異世界召喚のジーンマジック

et cetera

文字の大きさ
上 下
10 / 11
全ての始まり

旅の準備

しおりを挟む
 俺達がこの世界に来てから2週間と少しがたった。特に変わったこともなく、訓練をして図書室に行き眠るだけの日々だ。そろそろ王城を出で冒険者として生きてい行きたいと考えていた矢先、王にこれからのことについて話があると呼び出される。

 今まで個人的に話したことも無い王にいきなり呼び出された俺は最悪のパターンを考えながら慎重に部屋に向かう。

「失礼します」

「おぉ、来るのが早かったな。呼び出してすまんかったな。トーヤが、勇者に聞かれたくないだろうと思ってな」

「はぁ、聞かれたくない話ですか?」

 やはり殺されるのか、と身構えながら話を聞くとこれからの事を聞かれる。

「勇者と同行するか、騎士や魔術師としてこの国に仕えるか、もしそれ以外を選ぶなら申し訳ないが、出ていって貰う。勝手に召喚しといてと思うかもしれないが、国民に示しがつかん。それでトーヤはどれを選ぶ。」

「俺は出ていきます。この世界を旅し、色んなものを見たいです。」

 俺は迷うことなく答える。すると王は即決したのに驚く。

「本当に良いのか?そんなに急いで答えることはないぞ。もう少し考えてからでも」

「この世界に来た時から旅をしたいと思っていたから大丈夫です。」

「そうか。ならば、いくらか金を渡す。勝手に召喚した迷惑料だと思ってくれ。」

 と、言うといつの間に部屋に入っていた執事が金の入った袋を渡す。

「あ、ありがとうございます。準備が終わったら出ていく日を教えます」

「あぁ、わかった。そちらで用意出来ないものがあれば用意しよう」

 部屋に帰ってから準備を進めると、先程もらった袋を確認する。中は大量の金貨と銀貨が入っていた。

「うわぁー、数えるのめんど」

 そう言って金をしまい、見なかったことにして準備を続ける。少しするとクローネがやってきた。クローネには、色々と買い物に行ってもらっている。今日はテントと服、調理器具をお願いした。

 テントや調理器具一つ一つに魔法を付与しているもあり、それを買うようにお願いしていた。いちばんあると便利なのはテントだ。近くに人がよると警報がなるもの、雨や音も遮断するもの、空間を拡張するものがあり、最高級は一軒家ほどの空間を作れる。今回はそのレベルのものを買ってきて貰った。旅に出て遭難した時にこれがあると精神的に楽だ。

「頼まれたもの買ってきました。。あと水が出る魔道具もあったので買いました。」

 と、渡してくれる。旅する上で一番大切なのは水だ。人間は水なしで3日、食糧なしでは1ヶ月とされている。もし水場を見つけてもすぐに飲のはダメだ。どんな菌がいるか分からない。もし飲む場合は煮沸させるか蒸留しないと命に関わる。あと、海水や血液、尿には塩分が多く含まれていて飲むと塩分を排出しようと多くの水分が必要となり脱水を早める。もし飲まないといけない時は500ミリ以下なら仕方がない。それ以上は絶対にダメだ。そんなことをクローネと話しながら準備を進めているとドアをノックされた。

「トーヤさんいますか?少しお話があります」

 ドアを開けるとそこにはマリアが立っていた。彼女は少し俯いて元気がない。

「どうしたんだ? 何かあったのか?」

「あの、さっきミネルバからトーヤさんが王城を出るって聞いてそれで」

「あぁ、そうだったのか。そんなに心配しなくてもいい。自分で出て行くんだ」

「世界を旅して色々なものを見たいんだ」

「そうなんですか。てっきり追い出されるのかと思いました。いつまでいれるんですか?」

「度の準備が終わったら出ていくよ。あと三日ぐらいなか?」

「分かりました。いきなり居なくなったりしないでくださいね。」

 そう言うと駆け足で部屋を出ていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Go to the Frontier(new)

鼓太朗
ファンタジー
「Go to the Frontier」改訂版 運命の渦に導かれて、さぁ行こう。 神秘の世界へ♪ 第一章~ アラベスク王国編 第三章~ ラプラドル島編

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

処理中です...