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第4章 勇者と森のクマさん編
第43話 トラブル注意報!
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アイテム袋……ガイアの世界において、極めて希少とされる物である。最大の特徴は、アイテム袋ごとに設定された収納能力により、どんなに重く大きな物も重量に関係なく中に収められる点である。
これはアイテム袋の中が、別の次元とつながっており、アイテム袋自体に収めている訳ではないからだと言われている。
アイテム袋に入れた物は自由に出し入れが可能だが、生物の収納はできない。
死体になることで収納が可能になることから、魂の存在が関係しているのではと考えられているが、アイテム袋自体が希少なため、研究は一向に進んでいない。
またアイテム袋内では時間が進んでおり、長期間の移動で中に入れていた食料は腐ってしまうため、注意を必要とする。
特例として、かつて二人の勇者が持っていたとされるアイテム袋は、中に入れた物の時間を止める効果があったとされているが、勇者亡きあと、そのアイテム袋は忽然と歴史の舞台から姿を消し行方不明となっている。
時間停止の効果を持ったアイテム袋は、歴史上でも二人の勇者以外に所有者は確認できていない。
その事から、時間停止の能力のあるアイテム袋は、勇者しか持てない固有アイテムなのではないかと、のちの学者は述べている。
とても便利な反面、その希少価値はとても高く……アイテム袋の金額は1㎥までの物体が入るもので金貨数十枚が飛び交い、5㎥ならば金貨数百枚で取引がされる。
現在、確認できる最大の物は、カーラ帝国が保有する50㎥のアイテム袋が最大と言われ、その時の買取額は白金貨一枚と記録にあった。
町の人がよく使う銀貨に換算すると実に銀貨百万枚相当になる。ガイアの通常の家庭の年収が銀貨750枚なので、実に一般家庭の年収1333年分に匹敵した。
入手先はダンジョンの宝箱からしかなく、一攫千金を狙う冒険者には、喉から手が出るほど貴重なアイテムである。
あまりに高額なため、所有できる者が限られており、国家が保有する以外で、個人で所有している者はごく僅しかいない。個人所有のほとんどが、Aランク以上の冒険者や大商人、大貴族が占めている。
これは所有者を殺してでも、奪おうとする輩がいるからであり、アイテム袋を所持するには、ある程度の武力、財力、権力の内、いずれかの力が必要となる。
かつて、アイテム袋を巡って町同士で対立が起こり、町が滅びた事例もあり、アイテム袋を手に入れた者が、幸せになるか不幸になるかは、手に入れた者次第であると言われている。
著 冒険者ギルド アイテム図鑑参照
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「またなの、ヒロ?」
ポテト三兄弟達と騒動を起こしたヒロは、ギルドマスターであるナターシャに連れられて、ギルドマスターの部屋で事情聴取されていた。
今日のナターシャさんは、黒のレザーを素材にしたピチピチのパンツを胸でクロスさせるハーネス型拘束具で吊ってバッチリ決めていた。いわゆるボンテージ衣装と言われる服装である。
あのクロスしているサスペンド部分以外は、上半身裸で、筋肉を魅せるファッションに『愛・超姉貴』に出てくるアンソンを彷彿とさせられる。
『愛・超姉貴』とは、カルト的人気を博した『超姉貴』シリーズの続編で、前作の大人気キャラ、オプションのアンソンがボンテージ衣装に身を包み、主人公に昇格を果たした出世作である。
前作よりも、よりカオスとなって帰ってきた『超姉貴』は、STG要素はそのままに、ゲームシステムがまったく別物に変わっていた。
前作は、溜め動作からの極太ビームと従来通りのSTGだったが、今作からは格闘ゲームのようにコマンド技を入力してポージングを決めると……なぜか攻撃判定が発生し敵が倒されてゆく、謎のシステムが採用されていた!
ポージングで敵を倒すと必殺技ゲージが溜まり、極太ビームが打てると言う、シューティングゲームなのに、格闘ゲームの要素をプラスした意欲作なのだ。
また、このゲーム……STGにとって当たり前である、ゲームオーバー後のコンティニューなんて軟弱な救済措置は存在せず、自機がいくら破壊されようが関係ない!
ゲーム画面に表示されている砂時計の時間切れ=ゲームオーバーと言う、STGの常識を打ち破った画期的システムを搭載した異色のゲーム……それが『超姉貴』だ!
「またと言うか、なんと言うか……またですね!」
アッケラカンとするヒロを見て、頭を抱えてナターシャは悩んでいた。
「仕方がないわね……これで最後よ?」
そう言うと、ナターシャは、ヒロが見せたポージングを見様見真似で披露する……。
「うあぁぁぁぁぁ、リアルアンソンの女魂のポーズだ!」
「あと、こうだったかしら?」
「それは倒錯姉妹のポージング! そっくりだ!」
ヒロに頼まれてポーズを取るナターシャは、あまりにも笑顔のヒロを見て、少し引いていた……自分の趣味嗜好で引かれる事はよくあるが、それに臆せず突っ込んで来る男に引いてしまった。
事情聴取の最中に頼まれて言われるがままにポーズを決めること二十分……せがまれて、これで最後とナターシャがポーズを決める。
悪い子ではないけど、どこかズレている感覚に危うさを感じたナターシャは、思わずヒロが心配になってしまった。
「喜んでもらえて嬉しいのだけど、そろそろ話をさせて頂戴」
「ふ~、ありがとうございました。そう言えば、どこまで話しましたっけ?」
「殲滅の刃については、順番待ちの横入りと彼らから先に仕掛けたって所までね。簡単な聞き取り調査の報告と、あなたの発言が一致しているから、特に今回もヒロに罰則は発生しないわ」
ギルド内で相手が悪いとしても、あれだけ騒ぎを起こしたのなら、何らかの罰則を覚悟していたヒロは、お咎めなしの言葉に安堵していた。
「殲滅の刃は、最近Eランクに上がってから、他の人に対して態度が悪いと苦情が入っていたの。これを機会に下水道掃除のクエストを受けさせて、少し態度を改めさせましょう」
「ナターシャさん、ありがとうございます」
「だけどヒロ、もう少し穏便に済ませて頂戴。冒険者ギルドだから多少の荒事も仕方ないけど、度を過ぎた殺傷は刑罰の対象よ? イザコザで人を殺してしまったら、状況によっては奴隷落ちか、最悪の場合、処刑されてしまうから注意して」
ヒロのいた世界ほど法が整備されていないガイヤにおいても、殺人は重罪である。殺人に至った経緯を考慮して罰則の軽減はあるが、凶悪な者には死罪や生涯重労働奴隷の道しか用意されていない。ヒロの世界のように、人を殺して刑務所の中で罪を償って生きるなどと言う、甘い考えは存在しなかった。
ガイヤでは命ある者を殺せば、魂にキルカウントとして情報が刻み込まれる。本人や他人がステータス画面を覗いても、このキルカウントは見えないが、稀にそれを覗ける鑑定スキルを持つ者がいるそうだ。
キルカウントの内容には、その者がいつ、どこで、誰を殺したかが、一目で分かるようになっており、言い逃れは出来ないらしい。
ガイヤにおいても殺人は罪が重く、魂に刻み込まれるキルカウントは決して改竄は出来ない。人を殺して逃げ切るのは、絶対に出来ないとナターシャはヒロに説明してくれた。
「分かりました。出来るだけ穏便に済ますように注意します」
「そうして頂戴。それじゃあ、今日は帰って良いわよ」
「あっ! ナターシャさん。帰る前に相談があるのですが良いですか?」
「あら? なにかしら?」
「実は内緒にしてほしい内容でして……」
「内緒? 内容にもよるけど……」
ヒロの話に訝しむナターシャは、ヒロが内緒にしたい内容が厄介ごとの種のような気がして警戒していた。
「この間、リーシアと森に行った時にオーガベアーに遭遇しまして『オーガベアーですって!』」
話し途中のヒロを遮って、声を上げるナターシャ。
「Cランクの魔物じゃないの! まさかリーシアちゃんの大怪我はそれが原因? まずいわ! オーガベアーの執念深さは異常で、匂いを辿ってどこまでも追いかけて来るの! 上手く逃げ果せたとしても、必ず追いかけて来るわよ。町の者に厳戒令を敷いて、すぐに討伐隊を組まないと……どれだけの犠牲が出るか分からないわ」
慌てて情報をまとめて、対策を練り始めるナターシャに、ヒロが話し掛ける。
「いえ、オーガベアーはリーシアと二人で倒しましたから、大丈夫です」
「……え? 倒した? オーガベアーを? ちょっと待って……にわかに信じられないのだけど……Cランクの魔物をたった二人で倒した⁈」
狐に騙されたかのような発言に、信じられないナターシャ。
「はい。ですが、オーガベアーの死体が大きすぎてギルドに持ち込むのが……」
「言わなくても分かるわ。死体を森から町まで運ぶのに人手がいるのね? すぐに回収クエストを組むわよ」
話の途中でナターシャさんは、ヒロの話を推測してドンドン話を進めるが、全て的外れだった。
「いえ、実は死体の回収しているんです。内緒にしてほしいのはコレの事でして……」
ヒロは腰からアイテム袋を手に持ち、ナターシャに見せる。
「この袋がなに? これって……いや、まさか……言わないで……嫌な予感しかしないから! 言わないでぇぇぇ!」
察しの良い女? ナターシャはヒロの話と見せられた袋を見て、何となく次にヒロが言う言葉を察してしまった。
「実はコレ、アイテム袋なんです……」
〈ナターシャの前に、厄介事がにじり寄ってきた!〉
これはアイテム袋の中が、別の次元とつながっており、アイテム袋自体に収めている訳ではないからだと言われている。
アイテム袋に入れた物は自由に出し入れが可能だが、生物の収納はできない。
死体になることで収納が可能になることから、魂の存在が関係しているのではと考えられているが、アイテム袋自体が希少なため、研究は一向に進んでいない。
またアイテム袋内では時間が進んでおり、長期間の移動で中に入れていた食料は腐ってしまうため、注意を必要とする。
特例として、かつて二人の勇者が持っていたとされるアイテム袋は、中に入れた物の時間を止める効果があったとされているが、勇者亡きあと、そのアイテム袋は忽然と歴史の舞台から姿を消し行方不明となっている。
時間停止の効果を持ったアイテム袋は、歴史上でも二人の勇者以外に所有者は確認できていない。
その事から、時間停止の能力のあるアイテム袋は、勇者しか持てない固有アイテムなのではないかと、のちの学者は述べている。
とても便利な反面、その希少価値はとても高く……アイテム袋の金額は1㎥までの物体が入るもので金貨数十枚が飛び交い、5㎥ならば金貨数百枚で取引がされる。
現在、確認できる最大の物は、カーラ帝国が保有する50㎥のアイテム袋が最大と言われ、その時の買取額は白金貨一枚と記録にあった。
町の人がよく使う銀貨に換算すると実に銀貨百万枚相当になる。ガイアの通常の家庭の年収が銀貨750枚なので、実に一般家庭の年収1333年分に匹敵した。
入手先はダンジョンの宝箱からしかなく、一攫千金を狙う冒険者には、喉から手が出るほど貴重なアイテムである。
あまりに高額なため、所有できる者が限られており、国家が保有する以外で、個人で所有している者はごく僅しかいない。個人所有のほとんどが、Aランク以上の冒険者や大商人、大貴族が占めている。
これは所有者を殺してでも、奪おうとする輩がいるからであり、アイテム袋を所持するには、ある程度の武力、財力、権力の内、いずれかの力が必要となる。
かつて、アイテム袋を巡って町同士で対立が起こり、町が滅びた事例もあり、アイテム袋を手に入れた者が、幸せになるか不幸になるかは、手に入れた者次第であると言われている。
著 冒険者ギルド アイテム図鑑参照
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「またなの、ヒロ?」
ポテト三兄弟達と騒動を起こしたヒロは、ギルドマスターであるナターシャに連れられて、ギルドマスターの部屋で事情聴取されていた。
今日のナターシャさんは、黒のレザーを素材にしたピチピチのパンツを胸でクロスさせるハーネス型拘束具で吊ってバッチリ決めていた。いわゆるボンテージ衣装と言われる服装である。
あのクロスしているサスペンド部分以外は、上半身裸で、筋肉を魅せるファッションに『愛・超姉貴』に出てくるアンソンを彷彿とさせられる。
『愛・超姉貴』とは、カルト的人気を博した『超姉貴』シリーズの続編で、前作の大人気キャラ、オプションのアンソンがボンテージ衣装に身を包み、主人公に昇格を果たした出世作である。
前作よりも、よりカオスとなって帰ってきた『超姉貴』は、STG要素はそのままに、ゲームシステムがまったく別物に変わっていた。
前作は、溜め動作からの極太ビームと従来通りのSTGだったが、今作からは格闘ゲームのようにコマンド技を入力してポージングを決めると……なぜか攻撃判定が発生し敵が倒されてゆく、謎のシステムが採用されていた!
ポージングで敵を倒すと必殺技ゲージが溜まり、極太ビームが打てると言う、シューティングゲームなのに、格闘ゲームの要素をプラスした意欲作なのだ。
また、このゲーム……STGにとって当たり前である、ゲームオーバー後のコンティニューなんて軟弱な救済措置は存在せず、自機がいくら破壊されようが関係ない!
ゲーム画面に表示されている砂時計の時間切れ=ゲームオーバーと言う、STGの常識を打ち破った画期的システムを搭載した異色のゲーム……それが『超姉貴』だ!
「またと言うか、なんと言うか……またですね!」
アッケラカンとするヒロを見て、頭を抱えてナターシャは悩んでいた。
「仕方がないわね……これで最後よ?」
そう言うと、ナターシャは、ヒロが見せたポージングを見様見真似で披露する……。
「うあぁぁぁぁぁ、リアルアンソンの女魂のポーズだ!」
「あと、こうだったかしら?」
「それは倒錯姉妹のポージング! そっくりだ!」
ヒロに頼まれてポーズを取るナターシャは、あまりにも笑顔のヒロを見て、少し引いていた……自分の趣味嗜好で引かれる事はよくあるが、それに臆せず突っ込んで来る男に引いてしまった。
事情聴取の最中に頼まれて言われるがままにポーズを決めること二十分……せがまれて、これで最後とナターシャがポーズを決める。
悪い子ではないけど、どこかズレている感覚に危うさを感じたナターシャは、思わずヒロが心配になってしまった。
「喜んでもらえて嬉しいのだけど、そろそろ話をさせて頂戴」
「ふ~、ありがとうございました。そう言えば、どこまで話しましたっけ?」
「殲滅の刃については、順番待ちの横入りと彼らから先に仕掛けたって所までね。簡単な聞き取り調査の報告と、あなたの発言が一致しているから、特に今回もヒロに罰則は発生しないわ」
ギルド内で相手が悪いとしても、あれだけ騒ぎを起こしたのなら、何らかの罰則を覚悟していたヒロは、お咎めなしの言葉に安堵していた。
「殲滅の刃は、最近Eランクに上がってから、他の人に対して態度が悪いと苦情が入っていたの。これを機会に下水道掃除のクエストを受けさせて、少し態度を改めさせましょう」
「ナターシャさん、ありがとうございます」
「だけどヒロ、もう少し穏便に済ませて頂戴。冒険者ギルドだから多少の荒事も仕方ないけど、度を過ぎた殺傷は刑罰の対象よ? イザコザで人を殺してしまったら、状況によっては奴隷落ちか、最悪の場合、処刑されてしまうから注意して」
ヒロのいた世界ほど法が整備されていないガイヤにおいても、殺人は重罪である。殺人に至った経緯を考慮して罰則の軽減はあるが、凶悪な者には死罪や生涯重労働奴隷の道しか用意されていない。ヒロの世界のように、人を殺して刑務所の中で罪を償って生きるなどと言う、甘い考えは存在しなかった。
ガイヤでは命ある者を殺せば、魂にキルカウントとして情報が刻み込まれる。本人や他人がステータス画面を覗いても、このキルカウントは見えないが、稀にそれを覗ける鑑定スキルを持つ者がいるそうだ。
キルカウントの内容には、その者がいつ、どこで、誰を殺したかが、一目で分かるようになっており、言い逃れは出来ないらしい。
ガイヤにおいても殺人は罪が重く、魂に刻み込まれるキルカウントは決して改竄は出来ない。人を殺して逃げ切るのは、絶対に出来ないとナターシャはヒロに説明してくれた。
「分かりました。出来るだけ穏便に済ますように注意します」
「そうして頂戴。それじゃあ、今日は帰って良いわよ」
「あっ! ナターシャさん。帰る前に相談があるのですが良いですか?」
「あら? なにかしら?」
「実は内緒にしてほしい内容でして……」
「内緒? 内容にもよるけど……」
ヒロの話に訝しむナターシャは、ヒロが内緒にしたい内容が厄介ごとの種のような気がして警戒していた。
「この間、リーシアと森に行った時にオーガベアーに遭遇しまして『オーガベアーですって!』」
話し途中のヒロを遮って、声を上げるナターシャ。
「Cランクの魔物じゃないの! まさかリーシアちゃんの大怪我はそれが原因? まずいわ! オーガベアーの執念深さは異常で、匂いを辿ってどこまでも追いかけて来るの! 上手く逃げ果せたとしても、必ず追いかけて来るわよ。町の者に厳戒令を敷いて、すぐに討伐隊を組まないと……どれだけの犠牲が出るか分からないわ」
慌てて情報をまとめて、対策を練り始めるナターシャに、ヒロが話し掛ける。
「いえ、オーガベアーはリーシアと二人で倒しましたから、大丈夫です」
「……え? 倒した? オーガベアーを? ちょっと待って……にわかに信じられないのだけど……Cランクの魔物をたった二人で倒した⁈」
狐に騙されたかのような発言に、信じられないナターシャ。
「はい。ですが、オーガベアーの死体が大きすぎてギルドに持ち込むのが……」
「言わなくても分かるわ。死体を森から町まで運ぶのに人手がいるのね? すぐに回収クエストを組むわよ」
話の途中でナターシャさんは、ヒロの話を推測してドンドン話を進めるが、全て的外れだった。
「いえ、実は死体の回収しているんです。内緒にしてほしいのはコレの事でして……」
ヒロは腰からアイテム袋を手に持ち、ナターシャに見せる。
「この袋がなに? これって……いや、まさか……言わないで……嫌な予感しかしないから! 言わないでぇぇぇ!」
察しの良い女? ナターシャはヒロの話と見せられた袋を見て、何となく次にヒロが言う言葉を察してしまった。
「実はコレ、アイテム袋なんです……」
〈ナターシャの前に、厄介事がにじり寄ってきた!〉
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