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全ての始まり
包帯をください
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いつもと何かが違う。そんな違和感の中、俺は眠りと覚醒の間を行ったり来たりしていた。
とても暖かく、柔らかい、いい匂いがするものに抱きしめてられいてまた深い眠りの奥に落ちようとするとドアをノックされた。
すると今まで抱きしめられていた暖かく柔らかいものが急にいなくなった。だんだんと温もりといい匂いが消えていくのを感じていると誰かの話し声が聞こえてまた静かになった。だが、誰かに体を揺さぶられる。
「トーヤ様起きてください。母がお呼びです。」
クローネが体を何回か揺さぶっているといきなり布団の中に引きずり込む。
「えっ!ちょっと!今から?! 。しかも母の前で!そんな、恥ずかしいです。」
「トーヤ様。クローネの母である私の前で情事を始めようとは、流石でございますね。孫の顔を早く見れそうでとても嬉しく思います。」
とても冷たい声と、眠気も吹き飛ぶ恐怖で目が覚めるとクレアがそこにいた。
「トーヤ様。クローネをそんなに愛して頂くのは嬉しいのですがそろそろクローネは仕事の時間です。」
「す、すいません。そんなつもりじゃなくて。寝ぼけていてました。」
「トーヤ様。本日から戦闘と、魔術の訓練がございます。朝食の後1時間後に兵舎の訓練場に、昼食後魔術師用の訓練場にクローネが案内致します。」
「それとクローネいつまでそんな事をしてるんですか? 早くトーヤ様のお着替えの準備をしなさい。」
クローネはずっと体をくねくねしてイヤンイヤン言っていたのに一瞬で俺の服を出す。
「こちらへ寝癖もお直し致します。」
そう言ってクローネは洗面所へ向かう。
「トーヤ様、クローネの様子を見るにまだいたしてないようですね。私はもう歳です。死ぬ前にクローネの子を抱きしめて上げたいのです。どうかお願いします。」
クローネに聞こえないような小さな声でお願いする。
「分かりました。なるべく早く生まれてくるよう頑張ります。」
着替え終わってクローネが用意した飲み物を飲んでいるとクローネは朝の掃除があるという。
「朝食まで2時間ほどありますがどうしますか?」
「じゃあ、本が置いてある場所に行ける?」
「それなら図書室があります。では案内致します。」
そう言って連れてこられたところはとても広い図書館のような所だった。
「本をお持ち致します。どのような本がよろしいですか?」
「いやいいよ。自分で探してみる。」
「わかりました。では、私は掃除に行ってまいります。朝食の前にお呼び致します。」
「ありがとクローネ。仕事頑張ってね。」
そう言うといきなりクローネが近ずいて来ると唇に柔らかい感触が。びっくりして離れる
「行ってまいります、旦那様。」
唇に手を当て満面の笑みでクローネはそう言い仕事へ向かった。
少しの間俺は固まっていた。
「まさかこれがいってらっしゃいのチューか。」
そう言うと本を探し始める。
「見たことの無い文字なのに何故か読めるんだよな。」
そう言いながら今いる国のことや魔物、ほかの種族について調べていく。
少し肩や首が疲れ、顔を上げると目の前に甲冑を着た人が目の前にいた。
「おっ!やっと気づいたか。すごい集中だね。初めて見るけど、名前なんて言うの?」
「鏑木燈夜です。いつからいたんですか?」
「トーヤね。俺の名前はクライブ。大体20分ぐらいかな?」
「そんなに前からいたんですか?すいません気づかなくて。」
「全然いいよ。ところでさ、トーヤ君が最近召喚された勇者なの?」
「違いますよ。召喚はされましたけど勇者じゃないです。」
「そうなんだ。勇者じゃないのに召喚されるって面白いね。あと敬語じゃなくていいよ。めんどくさいでしょ。」
「そっかならタメ口話すよ。まー、向こうの世界は平和でなんの変化もない退屈な世界だったからね。」
それから俺のいた世界のことや色々なことを話した。するとドアが開きクローネが入ってきた。
「トーヤ様そろそろ朝食のお時間になりました。」
「あぁ、ありがとクローネ。」
「やぁ、クローネ。今日も美しいな。まさか朝からクローネと会えるなんていい日だ。」
「話しかけないでください。」
「そんなに照れなくてもいいじゃないか。」
「2人は知り合いだったのか。」
「知り合いじゃありません。」
「そんなつれないこと言うなよ。実はねトーヤ君僕とクローネは付き合っているんだ。」
「そんな適当なこと言わないでください。私はトーヤ様と既に結婚しています。もう付きまとわないでください。」
「どういう事だ?トーヤ、僕のクローネと結婚してるって? 僕のクローネだぞ!僕の!」
そう喚き散らすクライブを構わずクローネは俺の手を引き部屋を出る。
「ちょっ!クローネどういうことだ?」
「実は2年ほど前にクライブが訓練をした後に私にタオルを持ってきて欲しいと言われ手渡した次の日から付きまとわれるようになりました。それから少しすると私と付き合っていると言いふらしていて母に相談したら騎士団長に言ってくれたのですが相変わらず付きまとわれています。」
「そうだったのか。でももう大丈夫だこれからは俺が守るから。」
「ありがとうございます。旦那様。」
そう言って抱きついてきたクローネ。抱きしめ返すとその体は震えていた。
「ではそろそろ行かないと送れてしまいます。」
昨日晩御飯を食べた部屋と一緒のところに着くと既にマヤとマリアの2人は着いていた。席につこうとするとクレアが声をかけてくる。
「トーヤ様少しよろしいです?」
そう言われあとを付いていくとクローネと何かあったか聞かれた。
「実は図書室に行ったらクライブってやつに会いまして。」
「なるほど。そういう事でしたか。申し訳ございません。クライブは思い込みが激しくて初めて会った時にクローネが微笑んでくれたらしく。僕のことを好きなんだと勘違いしまして、騎士団長に行ったところ勘違いして無実の人を牢に入れたことが何度もあって手を焼いているようです。」
「もしかしたらトーヤ様に危害を加えようとするかもしれません。お気をつけください。」
「分かりました。」
部屋に戻るとクローネがなんの話しだったか聞いてくる。
「私も気になります。」
召喚された部屋でしか話してないマリアが話しかけてきた。
「マリアさんだっけ? 実はさっきの人メイド長なんだけど。クローネ、僕の専属のメイドの元気がないから粗相をしたのか心配して聞いてきたんだ。だからクローネは少しおっちょこちょいだけど料理がとっても上手で優秀なメイドさんですよって答えたんだ。」
「へー、そうだったんだ。私、ここに来てから誰にも声を掛けられなかったからトーヤさんなんかしたのかと思っちゃった。」
「トーヤ様。私はおっちょこちょいではありません。完璧なメイドです。」
クローネは答えながら脇をつまんできた。
「痛い!痛いってクローネごめん。もう言わないから。」
「全く。トーヤ様もう料理を作りませんよ。いいんですか?旦那様|(ボソッ)」
「クローネ様がおっちょこちょいだなんて知りませんでした。しかもこんなに楽しそうにしているなんて。」
そういったのはマリアの後ろに立つメイドだった。
「ミネルバ私はおっちょこちょいではありません。それに楽しそうにしていません。」
「トーヤ様。私はミネルバと申します。マリア様の専属メイドです。一体どうやってクローネ様と仲良くなられたんですか?」
「それは秘密です。言ったらクローネに何されるか怖いので。でも実はクローネは、すっごい優しいんですよ。」
「分かります!。私は掃除をしていて廊下に飾ってあるツボを割ってしまったんですけどクローネ様が庇ってくれてその時から1番尊敬しています。」
「そうだったんだ。クローネ、尊敬してるって。良かったじゃん。」
「別に、メイド長にミネルバが怒りるのが可哀想だと思ったから庇っただけです。」
無表情で答えるクローネ。だがその耳は犬が嬉しいとしっぽを降るようにパタパタしていた。
「クローネ。耳が嬉しそうにパタパタしてるよ。」
誰にも聞こえないようにクローネの耳元で言うとクローネの顔が赤く染る。
「ミネルバさん。クローネ照れてるよ。」
「まー、とても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。クローネ様。」
「あっ!クローネ。すごい痛いから。やめて。」
「許しません。」
クローネは燈夜の二の腕をつまむ。
「今日の昼食は抜きです。」
「ほんとに仲いいね。2人とももしかして付き合ってる?」
マリアが、そう聞いた途端クローネの顔が茹でたこのように赤くなる。
「ぷッははは。クローネ顔真っ赤になってるよ。」
「まー、クローネ様にこんなに可愛らしいところがあるなんてしませんでした。」
楽しそうに喋っているクローネたちを見てクレアは微笑み、一筋の涙を零していた。
しばらくするとキョースケが入って来ると俺に話しかける。
「よー、今日は俺より早く来てるな。」
「今日は朝早くにとても優秀なメイドが起こしに来てくれたからね。早く来ることが出来たよ。」
そう軽口で答えるとクレアが頭を下げる。
「それは良かったな。優秀なメイドがいて。それより飯はまだなのか?」
「もうしばらくお待ちくださいそろそろ国王様とお妃様、姫様がまいられます。」
クレアがそう言うと直ぐに王たちが来た。
「おはよう勇者達とトーヤよ。本日から戦闘と、魔術の訓練を受けてもらう。よろしく頼むぞ!」
王が言い終わると食事が運ばれてきた。
朝食はとても体に優しそうなメニューだった。パンにコンソメのような少し薄いスープにサラダ。スクランブルエッグに、さっぱりとした鶏肉のソテーだった。
食事が終わり部屋に戻るとクローネが動きやすい服を渡す。
「これに着替えてください。」
受け取った燈夜が着替え終わるとクローネが心配そうな顔をして、口を開く。
「トーヤ様。今からの訓練でクライブが嫌がらせなどをしてくるかも知れません。どうか気をつけてください。」
「大丈夫!何かあったら直ぐに逃げるから。」
そう答えるとクローネが抱きつく。
「クローネ。敬語じゃなくて普通に話してくれないか?少しだけ距離を感じるんだ。ダメか?」
「分かったわ。これから2人の時は普通に喋る。」
「クローネ。後どのくらい時間ある?」
「そうね。あと30分ぐらいよ。」
「なら少しゆっくりしてから行くか。」
ソファーに座るとクレアに横に座るように進める。すると彼女は横に座って腕に抱きついてイチャイチャし始めた。
30分後、訓練場に集まると50人ぐらいが集まっていた。
「みな集まったな。今からの訓練を開始する。その前に本日から参加する4名を紹介する。キョースケ、マヤ、マリア、この3人は勇者だ。あと一人、トーヤだ新人だからって手を抜くなよ。」
大声で喋り始めた男はものすごくでかく顔に傷があり、すごい威圧感がある。
「ではこの4人がどのぐらいできるか確認するため戦ってもらう。誰か戦いたい奴いるか?」
すると後ろの方からはいっと声がした。
「よし!前に出てこい。クライブか、珍しく積極的だな。誰と戦いたい。」
「はい!団長。私はトーヤと戦いたいです。」
俺は、まじか、めんどくせー。そう思っていると団長に呼ばれた。
「トーヤ出てこい。今からこいつと戦ってもらう。武器はなんでもいいが何がいい?」
「これはセンスとかどのぐらい動けるかの確認ですよね。なら武器はいらないです。向こうでは拳で殴るだけの格闘技を少ししていたので。出来れば包帯をください。」
「なるほど。拳で殴るだけの格闘技か。しかも異世界の格闘技、興味があるな。誰か包帯を。」
そう言うとクローネがいきなり、現れどこからともなく包帯を取り出した。
包帯をバンテージの代わりに手に巻き付ける。
「クローネ。そいつを倒して今すぐ解放してあげるからね。」
そうクライブは言うと鎧を全て脱いだ。
「こっちも拳だけで戦おう。君が負けたらクローネと別れてもらう。」
「お前こそ負けたらクローネに一生近ずくなよ。」
「トーヤに負けるわけないだろ。聞いたところステータスが全て70だそうじゃないか僕はLv20のいちばん高いステータスは物防の319だぞ。」
“フィレーナ。ステータスは勝ってるけど、普通に戦っても大丈夫か?“
“普通に戦うと殺してしまう可能性があります。なので2割ぐらいの力を出してください。“
「では、準備はいいか。始めっ!」
とても暖かく、柔らかい、いい匂いがするものに抱きしめてられいてまた深い眠りの奥に落ちようとするとドアをノックされた。
すると今まで抱きしめられていた暖かく柔らかいものが急にいなくなった。だんだんと温もりといい匂いが消えていくのを感じていると誰かの話し声が聞こえてまた静かになった。だが、誰かに体を揺さぶられる。
「トーヤ様起きてください。母がお呼びです。」
クローネが体を何回か揺さぶっているといきなり布団の中に引きずり込む。
「えっ!ちょっと!今から?! 。しかも母の前で!そんな、恥ずかしいです。」
「トーヤ様。クローネの母である私の前で情事を始めようとは、流石でございますね。孫の顔を早く見れそうでとても嬉しく思います。」
とても冷たい声と、眠気も吹き飛ぶ恐怖で目が覚めるとクレアがそこにいた。
「トーヤ様。クローネをそんなに愛して頂くのは嬉しいのですがそろそろクローネは仕事の時間です。」
「す、すいません。そんなつもりじゃなくて。寝ぼけていてました。」
「トーヤ様。本日から戦闘と、魔術の訓練がございます。朝食の後1時間後に兵舎の訓練場に、昼食後魔術師用の訓練場にクローネが案内致します。」
「それとクローネいつまでそんな事をしてるんですか? 早くトーヤ様のお着替えの準備をしなさい。」
クローネはずっと体をくねくねしてイヤンイヤン言っていたのに一瞬で俺の服を出す。
「こちらへ寝癖もお直し致します。」
そう言ってクローネは洗面所へ向かう。
「トーヤ様、クローネの様子を見るにまだいたしてないようですね。私はもう歳です。死ぬ前にクローネの子を抱きしめて上げたいのです。どうかお願いします。」
クローネに聞こえないような小さな声でお願いする。
「分かりました。なるべく早く生まれてくるよう頑張ります。」
着替え終わってクローネが用意した飲み物を飲んでいるとクローネは朝の掃除があるという。
「朝食まで2時間ほどありますがどうしますか?」
「じゃあ、本が置いてある場所に行ける?」
「それなら図書室があります。では案内致します。」
そう言って連れてこられたところはとても広い図書館のような所だった。
「本をお持ち致します。どのような本がよろしいですか?」
「いやいいよ。自分で探してみる。」
「わかりました。では、私は掃除に行ってまいります。朝食の前にお呼び致します。」
「ありがとクローネ。仕事頑張ってね。」
そう言うといきなりクローネが近ずいて来ると唇に柔らかい感触が。びっくりして離れる
「行ってまいります、旦那様。」
唇に手を当て満面の笑みでクローネはそう言い仕事へ向かった。
少しの間俺は固まっていた。
「まさかこれがいってらっしゃいのチューか。」
そう言うと本を探し始める。
「見たことの無い文字なのに何故か読めるんだよな。」
そう言いながら今いる国のことや魔物、ほかの種族について調べていく。
少し肩や首が疲れ、顔を上げると目の前に甲冑を着た人が目の前にいた。
「おっ!やっと気づいたか。すごい集中だね。初めて見るけど、名前なんて言うの?」
「鏑木燈夜です。いつからいたんですか?」
「トーヤね。俺の名前はクライブ。大体20分ぐらいかな?」
「そんなに前からいたんですか?すいません気づかなくて。」
「全然いいよ。ところでさ、トーヤ君が最近召喚された勇者なの?」
「違いますよ。召喚はされましたけど勇者じゃないです。」
「そうなんだ。勇者じゃないのに召喚されるって面白いね。あと敬語じゃなくていいよ。めんどくさいでしょ。」
「そっかならタメ口話すよ。まー、向こうの世界は平和でなんの変化もない退屈な世界だったからね。」
それから俺のいた世界のことや色々なことを話した。するとドアが開きクローネが入ってきた。
「トーヤ様そろそろ朝食のお時間になりました。」
「あぁ、ありがとクローネ。」
「やぁ、クローネ。今日も美しいな。まさか朝からクローネと会えるなんていい日だ。」
「話しかけないでください。」
「そんなに照れなくてもいいじゃないか。」
「2人は知り合いだったのか。」
「知り合いじゃありません。」
「そんなつれないこと言うなよ。実はねトーヤ君僕とクローネは付き合っているんだ。」
「そんな適当なこと言わないでください。私はトーヤ様と既に結婚しています。もう付きまとわないでください。」
「どういう事だ?トーヤ、僕のクローネと結婚してるって? 僕のクローネだぞ!僕の!」
そう喚き散らすクライブを構わずクローネは俺の手を引き部屋を出る。
「ちょっ!クローネどういうことだ?」
「実は2年ほど前にクライブが訓練をした後に私にタオルを持ってきて欲しいと言われ手渡した次の日から付きまとわれるようになりました。それから少しすると私と付き合っていると言いふらしていて母に相談したら騎士団長に言ってくれたのですが相変わらず付きまとわれています。」
「そうだったのか。でももう大丈夫だこれからは俺が守るから。」
「ありがとうございます。旦那様。」
そう言って抱きついてきたクローネ。抱きしめ返すとその体は震えていた。
「ではそろそろ行かないと送れてしまいます。」
昨日晩御飯を食べた部屋と一緒のところに着くと既にマヤとマリアの2人は着いていた。席につこうとするとクレアが声をかけてくる。
「トーヤ様少しよろしいです?」
そう言われあとを付いていくとクローネと何かあったか聞かれた。
「実は図書室に行ったらクライブってやつに会いまして。」
「なるほど。そういう事でしたか。申し訳ございません。クライブは思い込みが激しくて初めて会った時にクローネが微笑んでくれたらしく。僕のことを好きなんだと勘違いしまして、騎士団長に行ったところ勘違いして無実の人を牢に入れたことが何度もあって手を焼いているようです。」
「もしかしたらトーヤ様に危害を加えようとするかもしれません。お気をつけください。」
「分かりました。」
部屋に戻るとクローネがなんの話しだったか聞いてくる。
「私も気になります。」
召喚された部屋でしか話してないマリアが話しかけてきた。
「マリアさんだっけ? 実はさっきの人メイド長なんだけど。クローネ、僕の専属のメイドの元気がないから粗相をしたのか心配して聞いてきたんだ。だからクローネは少しおっちょこちょいだけど料理がとっても上手で優秀なメイドさんですよって答えたんだ。」
「へー、そうだったんだ。私、ここに来てから誰にも声を掛けられなかったからトーヤさんなんかしたのかと思っちゃった。」
「トーヤ様。私はおっちょこちょいではありません。完璧なメイドです。」
クローネは答えながら脇をつまんできた。
「痛い!痛いってクローネごめん。もう言わないから。」
「全く。トーヤ様もう料理を作りませんよ。いいんですか?旦那様|(ボソッ)」
「クローネ様がおっちょこちょいだなんて知りませんでした。しかもこんなに楽しそうにしているなんて。」
そういったのはマリアの後ろに立つメイドだった。
「ミネルバ私はおっちょこちょいではありません。それに楽しそうにしていません。」
「トーヤ様。私はミネルバと申します。マリア様の専属メイドです。一体どうやってクローネ様と仲良くなられたんですか?」
「それは秘密です。言ったらクローネに何されるか怖いので。でも実はクローネは、すっごい優しいんですよ。」
「分かります!。私は掃除をしていて廊下に飾ってあるツボを割ってしまったんですけどクローネ様が庇ってくれてその時から1番尊敬しています。」
「そうだったんだ。クローネ、尊敬してるって。良かったじゃん。」
「別に、メイド長にミネルバが怒りるのが可哀想だと思ったから庇っただけです。」
無表情で答えるクローネ。だがその耳は犬が嬉しいとしっぽを降るようにパタパタしていた。
「クローネ。耳が嬉しそうにパタパタしてるよ。」
誰にも聞こえないようにクローネの耳元で言うとクローネの顔が赤く染る。
「ミネルバさん。クローネ照れてるよ。」
「まー、とても嬉しいです。これからもよろしくお願いします。クローネ様。」
「あっ!クローネ。すごい痛いから。やめて。」
「許しません。」
クローネは燈夜の二の腕をつまむ。
「今日の昼食は抜きです。」
「ほんとに仲いいね。2人とももしかして付き合ってる?」
マリアが、そう聞いた途端クローネの顔が茹でたこのように赤くなる。
「ぷッははは。クローネ顔真っ赤になってるよ。」
「まー、クローネ様にこんなに可愛らしいところがあるなんてしませんでした。」
楽しそうに喋っているクローネたちを見てクレアは微笑み、一筋の涙を零していた。
しばらくするとキョースケが入って来ると俺に話しかける。
「よー、今日は俺より早く来てるな。」
「今日は朝早くにとても優秀なメイドが起こしに来てくれたからね。早く来ることが出来たよ。」
そう軽口で答えるとクレアが頭を下げる。
「それは良かったな。優秀なメイドがいて。それより飯はまだなのか?」
「もうしばらくお待ちくださいそろそろ国王様とお妃様、姫様がまいられます。」
クレアがそう言うと直ぐに王たちが来た。
「おはよう勇者達とトーヤよ。本日から戦闘と、魔術の訓練を受けてもらう。よろしく頼むぞ!」
王が言い終わると食事が運ばれてきた。
朝食はとても体に優しそうなメニューだった。パンにコンソメのような少し薄いスープにサラダ。スクランブルエッグに、さっぱりとした鶏肉のソテーだった。
食事が終わり部屋に戻るとクローネが動きやすい服を渡す。
「これに着替えてください。」
受け取った燈夜が着替え終わるとクローネが心配そうな顔をして、口を開く。
「トーヤ様。今からの訓練でクライブが嫌がらせなどをしてくるかも知れません。どうか気をつけてください。」
「大丈夫!何かあったら直ぐに逃げるから。」
そう答えるとクローネが抱きつく。
「クローネ。敬語じゃなくて普通に話してくれないか?少しだけ距離を感じるんだ。ダメか?」
「分かったわ。これから2人の時は普通に喋る。」
「クローネ。後どのくらい時間ある?」
「そうね。あと30分ぐらいよ。」
「なら少しゆっくりしてから行くか。」
ソファーに座るとクレアに横に座るように進める。すると彼女は横に座って腕に抱きついてイチャイチャし始めた。
30分後、訓練場に集まると50人ぐらいが集まっていた。
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大声で喋り始めた男はものすごくでかく顔に傷があり、すごい威圧感がある。
「ではこの4人がどのぐらいできるか確認するため戦ってもらう。誰か戦いたい奴いるか?」
すると後ろの方からはいっと声がした。
「よし!前に出てこい。クライブか、珍しく積極的だな。誰と戦いたい。」
「はい!団長。私はトーヤと戦いたいです。」
俺は、まじか、めんどくせー。そう思っていると団長に呼ばれた。
「トーヤ出てこい。今からこいつと戦ってもらう。武器はなんでもいいが何がいい?」
「これはセンスとかどのぐらい動けるかの確認ですよね。なら武器はいらないです。向こうでは拳で殴るだけの格闘技を少ししていたので。出来れば包帯をください。」
「なるほど。拳で殴るだけの格闘技か。しかも異世界の格闘技、興味があるな。誰か包帯を。」
そう言うとクローネがいきなり、現れどこからともなく包帯を取り出した。
包帯をバンテージの代わりに手に巻き付ける。
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そうクライブは言うと鎧を全て脱いだ。
「こっちも拳だけで戦おう。君が負けたらクローネと別れてもらう。」
「お前こそ負けたらクローネに一生近ずくなよ。」
「トーヤに負けるわけないだろ。聞いたところステータスが全て70だそうじゃないか僕はLv20のいちばん高いステータスは物防の319だぞ。」
“フィレーナ。ステータスは勝ってるけど、普通に戦っても大丈夫か?“
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