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《莉兎視点》
狡猾で歪んだ狩人 03
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――無理だ。
このSubに対する欲は抑えられそうになかった。
コウキの蕩けた顔は莉兎のDomの本能を刺激して止まない。
「ねえ、コウキ。そのまま聞いてくれる?」
そう言ってGlareの力を弱めても、コウキの表情は変わらなかった。
物欲しそうに莉兎のほうを見つめてくる。
ちゃんと話を聞けるのかと聞けば「大丈夫」とすぐに返事はあったけれど、その口調もどこか舌ったらずでたどたどしい。
我慢できずにコウキに向かって手を伸ばした。
頬に触れただけなのに、その腰がひくりと揺れる。触れた場所から官能的な刺激を受け取っているのは間違いなかった。
「ねえ、俺のSubにならない?」
思わず、そう聞いていた。
まだそんなことを言うつもりはなかったのに、気づけば口にしてしまっていた。
「……リウの、Subに?」
蕩けているようだが、きちんと話は通じているようだった。
コウキはそう繰り返した後、顔をほのかに赤く染める。震えた息を吐き出しながら、熱のこもった目で再び莉兎のほうを見上げてくる。
見間違えようもないほど、こちらを求めている顔だ。
――こんな顔を見て、我慢なんてできるわけがない。
無理やり蓋をしていたDomの本能が隙間からあふれ出すのを感じた。
◆
――抱かれたことがないだけじゃなく、キスまでしたことがないなんて。
コウキの元パートナーに対しては元々信じられない気持ちでいっぱいだったが、これには「あり得ない」と実際に叫んでしまいそうだった。
優しくいたわるように口づければ、泣きそうな顔をしていた。
深く咥内を犯せば、それをも健気に受け入れた。
気持ちよさにうっすら涙ぐんだ顔を見ていると、もっと泣かせたくなる。
この顔を苦痛に歪めてやりたいと思う。
自分がDomとして、ひどく歪んでいることは自覚していた。Domが全員、こんな欲求を持ってはいないことだって知っている。
このままではいつか、この手で愛しいSubを殺してしまうのではないかと、そんな恐怖を抱いたことだってあった。
『やだ、来ないで! 殺さないで!』
実際にそんな悲鳴を聞いたこともある。
あれは初めてSub相手にプレイした日のことだ。
あの怯えた目を忘れた日はない。その悲鳴も、莉兎は戒めとしてずっと覚えていた。
――でも、それにすら興奮した。
そんな自分が恐ろしかった。
最初は優しくしたいと思っていたはずなのに、気づけばひどく傷つけたいという感情に置き換わっている。
本能が理性を上回ったとき、自分がどんな怪物になってしまうのか――、それは莉兎本人ですらわからない。
「コウキ、本当に俺を受け入れてくれるならStrip。全部、俺に見せて」
それができないなら、早く逃げてほしかった。
このSubに対する欲は抑えられそうになかった。
コウキの蕩けた顔は莉兎のDomの本能を刺激して止まない。
「ねえ、コウキ。そのまま聞いてくれる?」
そう言ってGlareの力を弱めても、コウキの表情は変わらなかった。
物欲しそうに莉兎のほうを見つめてくる。
ちゃんと話を聞けるのかと聞けば「大丈夫」とすぐに返事はあったけれど、その口調もどこか舌ったらずでたどたどしい。
我慢できずにコウキに向かって手を伸ばした。
頬に触れただけなのに、その腰がひくりと揺れる。触れた場所から官能的な刺激を受け取っているのは間違いなかった。
「ねえ、俺のSubにならない?」
思わず、そう聞いていた。
まだそんなことを言うつもりはなかったのに、気づけば口にしてしまっていた。
「……リウの、Subに?」
蕩けているようだが、きちんと話は通じているようだった。
コウキはそう繰り返した後、顔をほのかに赤く染める。震えた息を吐き出しながら、熱のこもった目で再び莉兎のほうを見上げてくる。
見間違えようもないほど、こちらを求めている顔だ。
――こんな顔を見て、我慢なんてできるわけがない。
無理やり蓋をしていたDomの本能が隙間からあふれ出すのを感じた。
◆
――抱かれたことがないだけじゃなく、キスまでしたことがないなんて。
コウキの元パートナーに対しては元々信じられない気持ちでいっぱいだったが、これには「あり得ない」と実際に叫んでしまいそうだった。
優しくいたわるように口づければ、泣きそうな顔をしていた。
深く咥内を犯せば、それをも健気に受け入れた。
気持ちよさにうっすら涙ぐんだ顔を見ていると、もっと泣かせたくなる。
この顔を苦痛に歪めてやりたいと思う。
自分がDomとして、ひどく歪んでいることは自覚していた。Domが全員、こんな欲求を持ってはいないことだって知っている。
このままではいつか、この手で愛しいSubを殺してしまうのではないかと、そんな恐怖を抱いたことだってあった。
『やだ、来ないで! 殺さないで!』
実際にそんな悲鳴を聞いたこともある。
あれは初めてSub相手にプレイした日のことだ。
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――でも、それにすら興奮した。
そんな自分が恐ろしかった。
最初は優しくしたいと思っていたはずなのに、気づけばひどく傷つけたいという感情に置き換わっている。
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それができないなら、早く逃げてほしかった。
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