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抱き締められて
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分からない。意味が全く分からないが、怖がっていないことは伝えた方がいいだろう。
「ーー大丈夫です。此方こそ、じっと見てしまいすみません。」
「良かった。ありがとう。……美しい人。突然ですまないのだが、貴女の手に持っているクトゥーの実は何処で手にいれたのか聞いてもいいだろうか?」
「この果実ですか?う、うーん。あっちの方からだいぶ歩いてきたから何処と言われてもわからないです」
私がそう言うと美青年はしょぼーんと頭についた犬のような耳を垂れさせて落ち込んでしまったようだ。
耳?よく見ると美青年の頭に犬っぽい耳がある。 美青年の美しさに目がいき、耳が目に入ってなかった。
か、可愛い!ふるふると垂れさせていて私の心はきゅんとしてしまった。
「そうか。邪魔をした。すまなかった」
美青年は私があっちと言った方向に立ち去ろうとする。クトゥー?の実が必要らしいが、私が泉の近くの木から全て取ったし、行っても意味がない。
「……あの、クトゥーの実が必要なんですか?」
私がそう聞くと事情を話してくれた。
「……ああ。知っているだろう?クトゥーの実は、人を生き返らせるのと寿命以外では全ての病に効く万能の果実だ。今、俺の村で病気が蔓延してて普通の薬が効かなくて、それでクトゥーの実が必要なんだ」
「俺とまだ動ける数人でクトゥーの実を探していたんだ。クトゥーの実のある場所は幸運のある者しかたどり着けないと言われているが、それでも村の者の為に見つけ出さなければいけないんだっ!」
クトゥーの実ってそんな凄い実だったのか。知らなかった。バッグにゴロゴロといっぱい入っているよ。
とりあえず何処が村か街に行きたかったし、ここで恩を売れば情報やら住む場所やら提供してくれるかもしれない。村の病については移っても、クトゥーの実があれば大丈夫そうだし。
この美青年がやばい人には見えないし信用してみよう。
「あの、クトゥーの実なら、私沢山持ってます。村に私を連れていってはくれませんか?必要な分だけ、渡します。」
「ほ、ほんとうか?ああ!ありがとう!」
そう言って美青年は私をぎゅっと抱き締めた。美青年の包容!ドキドキして心臓の音が伝わるのではないかと思うほどに跳ねている。
抱き締められて胸板が服ごしに顔に当たる。暖かい美青年の体温がじんわりと伝わってくる。
あまりの状況に私はくたりとしてしまい足に力が入らなくなる。
私は恥ずかしくて、
「……は、放して」
と言うと、
「す、すまない!嬉しくてつい抱き締めてしまった。」
美青年はバッと体を離してくれた。
少し、気まずい空気にはなったが、そのあとは村まで行くまでに色々なことを聞けた。
「ーー大丈夫です。此方こそ、じっと見てしまいすみません。」
「良かった。ありがとう。……美しい人。突然ですまないのだが、貴女の手に持っているクトゥーの実は何処で手にいれたのか聞いてもいいだろうか?」
「この果実ですか?う、うーん。あっちの方からだいぶ歩いてきたから何処と言われてもわからないです」
私がそう言うと美青年はしょぼーんと頭についた犬のような耳を垂れさせて落ち込んでしまったようだ。
耳?よく見ると美青年の頭に犬っぽい耳がある。 美青年の美しさに目がいき、耳が目に入ってなかった。
か、可愛い!ふるふると垂れさせていて私の心はきゅんとしてしまった。
「そうか。邪魔をした。すまなかった」
美青年は私があっちと言った方向に立ち去ろうとする。クトゥー?の実が必要らしいが、私が泉の近くの木から全て取ったし、行っても意味がない。
「……あの、クトゥーの実が必要なんですか?」
私がそう聞くと事情を話してくれた。
「……ああ。知っているだろう?クトゥーの実は、人を生き返らせるのと寿命以外では全ての病に効く万能の果実だ。今、俺の村で病気が蔓延してて普通の薬が効かなくて、それでクトゥーの実が必要なんだ」
「俺とまだ動ける数人でクトゥーの実を探していたんだ。クトゥーの実のある場所は幸運のある者しかたどり着けないと言われているが、それでも村の者の為に見つけ出さなければいけないんだっ!」
クトゥーの実ってそんな凄い実だったのか。知らなかった。バッグにゴロゴロといっぱい入っているよ。
とりあえず何処が村か街に行きたかったし、ここで恩を売れば情報やら住む場所やら提供してくれるかもしれない。村の病については移っても、クトゥーの実があれば大丈夫そうだし。
この美青年がやばい人には見えないし信用してみよう。
「あの、クトゥーの実なら、私沢山持ってます。村に私を連れていってはくれませんか?必要な分だけ、渡します。」
「ほ、ほんとうか?ああ!ありがとう!」
そう言って美青年は私をぎゅっと抱き締めた。美青年の包容!ドキドキして心臓の音が伝わるのではないかと思うほどに跳ねている。
抱き締められて胸板が服ごしに顔に当たる。暖かい美青年の体温がじんわりと伝わってくる。
あまりの状況に私はくたりとしてしまい足に力が入らなくなる。
私は恥ずかしくて、
「……は、放して」
と言うと、
「す、すまない!嬉しくてつい抱き締めてしまった。」
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