると、すぐに憤怒へ視線を戻し、再び殺気を憤怒に飛ばす。
「殺気なぞ、いくら飛ばそうと意味がないとまだ分からんのか? 最初の一撃はヒヤリとさせられたが、タネが分かればそんな子供騙しの技など……いや、これは時間稼ぎか?」
「……」
「お前が一瞬見せた視線……あの町に住む者が助けに来るのを待っている訳か? アッハッハッハッハッハッ!」
「……」
「たとえあの町から、お前を助けるために何万もの人が駆けつけたとしても、脆弱な人が我に勝つなど天地が逆さまになったとしても不可能だ。無駄な努力だったな」
「……」
だが、そんな憤怒の言葉に反して、ヒロの放つ【気殺刃】が次々に憤怒へと撃ち込まれていく。
全方位から飛ばされ続ける殺気に、害がないとはいえ憤怒は鬱陶しく感じていた。
「見苦しいわ!」
「……」
声を張り上げて一喝する憤怒が、手に持つミスリルロングソードを正眼に構えると、再び黒いオーラが剣身を包み込み、漆黒の淡い光を放ち始める。
「無駄な攻撃を誘わせて時間稼ぎなどさせん。体が動かせないのなら好都合。確実にキサマを一撃で葬り去るために、力を溜めさせてもらう」
「……」
全ての力を込めた一撃を放とうと力を溜める憤怒に、百八十度あらゆる角度から次々とヒロの殺気が撃ち込まれていく。
闇雲に殺気を放ち続けるヒロを見て、憤怒は死ぬことを悟り、死にたくないと不様な姿を晒す人の姿を重ねていた。
災厄である自分をここまで追い詰めた者の最後としては、あまりにも情けない行動に憐れみ、もうさっさと殺してやろうかと思った時だった。偶然、二人の視線が重なり、憤怒はヒロの瞳の奥を見てしまった。
体がまともに動かず無駄に殺気を放ち続けるヒロ……だが、憤怒はヒロの瞳を見て確信した。あの瞳の輝きは、まだ生きることを諦めてなどいない……生き残ろうとする意思に満ちた目だと本能が警告していた。
「その瞳……そうだ、油断はせんぞ。キサマには散々騙されてきたからな。もう騙されん! いくらでもその無駄な殺気を放ち続けろ。我は確実にお前を葬るために、力を溜めさせてもらう」
「……」
さらに殺気を打ち込む速度が上がり、憤怒に向かって次々と撃ち込まれるが何も意味を成さない。
憤怒は殺気を完全に無視して、オーラをひたすら剣に溜め続ける。
そしてついにミスリルロングソードに限界までオーラが流し込まれたとき、剣身は全ての光を吸収する凶々しい漆黒の色に染め上げられていた。あまりの剣身の黒さと凶々しさに、その周りだけが別次元に存在するかのように錯覚してしまう。
「さあ、準備は整った。これで終わりにしてやる」
「……」
160センチにも満たない小柄なオークの体では、とても扱いきれない重量の剣を憤怒は軽々と頭上に振り上げ、上段の構えを取る。
「我に殺されたことを誇りながら逝くがいい。さらばだ。人は滅びよ!」
「……」
憤怒が渾身の力を込めて、漆黒に染まるミスリルロングソードをヒロに向かって振り下ろしたとき、憤怒の持つ剣に向かって殺気が打ち放たれた。
何十発と撃ち込まれた殺気の中で、ひときわ濃密な気配をまとったそれを憤怒は無視すると、剣にまとった漆黒のオーラをヒロに向かって放とうとした瞬間!
「……」
「なに⁈」
放たれた殺気が剣にぶつかり、あり得ない衝撃が憤怒を襲うと、剣線が大きく外れてしまった。
ヒロに向かって放たれた漆黒のオーラは、跪くヒロの横を通り過ぎると草原に轍を作りながら、木々が立ち並ぶ南の森へと打ち込まれた。
耳をつんざくような激しい爆破音が、アルム町にまで鳴り響き、急に起こった暴風に大きく揺られた草原の草がその揺れを収めると……憤怒の放った一撃で、森の外周100メートルが跡形もなく吹き飛んでいた。
必殺の一撃を外した憤怒は何ごとかと、手に持つ剣に視線を走らせるが、何も異常は見受けられなかった。考えられるのは、剣を振り下ろした際に放たれた殺気……『ただの殺気が物理的な力を持って攻撃を外らした?』あり得ない状況に憤怒がヒロに視線を戻すと……。
「キサマ、いま何をし、な、それは馬鹿な⁈ グァッ!」
「ようやくできた……カイザー、エルビス、感謝します」
片膝をついたまま、この場にいない二人に感謝の礼を声にするヒロ……対して憤怒は、殺気が飛んで来たと思った瞬間、突然走った腹部の痛みに耐えきれず、腹を押さえながら両膝を地面につける。
目の前にいるヒロは微動だにしていないのに、攻撃を受けた憤怒……だが、攻撃された以上に恐ろしいものを憤怒は見てしまい、恐怖に心が震えていた。
憤怒はヒロの右目に浮かぶ【魔眼ラプラス】の……希望の紋章を見てしまったとき、再び恐怖に心が縛られるのであった。
〈友の助言と未来が交差したとき、憤怒を討ち倒す技が完成した!〉
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