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《幸季視点》
愛情と支配 01
しおりを挟むもう何度達したのか、それすらわからなくなっていた。
責めはまだ続いている。今は四つん這いで腰を高く上げた姿勢で、後ろからリウに貫かれていた。
ぐちゅぐちゅと濡れた音が後ろから聞こえる。数え切れないほど吐き出された精が、幸季の後孔で泡立つ音だ。
抜き差しされるたびに卑猥な音が耳に届き、ナカを掻き回される快感とともに幸季を追い立てた。
「――、っ」
声はもう出なかった。
あんな悲鳴ばかり上げさせられ続ければ当然だ。
泣き喚くたび、「可愛い」「好き」と優しい声で囁かれた。助けを求めても「可哀想だね」と言って嬉しそうに微笑むだけ。
リウもやはりDomだった。
店での優しいプレイはなんだったのかと思うほど、その抱き方に容赦はない。Dom性をさらけ出したリウのプレイは得体の知れない恐ろしさがあった。
――怖い、けど……もっと欲しい。
そんなリウに恐怖を感じているはずなのに、それでも嫌だとは思わない。
幸季のSubとしての本能は間違いなく、Domから向けられる情欲に揺さぶられていた。
最初はその衝撃から逃げ出そうとしていたが、そんな気持ちももうない。過ぎた快楽による苦しさを与えられ続けても、それがリウから与えられたものならすべて受け止められる気がした。
むしろ、本能はそれを求めているようだ。
この行為に歓喜を覚えている。
――僕も、やっぱりSubなんだ。
前のパートナーからの責めは本当に苦痛でしかなかったのだと、今さら気づかされる。己がSubだと思い知らされるのも、いつも絶望感をはらんでいた。
だけど、今は違う。
不思議な多幸感がある。
彼とリウ、何が違うのかまではわからない。
快楽による責めも、痛みによる責めも本質は同じように思えるのに、リウから与えられるものを幸季は悦びとして受け取っていた。
気を失うほど揺さぶられても、泣き叫ぶほど強く穿たれても、――もっと欲しいと思ってしまう。
これだけ長く幸季を責め続けるリウは間違いなく異常といえたが、それを受け止められ続ける自分もまた明らかな異常性を秘めているとしか思えなかった。
「――さすがに、もう出ないかな」
絶倫だと思われたリウにも限界はあったらしい。
だが、その声にそこまで疲れた様子は感じられない。
――何時間ぐらい、こうしてたんだろう。
時間の感覚はもうなかった。
ただ、飛び散った精液の乾き具合からいって、かなりの時間こうして抱かれ続けていたのは間違いない。
「……っ、んぅ」
ずるり、と抜かれる感覚に掠れた呻き声が漏れる。
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