14 / 68
14 血に塗れる決意
しおりを挟む
その日は先に進むことを諦め、木のうろを寝床にして休息を取ることに決めた。水場と寝床を往復しただけで、アロイヴが動けなくなってしまったからだ。
ずっと屋敷に引きこもっていた身体で無理をしたからだろうか。心労もあるのかもしれない。
アロイヴの心はかなり不安定な状態だった。
それでも、一晩休めばなんとかなるだろうと考え、今日はここに留まることにした。
しかし、追っ手の心配はまだある。
アロイヴの居場所がバレている可能性は低いが、希少な称号を持つアロイヴのことを、あの男たちが簡単に諦めるとは考えづらかった。
それに、彼らの雇い主についてもわからないままだ。
教会がそれに関与しているのかどうかも。
「神父様は、いったい何に反対してたんだろう」
これまで神父と深く関わったことはなかったが、別に悪い人ではなかったと思う。
神のお告げを信じ、アロイヴが魔王の生贄として役割をきちんと果たせるようにと、そうまっすぐ考えている人だった。
そんな神父のことを邪魔だと考える相手――あんなゴロツキども使って生贄の少年たちを攫い、その人物は何をしようとしているのだろう。
「本当に……生贄ってなんなんだろ」
自分だってそうなのに、わからないことしかない。
魔族にとって美味な餌だという以外に、何か特別な役割でもあるのだろうか。
「……今日はもう寝よう」
また考えが暗くなってしまう前、アロイヴは眠ることにした。
昼間のように木の葉の上に横になるのではなく、先に丸まって眠っていた紫紺の体にもたれかかる。紫紺はアロイヴの重みで目を覚ますと、嬉しそうに尻尾を揺らした。
「くっついて寝ていい? あと、尻尾を抱き枕がわりにしたいって言ったら怒る?」
紫紺はきゅうと一鳴きすると、体が大きく成長したのと同じだけ長く立派になった尻尾を、ふわりとアロイヴの身体の上に置いた。お許しが出たようだ。
紫紺の尻尾を抱きしめて、顔を擦り寄せる。
ふわふわの毛並みを全身で堪能しながら眠りについた。
◆
それから数日、アロイヴと紫紺は森の中をひたすら進んだ。
紫紺は体の大きさを自由に変えることができたので、移動中は前のように小さくなってアロイヴの首に巻きつき、眠るときはアロイヴの布団がわりになれるよう大きくなってくれた。
そのおかげで、森での野宿もそこまで苦とは思わなかった。
ただ、身体の汚れと臭いだけは気になる。
道中に何度か水浴びや洗濯はしていたが、それでも清潔というには程遠かった。
屋敷から逃げ出す前、一番丈夫な服と靴を選んだはずなのに、それもこの数日でもうボロボロになってしまっている。
「でも、替えの服なんて持ってないし……」
そんなことを考えていたときだった。
遠くから聞き慣れない音がアロイヴの耳に届く。森でよく聞く魔獣の鳴き声ではない。
これは――、
「誰かが、魔法で戦ってる音?」
気づいて、思わず駆け出していた。
駆けつけたところで、アロイヴにできることはないのに。
音とは反対側に逃げるのが正解だったかもしれないと思いながらも、アロイヴは音の聞こえるほうに向かって駆けていた。
もちろん、紫紺も一緒だ。
紫紺には首に巻きついてもらい、姿消しの術も使ってもらっている。これならこの音の正体がたとえ追っ手の魔法であっても、見つかることなく逃げられるだろう。
音が近くなってくる。
アロイヴは徐々に走る速度を落とし、周囲の様子を窺いながら、土煙の上がっている場所へ近づいていく。
「あれは……馬車? 魔獣に襲われてる」
猿に似た巨大な魔獣が馬車を襲っているのが見えた。
どうやら、商人の馬車のようだ。魔獣の攻撃によって無惨にも転がされた荷台の積荷が、あちこちに散乱している。
魔獣と戦っているのは商人が雇った護衛のようだったが、アロイヴが到着したときにはすでに二人が地面に倒れ、最後の一人となった魔術師らしき男が、なんとか魔法で応戦しているところだった。
不運にも、護衛対象だったはずの商人はすでにやられてしまっている。
「う…………っ」
人が死んでいるところを見るのは、これが初めてだった。
しかも、状態が酷い。
込み上げる吐き気を堪えながら、アロイヴは一旦木陰に隠れた。なんとか落ち着こうと深呼吸を繰り返したが、鼓動はいつまで経ってもうるさいままだ。
――どうしよう。
一人だが、まだ生きている人がいる。
その人もこのままでは、あの魔獣にやられて死んでしまうだろう。
しかし、アロイヴにできることなんてない。
――また他人を見捨てて、自分一人だけ逃げるつもりなのか?
そう自分を責める自分の声が聞こえた気がした。
アロイヴはこれまでずっと逃げてきた。
メンネが魔族にどんな目に遭わされるのか知っていたのに、そのことを誰にも言わず黙っていた。
同じ境遇の少年たちが賊に襲われ、悲鳴を上げているのも無視して、自分だけは紫紺に守られていた。
挙げ句、ケイが自分を守るために死を覚悟していることに気づいていたのに、そのときだってアロイヴは何もできなかった――やろうともしなかった。
同じことを、今も繰り返そうとしている。
後悔ばかりしてきたのに、その後悔からも目を逸らして、自分はまた繰り返すつもりなのか。
「……紫紺」
震える声で、紫紺の名前を呼んだ。
きゅ、といつもと変わらない返事で紫紺が応える。
「もし……僕が危なくなっても助けにこないで。紫紺だけでも逃げてほしいんだ……ごめん」
早口でそう紫紺に告げ、アロイヴは首元から無理やり紫紺を引き剥がした。草むらに向かって紫紺を放り投げ、代わりに足元に落ちていた拳大の石を拾う。
木陰から、一気に飛び出した。
猿型の魔獣は今まさに、魔術師の男性に手にかけようとしているところだった。
そんな魔獣に向かって全力で石を投げつける。
こんなものでは、ろくなダメージにはならないだろう。
それでも、魔獣の気を逸らすことができれば、あの人は生き延びられるかもしれない。
「こっちだ、来い!」
魔獣がこちらを振り返る。
近くで見る魔獣は、アロイヴの何倍もの大きさがあった。こんな相手から本当に逃げ切れるのだろうか。
だが、もうやり始めたことだ。
ここで止めることは許されない。
「動けるなら、逃げて!」
今度は魔獣ではなく、その向こうにいる魔術師に向かって叫んだ。アロイヴはすぐさま踵を返すと、紫紺を投げた草むらとは反対側に向かって走り出す。
――ちゃんと、僕を追ってきてる。
魔獣の足音は、まるで地響きのようだった。
この森に、こんな魔獣がいたなんて。
数日、この森を歩き続けたアロイヴだったが、魔獣との遭遇は一度もなかった。
鳴き声だけなら何度も聞いたが、姿すら見かけていない。
――紫紺みたいに言葉は通じなさそうだし、どうやっても勝てる相手じゃない……逃げ切らないと!
それ以外に、アロイヴが生き延びる道はなかった。
魔獣の走る速度は、アロイヴの思っていた以上に速い。巨体が通りにくいだろう道を選んで走っているのに、魔獣は木々を薙ぎ倒しながら迫ってくる。
追いつかれるのは、時間の問題だった。
それでも、諦めるわけにはいかない――そう思ったのに。
「わ……ッ!」
木の根に足を取られ、アロイヴは走っている勢いのまま転んでしまった。
地面に全身を強く打ちつけただけでなく、足首を強く捻ってしまったせいで立ち上がれない。
「ぐ、あ……っ」
這うだけでも足に激痛が走る。
それでも、無抵抗でやられるわけにはいかない。
四つん這いで必死に逃げる目の前に、魔獣の影が落ちる。
血に染まった長く鋭い爪が、アロイヴの背に向かって振り下ろされた。
ずっと屋敷に引きこもっていた身体で無理をしたからだろうか。心労もあるのかもしれない。
アロイヴの心はかなり不安定な状態だった。
それでも、一晩休めばなんとかなるだろうと考え、今日はここに留まることにした。
しかし、追っ手の心配はまだある。
アロイヴの居場所がバレている可能性は低いが、希少な称号を持つアロイヴのことを、あの男たちが簡単に諦めるとは考えづらかった。
それに、彼らの雇い主についてもわからないままだ。
教会がそれに関与しているのかどうかも。
「神父様は、いったい何に反対してたんだろう」
これまで神父と深く関わったことはなかったが、別に悪い人ではなかったと思う。
神のお告げを信じ、アロイヴが魔王の生贄として役割をきちんと果たせるようにと、そうまっすぐ考えている人だった。
そんな神父のことを邪魔だと考える相手――あんなゴロツキども使って生贄の少年たちを攫い、その人物は何をしようとしているのだろう。
「本当に……生贄ってなんなんだろ」
自分だってそうなのに、わからないことしかない。
魔族にとって美味な餌だという以外に、何か特別な役割でもあるのだろうか。
「……今日はもう寝よう」
また考えが暗くなってしまう前、アロイヴは眠ることにした。
昼間のように木の葉の上に横になるのではなく、先に丸まって眠っていた紫紺の体にもたれかかる。紫紺はアロイヴの重みで目を覚ますと、嬉しそうに尻尾を揺らした。
「くっついて寝ていい? あと、尻尾を抱き枕がわりにしたいって言ったら怒る?」
紫紺はきゅうと一鳴きすると、体が大きく成長したのと同じだけ長く立派になった尻尾を、ふわりとアロイヴの身体の上に置いた。お許しが出たようだ。
紫紺の尻尾を抱きしめて、顔を擦り寄せる。
ふわふわの毛並みを全身で堪能しながら眠りについた。
◆
それから数日、アロイヴと紫紺は森の中をひたすら進んだ。
紫紺は体の大きさを自由に変えることができたので、移動中は前のように小さくなってアロイヴの首に巻きつき、眠るときはアロイヴの布団がわりになれるよう大きくなってくれた。
そのおかげで、森での野宿もそこまで苦とは思わなかった。
ただ、身体の汚れと臭いだけは気になる。
道中に何度か水浴びや洗濯はしていたが、それでも清潔というには程遠かった。
屋敷から逃げ出す前、一番丈夫な服と靴を選んだはずなのに、それもこの数日でもうボロボロになってしまっている。
「でも、替えの服なんて持ってないし……」
そんなことを考えていたときだった。
遠くから聞き慣れない音がアロイヴの耳に届く。森でよく聞く魔獣の鳴き声ではない。
これは――、
「誰かが、魔法で戦ってる音?」
気づいて、思わず駆け出していた。
駆けつけたところで、アロイヴにできることはないのに。
音とは反対側に逃げるのが正解だったかもしれないと思いながらも、アロイヴは音の聞こえるほうに向かって駆けていた。
もちろん、紫紺も一緒だ。
紫紺には首に巻きついてもらい、姿消しの術も使ってもらっている。これならこの音の正体がたとえ追っ手の魔法であっても、見つかることなく逃げられるだろう。
音が近くなってくる。
アロイヴは徐々に走る速度を落とし、周囲の様子を窺いながら、土煙の上がっている場所へ近づいていく。
「あれは……馬車? 魔獣に襲われてる」
猿に似た巨大な魔獣が馬車を襲っているのが見えた。
どうやら、商人の馬車のようだ。魔獣の攻撃によって無惨にも転がされた荷台の積荷が、あちこちに散乱している。
魔獣と戦っているのは商人が雇った護衛のようだったが、アロイヴが到着したときにはすでに二人が地面に倒れ、最後の一人となった魔術師らしき男が、なんとか魔法で応戦しているところだった。
不運にも、護衛対象だったはずの商人はすでにやられてしまっている。
「う…………っ」
人が死んでいるところを見るのは、これが初めてだった。
しかも、状態が酷い。
込み上げる吐き気を堪えながら、アロイヴは一旦木陰に隠れた。なんとか落ち着こうと深呼吸を繰り返したが、鼓動はいつまで経ってもうるさいままだ。
――どうしよう。
一人だが、まだ生きている人がいる。
その人もこのままでは、あの魔獣にやられて死んでしまうだろう。
しかし、アロイヴにできることなんてない。
――また他人を見捨てて、自分一人だけ逃げるつもりなのか?
そう自分を責める自分の声が聞こえた気がした。
アロイヴはこれまでずっと逃げてきた。
メンネが魔族にどんな目に遭わされるのか知っていたのに、そのことを誰にも言わず黙っていた。
同じ境遇の少年たちが賊に襲われ、悲鳴を上げているのも無視して、自分だけは紫紺に守られていた。
挙げ句、ケイが自分を守るために死を覚悟していることに気づいていたのに、そのときだってアロイヴは何もできなかった――やろうともしなかった。
同じことを、今も繰り返そうとしている。
後悔ばかりしてきたのに、その後悔からも目を逸らして、自分はまた繰り返すつもりなのか。
「……紫紺」
震える声で、紫紺の名前を呼んだ。
きゅ、といつもと変わらない返事で紫紺が応える。
「もし……僕が危なくなっても助けにこないで。紫紺だけでも逃げてほしいんだ……ごめん」
早口でそう紫紺に告げ、アロイヴは首元から無理やり紫紺を引き剥がした。草むらに向かって紫紺を放り投げ、代わりに足元に落ちていた拳大の石を拾う。
木陰から、一気に飛び出した。
猿型の魔獣は今まさに、魔術師の男性に手にかけようとしているところだった。
そんな魔獣に向かって全力で石を投げつける。
こんなものでは、ろくなダメージにはならないだろう。
それでも、魔獣の気を逸らすことができれば、あの人は生き延びられるかもしれない。
「こっちだ、来い!」
魔獣がこちらを振り返る。
近くで見る魔獣は、アロイヴの何倍もの大きさがあった。こんな相手から本当に逃げ切れるのだろうか。
だが、もうやり始めたことだ。
ここで止めることは許されない。
「動けるなら、逃げて!」
今度は魔獣ではなく、その向こうにいる魔術師に向かって叫んだ。アロイヴはすぐさま踵を返すと、紫紺を投げた草むらとは反対側に向かって走り出す。
――ちゃんと、僕を追ってきてる。
魔獣の足音は、まるで地響きのようだった。
この森に、こんな魔獣がいたなんて。
数日、この森を歩き続けたアロイヴだったが、魔獣との遭遇は一度もなかった。
鳴き声だけなら何度も聞いたが、姿すら見かけていない。
――紫紺みたいに言葉は通じなさそうだし、どうやっても勝てる相手じゃない……逃げ切らないと!
それ以外に、アロイヴが生き延びる道はなかった。
魔獣の走る速度は、アロイヴの思っていた以上に速い。巨体が通りにくいだろう道を選んで走っているのに、魔獣は木々を薙ぎ倒しながら迫ってくる。
追いつかれるのは、時間の問題だった。
それでも、諦めるわけにはいかない――そう思ったのに。
「わ……ッ!」
木の根に足を取られ、アロイヴは走っている勢いのまま転んでしまった。
地面に全身を強く打ちつけただけでなく、足首を強く捻ってしまったせいで立ち上がれない。
「ぐ、あ……っ」
這うだけでも足に激痛が走る。
それでも、無抵抗でやられるわけにはいかない。
四つん這いで必死に逃げる目の前に、魔獣の影が落ちる。
血に染まった長く鋭い爪が、アロイヴの背に向かって振り下ろされた。
210
お気に入りに追加
651
あなたにおすすめの小説
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
婚約破棄された悪役令息は従者に溺愛される
田中
BL
BLゲームの悪役令息であるリアン・ヒスコックに転生してしまった俺は、婚約者である第二王子から断罪されるのを待っていた!
なぜなら断罪が領地で療養という軽い処置だから。
婚約破棄をされたリアンは従者のテオと共に領地の屋敷で暮らすことになるが何気ないリアンの一言で、テオがリアンにぐいぐい迫ってきてーー?!
従者×悪役令息
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
嫌われ公式愛妾役ですが夫だけはただの僕のガチ勢でした
ナイトウ
BL
BL小説大賞にご協力ありがとうございました!!
CP:不器用受ガチ勢伯爵夫攻め、女形役者受け
相手役は第11話から出てきます。
ロストリア帝国の首都セレンで女形の売れっ子役者をしていたルネは、皇帝エルドヴァルの為に公式愛妾を装い王宮に出仕し、王妃マリーズの代わりに貴族の反感を一手に受ける役割を引き受けた。
役目は無事終わり追放されたルネ。所属していた劇団に戻りまた役者業を再開しようとするも公式愛妾になるために偽装結婚したリリック伯爵に阻まれる。
そこで仕方なく、顔もろくに知らない夫と離婚し役者に戻るために彼の屋敷に向かうのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる