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前編 出会いと日常と不穏
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来てしまった。ついに来てしまった。
奴隷市場。
がやがやとした賑わいの中、首輪をつけた奴隷達が沢山いる。始まったばかりの市だけど既に買われていった奴隷が主に連れられてこの場所から離れていく。そんな様子を眺めつつ、うろうろしながら奴隷達を観ていく。
うわあ!凄い美人なエルフの女性。ぼんきゅぼん具合がヤバすぎる!
おお!ショタな美少年もいる!いい値段するなあ。
見ているだけで興味津々だ。
こんな市場、日本では絶対にあり得ない。日本人の私がこんな現場にいることになるなんて想像もしなかった。
そう、私は日本人。相模由依として生きてきた。だがある日、突然ファンタジーな異世界に迷い込んでしまった。最初はビビりにビビったが人間慣れるもので、今ではギルドに登録して冒険者をしている。
冒険者になり順風満帆に過ごしていたが、暮らしが安定すると人恋しくなってきた。恋人を作るのは日本でのトラウマで正直勘弁したい。でも、誰かと一緒にいたい。そう思った私は以前から気になっていた奴隷市場にやって来てしまったのだ。
「……でもやっぱり高いなあ」
きょろきょろと奴隷達を観ていくが結構お高い。買えないわけではないがこの世界で身寄りのない私にはお金しか頼るものがない。お金は大事にしたいしなあ。そんなことを思い、ふらふらと歩いていくと回りの様子が少し変わった。
これまでいた健康そうな見目麗しい奴隷達とは違い、座ったり横たわったりしている奴隷達がそこにはいた。
「あれ?」
凄い安いじゃん。値札をみるとあまりの安さに驚いた。このあたりの奴隷達は激安価格になっている。店員に聞くと廃棄寸前の奴隷達とのことだ。病気や体の欠損、呪いなどで使いものにならないので安いらしい。
廃棄寸前。
わかっていたけどこの異世界エグいな。一歩間違えば私もどんな目に会うかわからない。心がぎゅっとしたが、今は目当ての奴隷のことを探そう。私にはラッキーなことに実は回復魔法がある。 重い病気も体の欠損、呪いなども全て治すことができるのだ。かなりのチートぶりに自分のスキルを見たときはかなり喜んだものだ。
買った奴隷は魔法で治せばいい。そう思い、このあたりの奴隷を品定めすることにした。出来れば、ねえ。イケメンな人がいいなと思うじゃない。で、身体つきもいい人がいいし。
そして私は見つけた。
横たわっている男の前にいくと結構、いやかなりいい身体つきをしている。髪で見えない顔をみるとはっとしてしまった。
わわ!なにこのイケメン!
めっちゃいい男じゃん!
がばっと値札を即見るとかなり安い。即買うことを決めた私は店員のところに行き購入したのだった。
◇◇◇◇◇
「……ユイ様、ユイ様?」
「……えっ、あ、どしたの?」
「なんだが、最近ぼんやりとしていることが増えましたね?大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、心配してくれてありがとう、リオン」
奴隷を買ってからあれから一年。
美青年な奴隷の名前はリオンにした。リオンを家に運んで貰い二人っきりになるとリオンに回復魔法をかけてみた。重い病気にかかっていたようだがすっかりと元気になったようだ。
健康になったリオンはきらきらとしたオレンジ色の髪に薄ピンクな瞳な見目麗しい美青年で私はごくりと喉を鳴らした。
リオンを買ったのは性奴隷にするためだ。だけど、あまりに魅力的すぎて手を出すことが怖くなってしまった。なんだかんだで、あれから一年たってしまったのだった。
だけど、まあ、リオンとの暮らしは幸せだからこのままでいいかな、と思っていた。
最近、リオンにある頼まれ事をされたのだけどそれは酒場で働きたいという願いだった。お金が欲しいのかと思いお金を渡そうとするとそれは違うと。働きたいのだと言われ断る理由をなかったので、許可するとリオンは喜んで働きだした。
リオンが外で働くようになって数ヶ月たったある日その女の人はやって来た。
「ねえ、貴女がリオンのご主人様?私、貴女に話があるの」
「……なんですか」
「リオンを手放して欲しいの。貴女みたいなおばさんに食い物にされるなんてリオンらしくないじゃない。リオンを解放してよ!」
目の前にいる女が勝手に話し出す。
リオンとは元々恋人同士で事情があり離ればなれになったらしい。やっと探しだしたリオンは私に奴隷にされていて助けに来たのだと。
「私のリオンを返して!ううん、返してくれなくてもいいわ。だけど、奴隷からは解放してあげてよ、人として奴隷なんて最低だわ!可哀想だとは思わないの?」
「……、話はそれだけですか?なら帰ってください」
「ふん!な、なによ!……いやな女、、」
女が帰っていくと女の言葉が頭にこだまする。最低なんて自分でもわかっていた。でも、一目見たときからリオンを手に入れたくなった。リオンが治ってからはリオンの全てがいとおしくなってしまっていた。
まるで、家族のような関係になれたと甘えていたのだ。本当は飼い主と奴隷の関係でしかないのに。
それから私はぼんやりと考えるが多くなった。そんな私を心配そうにリオンが見ていることを私は知らなかった。
奴隷市場。
がやがやとした賑わいの中、首輪をつけた奴隷達が沢山いる。始まったばかりの市だけど既に買われていった奴隷が主に連れられてこの場所から離れていく。そんな様子を眺めつつ、うろうろしながら奴隷達を観ていく。
うわあ!凄い美人なエルフの女性。ぼんきゅぼん具合がヤバすぎる!
おお!ショタな美少年もいる!いい値段するなあ。
見ているだけで興味津々だ。
こんな市場、日本では絶対にあり得ない。日本人の私がこんな現場にいることになるなんて想像もしなかった。
そう、私は日本人。相模由依として生きてきた。だがある日、突然ファンタジーな異世界に迷い込んでしまった。最初はビビりにビビったが人間慣れるもので、今ではギルドに登録して冒険者をしている。
冒険者になり順風満帆に過ごしていたが、暮らしが安定すると人恋しくなってきた。恋人を作るのは日本でのトラウマで正直勘弁したい。でも、誰かと一緒にいたい。そう思った私は以前から気になっていた奴隷市場にやって来てしまったのだ。
「……でもやっぱり高いなあ」
きょろきょろと奴隷達を観ていくが結構お高い。買えないわけではないがこの世界で身寄りのない私にはお金しか頼るものがない。お金は大事にしたいしなあ。そんなことを思い、ふらふらと歩いていくと回りの様子が少し変わった。
これまでいた健康そうな見目麗しい奴隷達とは違い、座ったり横たわったりしている奴隷達がそこにはいた。
「あれ?」
凄い安いじゃん。値札をみるとあまりの安さに驚いた。このあたりの奴隷達は激安価格になっている。店員に聞くと廃棄寸前の奴隷達とのことだ。病気や体の欠損、呪いなどで使いものにならないので安いらしい。
廃棄寸前。
わかっていたけどこの異世界エグいな。一歩間違えば私もどんな目に会うかわからない。心がぎゅっとしたが、今は目当ての奴隷のことを探そう。私にはラッキーなことに実は回復魔法がある。 重い病気も体の欠損、呪いなども全て治すことができるのだ。かなりのチートぶりに自分のスキルを見たときはかなり喜んだものだ。
買った奴隷は魔法で治せばいい。そう思い、このあたりの奴隷を品定めすることにした。出来れば、ねえ。イケメンな人がいいなと思うじゃない。で、身体つきもいい人がいいし。
そして私は見つけた。
横たわっている男の前にいくと結構、いやかなりいい身体つきをしている。髪で見えない顔をみるとはっとしてしまった。
わわ!なにこのイケメン!
めっちゃいい男じゃん!
がばっと値札を即見るとかなり安い。即買うことを決めた私は店員のところに行き購入したのだった。
◇◇◇◇◇
「……ユイ様、ユイ様?」
「……えっ、あ、どしたの?」
「なんだが、最近ぼんやりとしていることが増えましたね?大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、心配してくれてありがとう、リオン」
奴隷を買ってからあれから一年。
美青年な奴隷の名前はリオンにした。リオンを家に運んで貰い二人っきりになるとリオンに回復魔法をかけてみた。重い病気にかかっていたようだがすっかりと元気になったようだ。
健康になったリオンはきらきらとしたオレンジ色の髪に薄ピンクな瞳な見目麗しい美青年で私はごくりと喉を鳴らした。
リオンを買ったのは性奴隷にするためだ。だけど、あまりに魅力的すぎて手を出すことが怖くなってしまった。なんだかんだで、あれから一年たってしまったのだった。
だけど、まあ、リオンとの暮らしは幸せだからこのままでいいかな、と思っていた。
最近、リオンにある頼まれ事をされたのだけどそれは酒場で働きたいという願いだった。お金が欲しいのかと思いお金を渡そうとするとそれは違うと。働きたいのだと言われ断る理由をなかったので、許可するとリオンは喜んで働きだした。
リオンが外で働くようになって数ヶ月たったある日その女の人はやって来た。
「ねえ、貴女がリオンのご主人様?私、貴女に話があるの」
「……なんですか」
「リオンを手放して欲しいの。貴女みたいなおばさんに食い物にされるなんてリオンらしくないじゃない。リオンを解放してよ!」
目の前にいる女が勝手に話し出す。
リオンとは元々恋人同士で事情があり離ればなれになったらしい。やっと探しだしたリオンは私に奴隷にされていて助けに来たのだと。
「私のリオンを返して!ううん、返してくれなくてもいいわ。だけど、奴隷からは解放してあげてよ、人として奴隷なんて最低だわ!可哀想だとは思わないの?」
「……、話はそれだけですか?なら帰ってください」
「ふん!な、なによ!……いやな女、、」
女が帰っていくと女の言葉が頭にこだまする。最低なんて自分でもわかっていた。でも、一目見たときからリオンを手に入れたくなった。リオンが治ってからはリオンの全てがいとおしくなってしまっていた。
まるで、家族のような関係になれたと甘えていたのだ。本当は飼い主と奴隷の関係でしかないのに。
それから私はぼんやりと考えるが多くなった。そんな私を心配そうにリオンが見ていることを私は知らなかった。
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