11 / 226
第2章 勇者と最悪な出会い編
第11話 感謝
しおりを挟む
町にある教会の祭壇で小さな子供が祈りを捧げていた。
周りには誰も居らず、子供が一人っきりで神に祈り捧げていると、教会の入り口であるドアが静かに開き、一人の女性が教会に入ってきた。
見知った気配と足音に、少女は祈りを止め振り向く。
「リーシア、ただいま」
優しい声が金色の長い髪をなびかせた女の子の耳に届くと、その顔に花が咲いた。
「母様、お帰りなさい!」
リーシアと呼ばれた女の子が屈んで母に抱きつくと、優しく抱き上げてくれる母にその身を委ねる。
「リーシア、お祈りは済みましたか?」
「はい、母様!」
元気に答えるリーシアは、母に頭をなでられ、甘えながら答えた。
「そう。えらいわねリーシア」
「えへへへ、母様、今日のお勤めは終わり?」
「ええ、終わりましたよ。この後は予定もありませんから、今日はもう家に帰ってリーシアの好きなシチューを作ろうと思うの」
母の答えにリーシアは目を輝かせた。
「やったー、私、母様のシチュー大好き!」
「ふふふ、じゃあ、早く帰って美味しいシチューを作りましょうね」
「うん! 母様、早く早く!」
抱き下ろされたリーシアは、母の手を引っ張り帰宅を急かす。
母は苦笑いをしつつも娘の手をしっかり握り歩き出した。
「おお、聖女様」
母と教会をあとにすると、少し歩いた所で見知らぬ人々に声を掛けられた……リーシアにとっては、いつもの光景だった。
「聖女様よ」
「こんにちは聖女様」
「見てくだされ、癒やしていただいた足がすっかり良くなりましたのじゃ、聖女様ありがとうございます」
町いく人が母を見ると、口を揃えて挨拶やお礼を述べてくる。その数は一人二人ではなく、通りかかる人が皆が挨拶するのだ。
母は聖女と呼ばれ、町の皆に尊敬されていた。
それがリーシアには誇らしくあり、母との時間を邪魔する煩わしいものでもあった。
母は娘のムッとした顔を見て立ち止まると、腰を落とし、子供と同じ視線の高さで話し掛ける。
「リーシア、そんな顔をしてはいけませんよ。みなさんは挨拶と感謝をしてくださっているのです。その善意を無下にしてはなりません」
「だって母様と手をつないで沢山お話したいのに、ずっと町のみんなに声を掛けられて、お話できないんだもん」
口を膨らませて不満を告げるリーシアに母は嗜める。
「リーシアはお母さんが嫌い?」
「嫌いなわけない!」
「お母さんは好き?」
「うん!大好き!」
満遍の笑みで答えるリーシアに、母が尋ねる。
「じゃあ、リーシアが道でお母さんに出会ったとき、何も言ってもらえずに無視されたら、どんな気持ちになる?」
母の問いにリーシアの心は、不安で埋め尽くされてしまう。
「そんなの嫌!」
リーシアは母に抱きつくと首を振って嫌がった。
「とても嫌でしょう?」
「うん……」
「町の人たちも同じなの。人と出会ったら挨拶をする。良くしてくれたなら感謝する。お母さんも同じ」
リーシアは母の言葉に耳を傾けて聞く。
「お母さんもリーシアに無視されたり、挨拶されなかったら悲しいわ」
「そんなこと絶対にしない!」
「大丈夫、お母さんはリーシアがそんなことをしないって分かっているから」
頭をなでながら不安がる子を優しくなだめる母に、リーシアはその身を委ねていた。
「だからお母さんも、町のみんなに挨拶をして感謝をするの。こんにちは、ありがとうってね」
「感謝?」
「そう、人は一人では生きていけないの……色んな人に助けられて生きているのよ。だからお母さんも色んな人を助けてあげたいの」
「助ける?」
「お母さんには人を癒やす力があるわ。普通の人より強い癒やしがね。だから病気や怪我をした人がいたら放っておけないの……」
母はその強い癒やしの力を乞われ、町の人の病気や怪我を無償で治していた。
リーシアが物心ついた頃には、街中で母は聖女と呼ばれる存在になり、心と体、両方の傷を癒やしてくれる母に、絶え間ない感謝と祈りが集まった。
「だからリーシアに、いつもお留守番ばっかりでごめんね。寂しい思いをさせているお母さんを許して」
突然の謝りにリーシアは母の顔を見ると、目に涙を溜めた母は一雫の涙を流していた。
まだ幼いリーシアには、全てを理解する事はできなかったが、母が自分の所為で悲しんでいることだけは分かった。
「泣かないで母様……」
心配するリーシアが、母を悲しませないように精一杯の笑顔で答える。
「私も母様みたいに、挨拶も感謝もできる子になるから」
「ありがとうリーシア、とっても嬉しいわ」
笑顔のリーシアに釣られ母も顔を笑顔にする。
「ねえ、母様、私にも癒やしの力が使えるかな?」
「そうね。お母さんの子ですもの、いつかきっと使えますよ」
「じゃあ、癒やすことが出来るようになれば、もっと町の人と仲良くなって、母様みたいになれる?」
「リーシアなら、きっとなれるわ。さあ、早く帰ってシチューを作らなくちゃね」
「うん! 私、ポマトのシチューがいい!」
「リーシアは本当にポマトが好きね。じゃあ今日はポマトシチューにしましょう」
「わ~い♪ やった~!」
母はリーシアをもう一度抱きしめると、再び手をつなぎ歩き出す……それは誰にでもある幸せ。
リーシアにとって一番幸せだった時の記憶……。
夢の中で見る記憶に。リーシアは懐かしさを感じずっとこのままでいたいと願うが……それは叶わなかった。
誰かがリーシアを呼ぶ声が聞こえてくる、
「リーシア……」
その声に意識が徐々に覚醒し、リーシアを現実世界へとゆり戻す。
「リーシア……いちゃん……」
聞き覚えのある声に反応し、ゆっくりと目を開けるリーシアはベッドから上半身だけを起こした。
「ん~♪」
頭の上に手を伸ばし、体のコリをほぐすリーシア。
「やっと起きた! おはようリーシアお姉ちゃん」
「おはようリゲル、今日も起こしてくれてありがとう。今日は顔色が良いわね」
ベッドの脇で自分を起こしてくれた男の子に挨拶しながも、体の具合を顔色で確かめるリーシア。
「どういたしまして、リーシアお姉ちゃん。今日はいつもより調子がいいんだ。それよりも急いだ方がいいと思うよ?」
リゲルの顔色を見て安心するリーシアに、少年は過酷な現実を突きつける。
「もう朝のお祈りの時間だよ。急がないとまた遅刻して罰当番にされちゃうよ」
リーシアは顔色を青くして、慌ててベッドから降りると急いで身支度を始めた。
「また遅刻したら、今度は罰当番の掃除だけではすまないわ!」
「だったら一人で早く起きてよリーシアお姉ちゃん……僕、先に行ってるからね」
そう告げてリゲルは部屋を出ようとする。
「すぐに行くから、神父様にうまく言っておいて」
「分かったよ。何とか言っておくよ」
「ありがとうリゲル」
部屋を出るリゲルを見届けつつも、身支度を急ぐリーシア。
いつもと変わらない朝……一日の始まりであり、今日を生きる希望に満ち溢れた目覚めに、リーシアの心は沈んでいた
それはリーシアにとって、毎日訪れる地獄に等しい現実世界への目覚めでもあったからだった……。
〈運命の出会いが……刻一刻と迫っていた!〉
周りには誰も居らず、子供が一人っきりで神に祈り捧げていると、教会の入り口であるドアが静かに開き、一人の女性が教会に入ってきた。
見知った気配と足音に、少女は祈りを止め振り向く。
「リーシア、ただいま」
優しい声が金色の長い髪をなびかせた女の子の耳に届くと、その顔に花が咲いた。
「母様、お帰りなさい!」
リーシアと呼ばれた女の子が屈んで母に抱きつくと、優しく抱き上げてくれる母にその身を委ねる。
「リーシア、お祈りは済みましたか?」
「はい、母様!」
元気に答えるリーシアは、母に頭をなでられ、甘えながら答えた。
「そう。えらいわねリーシア」
「えへへへ、母様、今日のお勤めは終わり?」
「ええ、終わりましたよ。この後は予定もありませんから、今日はもう家に帰ってリーシアの好きなシチューを作ろうと思うの」
母の答えにリーシアは目を輝かせた。
「やったー、私、母様のシチュー大好き!」
「ふふふ、じゃあ、早く帰って美味しいシチューを作りましょうね」
「うん! 母様、早く早く!」
抱き下ろされたリーシアは、母の手を引っ張り帰宅を急かす。
母は苦笑いをしつつも娘の手をしっかり握り歩き出した。
「おお、聖女様」
母と教会をあとにすると、少し歩いた所で見知らぬ人々に声を掛けられた……リーシアにとっては、いつもの光景だった。
「聖女様よ」
「こんにちは聖女様」
「見てくだされ、癒やしていただいた足がすっかり良くなりましたのじゃ、聖女様ありがとうございます」
町いく人が母を見ると、口を揃えて挨拶やお礼を述べてくる。その数は一人二人ではなく、通りかかる人が皆が挨拶するのだ。
母は聖女と呼ばれ、町の皆に尊敬されていた。
それがリーシアには誇らしくあり、母との時間を邪魔する煩わしいものでもあった。
母は娘のムッとした顔を見て立ち止まると、腰を落とし、子供と同じ視線の高さで話し掛ける。
「リーシア、そんな顔をしてはいけませんよ。みなさんは挨拶と感謝をしてくださっているのです。その善意を無下にしてはなりません」
「だって母様と手をつないで沢山お話したいのに、ずっと町のみんなに声を掛けられて、お話できないんだもん」
口を膨らませて不満を告げるリーシアに母は嗜める。
「リーシアはお母さんが嫌い?」
「嫌いなわけない!」
「お母さんは好き?」
「うん!大好き!」
満遍の笑みで答えるリーシアに、母が尋ねる。
「じゃあ、リーシアが道でお母さんに出会ったとき、何も言ってもらえずに無視されたら、どんな気持ちになる?」
母の問いにリーシアの心は、不安で埋め尽くされてしまう。
「そんなの嫌!」
リーシアは母に抱きつくと首を振って嫌がった。
「とても嫌でしょう?」
「うん……」
「町の人たちも同じなの。人と出会ったら挨拶をする。良くしてくれたなら感謝する。お母さんも同じ」
リーシアは母の言葉に耳を傾けて聞く。
「お母さんもリーシアに無視されたり、挨拶されなかったら悲しいわ」
「そんなこと絶対にしない!」
「大丈夫、お母さんはリーシアがそんなことをしないって分かっているから」
頭をなでながら不安がる子を優しくなだめる母に、リーシアはその身を委ねていた。
「だからお母さんも、町のみんなに挨拶をして感謝をするの。こんにちは、ありがとうってね」
「感謝?」
「そう、人は一人では生きていけないの……色んな人に助けられて生きているのよ。だからお母さんも色んな人を助けてあげたいの」
「助ける?」
「お母さんには人を癒やす力があるわ。普通の人より強い癒やしがね。だから病気や怪我をした人がいたら放っておけないの……」
母はその強い癒やしの力を乞われ、町の人の病気や怪我を無償で治していた。
リーシアが物心ついた頃には、街中で母は聖女と呼ばれる存在になり、心と体、両方の傷を癒やしてくれる母に、絶え間ない感謝と祈りが集まった。
「だからリーシアに、いつもお留守番ばっかりでごめんね。寂しい思いをさせているお母さんを許して」
突然の謝りにリーシアは母の顔を見ると、目に涙を溜めた母は一雫の涙を流していた。
まだ幼いリーシアには、全てを理解する事はできなかったが、母が自分の所為で悲しんでいることだけは分かった。
「泣かないで母様……」
心配するリーシアが、母を悲しませないように精一杯の笑顔で答える。
「私も母様みたいに、挨拶も感謝もできる子になるから」
「ありがとうリーシア、とっても嬉しいわ」
笑顔のリーシアに釣られ母も顔を笑顔にする。
「ねえ、母様、私にも癒やしの力が使えるかな?」
「そうね。お母さんの子ですもの、いつかきっと使えますよ」
「じゃあ、癒やすことが出来るようになれば、もっと町の人と仲良くなって、母様みたいになれる?」
「リーシアなら、きっとなれるわ。さあ、早く帰ってシチューを作らなくちゃね」
「うん! 私、ポマトのシチューがいい!」
「リーシアは本当にポマトが好きね。じゃあ今日はポマトシチューにしましょう」
「わ~い♪ やった~!」
母はリーシアをもう一度抱きしめると、再び手をつなぎ歩き出す……それは誰にでもある幸せ。
リーシアにとって一番幸せだった時の記憶……。
夢の中で見る記憶に。リーシアは懐かしさを感じずっとこのままでいたいと願うが……それは叶わなかった。
誰かがリーシアを呼ぶ声が聞こえてくる、
「リーシア……」
その声に意識が徐々に覚醒し、リーシアを現実世界へとゆり戻す。
「リーシア……いちゃん……」
聞き覚えのある声に反応し、ゆっくりと目を開けるリーシアはベッドから上半身だけを起こした。
「ん~♪」
頭の上に手を伸ばし、体のコリをほぐすリーシア。
「やっと起きた! おはようリーシアお姉ちゃん」
「おはようリゲル、今日も起こしてくれてありがとう。今日は顔色が良いわね」
ベッドの脇で自分を起こしてくれた男の子に挨拶しながも、体の具合を顔色で確かめるリーシア。
「どういたしまして、リーシアお姉ちゃん。今日はいつもより調子がいいんだ。それよりも急いだ方がいいと思うよ?」
リゲルの顔色を見て安心するリーシアに、少年は過酷な現実を突きつける。
「もう朝のお祈りの時間だよ。急がないとまた遅刻して罰当番にされちゃうよ」
リーシアは顔色を青くして、慌ててベッドから降りると急いで身支度を始めた。
「また遅刻したら、今度は罰当番の掃除だけではすまないわ!」
「だったら一人で早く起きてよリーシアお姉ちゃん……僕、先に行ってるからね」
そう告げてリゲルは部屋を出ようとする。
「すぐに行くから、神父様にうまく言っておいて」
「分かったよ。何とか言っておくよ」
「ありがとうリゲル」
部屋を出るリゲルを見届けつつも、身支度を急ぐリーシア。
いつもと変わらない朝……一日の始まりであり、今日を生きる希望に満ち溢れた目覚めに、リーシアの心は沈んでいた
それはリーシアにとって、毎日訪れる地獄に等しい現実世界への目覚めでもあったからだった……。
〈運命の出会いが……刻一刻と迫っていた!〉
1
お気に入りに追加
145
あなたにおすすめの小説

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。~
月見酒
ファンタジー
高校に入ってから距離を置いていた幼馴染4人と3年ぶりに下校することになった主人公、朝霧和也たち5人は、突然異世界へと転移してしまった。
目が覚め、目の前に立つ王女が泣きながら頼み込んできた。
「どうか、この世界を救ってください、勇者様!」
突然のことに混乱するなか、正義感の強い和也の幼馴染4人は勇者として魔王を倒すことに。
和也も言い返せないまま、勇者として頑張ることに。
訓練でゴブリン討伐していた勇者たちだったがアクシデントが起き幼馴染をかばった和也は命を落としてしまう。
「俺の人生も……これで終わり……か。せめて……エルフとダークエルフに会ってみたかったな……」
だが気がつけば、和也は転生していた。元いた世界で大人気だったゲームのアバターの姿で!?
================================================
一巻発売中です。
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる